Photo: indianexpress
カタロニア州の独立を問う住民投票が始まったが、スペイン政府の送り込んだ警官隊が投票所に押しかけ、実力行使で投票を阻止しようとして州民と衝突した。州都バルセロナでは政府側警察がゴム弾を使用して騒然となっている。これまでに一般市民800名以上が負傷した。
スペイン政府による投票実力阻止
スペイン政府は住民投票を憲法違反として、30日までには投票用紙と投票箱を押収、印刷会社や新聞社を家宅捜査、投票所2,315箇所の半数を閉鎖、投票開始前には全ての投票所を閉鎖する予定となっている。その他にも、独立に関わるネットサイトを全て閉鎖、投票に関わる携帯アプリにアクセス拒否など、世界で始めて政府がネット上の情報規制を行っている。
数千人の警官隊をカタロニア州に送り込み投票の実力阻止を行っている他、バルセロナ港には16,000人のデモの鎮圧のための警察部隊を乗せた船を待機させている。
すでに始まった投票会場では、投票を阻止する警察隊と住民との対立が激しくなっている。政府が投票を阻止するほど、独立を求める意思が住民の間で強くなっている。スペインのGAPS社が行った最新世論調査では、63%は投票に行くと答え、83%は独立に賛成とスペイン政府が投票を阻止する前とは、大きく賛成派が増大している。住民と警察の対立が深刻化すれば、さらに投票率が上る可能性が高い。
EU求心力に影響
住民投票がスペイン憲法違反として、スペイン政府はEUや国際世論からの支持を集めているが、警察隊と住民との間が暴動化、スペイン政府とカタロニア州政府との和解がなければ、内戦に近い状態に発展していく可能性は高い。住民投票が実施された場合、その投票率と賛成票が80%以上になれば、スペイン政府が結果を無視することが難しくなる。またカタロニアだけでなくスペインの今後、EU全体の今後に影響を与え、英国のEU離脱より、EUに深刻な問題に発展するリスクがある。
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Updated 02.10.2017
Credit: bbc
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