Photo: businessinsider
トルコ軍がロシア、イランとの軍事演習を前にシリア北部近くに戦車と歩兵師団を展開した。3国はこれに先立ちアルカイダの勢力下にあったシリア北部を非戦闘地区にすることで合意している。トルコはこの地区における反シリア政府勢力の台頭を許さない構えである。
トルコ軍の配備は9月28日にロシアのプーチン大統領がアンカラを訪れ、エルドラン大統領とかいだんしてからの行動である。エルドラン大統領はそのあとテヘランを訪れイランのロウハニ大統領と会談している。
米国がトルコに敵対するクルド人勢力に武器援助を決めた中で、3国が結束を固めシリア北部を勢力下に置く行動は米国との対立関係を悪化させるとみられている。
トルコ軍の戦車と歩兵師団の配備はロシア軍が包囲するイドリブ内で、エルドラン大統領とプーチン大統領の密接な協力関係はNATOの一員としてのトルコに足して安全保証上の問題を投げかけることとなった。同時にこれまで対シリア政策でシリア現政府に協調しなかったトルコが、現政府寄りの立場を取るようになったことが明確になった。
Credit: aljazeera
トルコの意図は対クルド戦略か
トルコの軍事力配備は暗にアサド政権の支持を認めたものだが、一方で軍事力を行使するようなことになれば、ロシアとイランの圧力によってシリア内戦が深刻化し平和的解決の道が閉ざされるリスクが高くなる。そのためトルコ軍の配備の目的は非戦闘地域で武力衝突が起こらないための平和維持のためとみられる。
しかしトルコ軍の配備する軍事力の規模からイドリブの平和維持以外に北部のクルド人勢力を抑え込む目的がある可能性があり、予断は許せない状況となった。クルド人が米国の支援もあって、独立機運が盛り上がり、住民投票を経て独立国家を宣言することは絶対に許せないというメッセージが込められている。
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