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トランプ政権は世界で最も厳しいとされる同州の排ガス規制法案の緩和についてカリフォルニア州議会と話し合いを進めている。同州の規制を逃れるために不正があったドイツ車のデイーゼルゲート問題の起源となったのもこの規制であった。
米国の自動車メーカーにはこれまで様々な環境保護の規制が課せられてきたが、カリフォルニア州の規制は最も厳しく、また他の州を先導することで知られている。しかし環境保護より経済復興を優先するトランプ政権によって、オバマ政権時代に遡る厳しい排出規制が見直されようとしている。昨年デトロイトを訪れたトランプ大統領はオバマ政権が2017-2025年の間施行するとした環境保護庁(EPA)と運輸省の排出規制を2018年度に廃止することを宣言した。
カリフォルニア州の排出規制規制はカリフォルニア大気資源局が定めたもので、クリーンエアー法案として知られる規制は環境保護庁の規制より厳しい。トランプ政権の環境保護緩和政策で全米の自動車販売台数の10%、2025年までのゼロエミッション車の25%を担うカリフォルニア州の規制も規制緩和の影響を受けることになる。
排出ガス規制緩和に合意している9州とカリフォルニア州を合わせれば、10州を販売者数の1/3にあたる。トランプ政権の規制緩和は自動車メーカーの販売低迷による業績不振を回避する目的以外に、環境保護を巡って激化する法廷闘争の負担を避けるためでもある。規制緩和と補助金の打ち切りはEVメーカーに逆風となる。
カリフォルニア州当局者は、環境保護庁(EPA)が希望する期限(4月まで)に合わせて、議論を継続し分析結果を交換する。両者はそれを受けて2022年から2025年の規制を改訂すべきかどうか決定することで合意した。カリフォルニア州の規制緩和は他の州に大きな影響力を持つ。
環境保護政策がGDPを圧迫している事実が公聴会で明らかになっている。規制緩和は環境保護を無視しているのではなく、これまでの行きすぎた規制による経済損失と特定企業の利益享受をやめよう、という動きなのである。