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米CIAが執拗に抵抗するなか、トランプ大統領は21日、ケネディ元大統領(JFK)暗殺事件に関する未公開の司法省、CIAとFBI捜査資料の公開を許可した。10月26日の公開期限を前に、国家機密資料3,100ファイル数百万ページの文章がアメリカ国立公文書館から公開される予定である。
公開される資料には、暗殺犯とされるリー・ハーヴェイ・オズワルド容疑者に関するCIAの「オズワルド・ファイル」、1976年にケネディ暗殺事件を検証した下院議会の暗殺問題調査特別委員会での機密扱いとなっているCIAとFBIなどの証言(特に CIAのアングルトン防謀担当副次官の証言)、ケネディ暗殺前にオズワルド容疑者がメキシコシティーを訪れた件、CIA工作員のエヴェレット・ハワード・ハント個人の日記帳が含まれていると思われる。
長年のケネディ暗殺の研究者で、「CIA & JFK:機密の暗殺ファイル」の著者であるジェファーソン・モーリー元ワシントン・ポスト紙記者によると、今回公開となるファイルには、これまで謎とされていたオズワルド容疑者のメキシコシティー行きに関する資料が含まれている可能性が高い。オズワルドはJFK暗殺の数週間前にメキシコシティーに6日間滞在している。その間、在メキシコキューバとソ連の大使館を訪れた。なぜ、メキシコシティーに行ったのか、なぜ CIAは在メキシコキューバとソ連大使館、オズワルドの行動などを監視していたのか、大使館内にいるCIA アセットはどんな情報を提供したのか、などの疑問が説明される可能性がある。
ウオーターゲート事件で逮捕されたハワード・ハント
CIA工作員のハワード・ハント個人の日記帳もCIAが破壊、紛失していなければ、公開される資料に含まれているはずである。ハント氏はメキシコシティーのCIA支局に勤務、ケネディ暗殺に関与した疑いがあった後に1972年のウォーターゲート事件で共謀や盗聴で有罪となっている。
2007年にハント氏は死を目の前にして、息子であるセント・ジョン・ハント氏にJFK暗殺に関与したことを認めている。録音された内容には、複数による陰謀であったことを暴露した。当時副大統領のリンドン・B・ジョンソンが暗殺を命令、CIA工作員のCord Meyerに暗殺計画の実行を命じ、David Phillips(CIA), Frank Sturgis(CIA), David Morales(CIA暗殺者), William Harvey(CIA)とマフィアのLucien Sarti (暗殺者)がリクルートされた。しかし、この内容にも多くの疑問が残るため、真相とは言い切れない部分が多いとされる。
国民はJFK暗殺を陰謀と知っていた
1979年に下院議会の暗殺問題調査特別委員会は「ケネディ元大統領は恐らく陰謀の結果暗殺され、2人以上の射撃者がいた可能性が高い」との結論をだした。これまで、キューバのカストロ、マフィア、KGB、ジョンソン元大統領、テキサス石油業界、米軍事業界、CIAなどによる陰謀説が浮上し、1970年後半から1990年代まで80%の国民は陰謀であったと信じていた。
オリバー・ストーン監督の1991年の映画「JFK」では、ジョンソン元大統領、マフィアと CIAの陰謀の可能性を提唱している。ケネディ暗殺から50年の2013年にGallupが行った世論調査では、61%のアメリカ人はオズワルド以外の人物が暗殺に関わって、暗殺は陰謀であったと信じている結果となった。今回の公表で、真相が全て明らかになるか、それとも新たな陰謀説が浮上するかが注目される。
JFK暗殺依頼、CIAの工作は激しさを増し、ウオーターゲートへと発展していく。911の内部犯行(政府の関与)を肯定する米国人が過半数を超えている現在、JFK暗殺の全貌が明らかになれば、国内活動を禁じられているはずのCIAが、国内の工作活動を率先してきたことが浮き彫りになるだろう。JFK暗殺は氷山の一角であり、米国の闇の勢力の活動が激しくなっていくきっかけとなったのである。
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