クリントン氏の起訴に向けて米司法省が捜査開始 Part1

07.01.2018

Photo: vaskal.ca

 

 2018年に入って、米司法省は検事当局とFBIにクリントン氏を対象とする3件の捜査活動の開始を命じた。公務で私用のサーバーを使ってのメール通信による機密情報の漏えい、慈善団体として登録されているクリントン財団に関わる犯罪行為とクリントンン/クリントン財団のウラニウム・ワン買収を巡る違法行為の疑惑で捜査が開始された。2018年はこれまで政府内のクリントン支持派、民主党、リベラル派のマスコミによって隠蔽されてきたクリントン氏の数々の犯罪が明らかとなれば起訴が現実となる。

 

機密情報の漏えい

 クリントン氏が国務長官在任中に公務で、機密情報を私用のサーバーを使って通信を行っていたことで、2015年から2016年にFBIの捜査対象となった。当時のコミー前FBI長官は「軽率な取り扱いを行ったが刑事起訴する根拠がない」として不起訴処分にした。

 

 その後の情報公開法による情報公開で、クリントン支持者であったコミー前FBI長官は、FBIが捜査の中心となったクリントン氏と関係者の事情徴収を行う2~3カ月前に不起訴処分とする公式文章を作成していたことが明らかとなった。つまり、FBI捜査が終了する2~3カ月前に既に、コミー前長官の単独の判断でクリントン氏の不起訴が決まっていたことになる。

 

 更に、クリントン氏の側近であったフーマ・アベディンの元夫、ウィーナー元下議員が未成年女性との性的内容のメールやり取りで逮捕。ニューヨーク市警察が捜査過程で押収したパソコンや電子端末から、クリントン氏とアベディン氏との間で交わしたメールには機密情報が含まれていたことが判明した。

 

 検察当局の捜査は、クリントン氏と側近の機密情報の扱い方、どの程度機密情報が私用サーバーを使って通信されていたか、だれが国防省サーバーではなく、安全が確保できない私用サーバーの私用を指示したか、FBI捜査官の捜査に不正はなかったのかが中心となる。

 

 コミー前FBI長官が2度目の捜査の終結を発表した際、クリントン氏が私用のサーバーを使って受送信したメールのうち、機密性の高い情報を含め約108件のメールに機密情報が含まれていたことが確認され、「敵対関係にある組織、個人、国家」がハッキングして情報を入手した可能性が高いと結論を出した。これは、どんな理由、目的や動機があるにしても、機密情報保護法の侵害で司法妨害、国家反逆の犯罪行為であり、クリントン氏を起訴できる内容である。トランプ大統領の指示と国民の支持で司法省はクリントン氏の起訴に向けての捜査が活発化すると思われる。

 

Part2に続く

 

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