欧州におけるイスラム教人口の動向

01.12.2017

Photo: ifesitenews

 

 Pew Research Centerが調査した欧州の人口動向によれば、今後2050年までに欧州諸国ではイスラム教人口が大幅に増加を続ける。“Europe’s Growing Muslim Population”(欧州で増え続けるイスラム教人口)と題した調査は、現在欧州に居住する2,580万人のイスラム教の人口動向を今後の移民政策によって、どのように変化するかを調べた。

 

 調査はイスラム教難民を含む移民の受け入れ政策が廃止され、移民がゼロの場合、難民以外の限定的な移民を受け入れた場合、2014~2016年と同様に大規模な移民を受け入れた場合といった3つのシナリオで、欧州諸国のイスラム教人口の動向を推測した。

 

 移民受け入れがゼロの場合でも、2050年までに欧州に占めるイスラム教人口は現在の4.9%から7.4%(約3,600万人)に増加する。増加の主な理由として、イスラム教女性の高い出生率とイスラム教への改宗があげられる。

 

 難民の受け入れ政策を廃止したが、紛争から逃れる理由以外の「通常の移民」を限定的に受け入れた場合、イスラム教人口は11.2%(約5,900万人)に増え、大規模な移民が欧州に流入した場合、イスラム教人口は欧州全体の14%(7,500万人)まで占める可能性があると指摘する。

 

 勿論、各国がこれまで受け入れたイスラム教移民の状況によって、その国のイスラム教人口の増加が異なる。最も大きい増加が予想されるのがスェーデンで、全人口の30.6%に続きオーストリアは19.9%、ドイツは19.7%となる。

 

 

 

 2010年にリビヤの指導者カダフィは、「ヨーロッパには数1,000万人のイスラム教徒が住むようになる。神は、刀や銃を使わずイスラム教徒にヨーロッパでの勝利を与えてくれる。それはイスラム教徒が数十年以内に、ヨーロッパをイスラム国にするからである。」と予言した。それは、根拠のない予言ではなかったことがよく分かる。イスラム教徒の移民は、カダフィにとって、ヨーロッパに送り込んだトロイの木馬のようなものに見えたのかもしれない。

 

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