Photo: euronews
投票者の90%を超える勢いのカタロニア独立を巡って、中央政府の強硬な自治権剥奪に抗議する独立派と反対派の間のにらみ合いでバルセロナに緊張が高まっている。英国のEU離脱の国民投票でもみられたように投票結果で勢いがついた独立派と危機感に煽られた反対派で普段なら静かな街が騒然とした空気に包まれた。
バルセロナではスペイン国旗を掲げた極右勢力とカタロニア警官隊が衝突し、負傷者を出した。スペイン政府は独立反対派の基盤となる組合の反独立デモ(主催者側発表では100万人規模、実際には30万人規模)を組織し、独立反対を掲げて市内デモを繰り広げた。
スペイン政府はカタロニア独立の先頭に立つプチデモン氏を起訴する構えで、裁判で有罪が確定すれば30年の刑期となる。独立反対派の極右勢力はフランコ将軍を讃えるものも現れ、混乱に乗じて過激な思想をアピールする絶好の機会ととらえている。棄権者が多かったために独立派が勝利したと考える反対派は12月21日に予定されている住民投票に、積極的に参加を呼びかけている。
プチデモン氏は中央政府の罷免を拒否、バルセロナで市政を続投する。プチデモン氏は拠点のジローナから明日31日、バルセロナに戻る。スペイン政府は自治権を剥奪する一方で、「共生」を訴え独立派の切り崩しにかかっている。こうした中央政府の「飴と鞭」の政策が成功するかどうかは12月21日の投票ではっきりするが、独立派がなぜ独立を要求するか、については全く触れられないままなら独立派が一転して反対に回ることは考えにくい。
メデイアの多くが独立反対派優勢のように伝えているが、数がものをいう選挙結果を次回は真摯に受け止めなければならないだろう。カタロニアの掲げる旗は同じように独立心に溢れる米国のテキサス州と同じローンスターである。カタロニア人もテキサス人も中央政府などなんとも思っていない。自治に誇りと愛着を持っているのと中央政府の失政に嫌気がさしているからだ。
Credit: thinglink
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