地球寒冷化が世界経済に与える脅威
Credit: GOES
地球温暖化仮説には決定的な科学的な根拠がないまま、不完全な地球モデルからの外挿値にこだわり、温室効果ガス排出量規制の名目で化石燃料が批判の対象になっている。地球表面の平均温度は計測値の選定の任意性が高く、これまでの地球モデルは正確に気候を記述できるレベルにない。
アカデミズムも大多数は地球温暖化に懐疑的だが、米国物理学会のように学会が温暖化説を支持するなど、科学者の統一見解は得られない。北極の氷床が減少する一方で南極では増大しているのだが、それすら衛星データに批判的な気象学者もいるほどである。それでも国連主導の排出量規制の動きは欧州は脱化石燃料の政策に舵を切った。
一方で確実に進行しているのが長周期の太陽活動の低下による地球の寒冷化である。寒冷化は太陽活動の変化と対応し、データが蓄積されているので太陽の放出するエネルギーの変化の予測精度や信頼性もはるかに高い。2017年、欧州と北米は過去3年間で最も寒冷な冬を迎えたが、偶然ではない。
地球上の農作物の収穫量は寒冷化に極めて敏感である。気温低下のみならず光合成のエンジンである日照量が減少が重なると、農作物の収穫が低下し食料価格が上昇、最終的に食糧危機を引き起こす。また農作物の収穫量が減ると食糧事情が悪化すると生活環境が悪化して感染症が流行する。寒冷化が人類にとって深刻な危機となる理由である。現在、世界的に食物の価格は上がり始めているのは食糧不足がすでに始まっているとも取れる。
Credit: Wiki
上図の青い線が太陽活動の指標となるC14同位体の観測値を説明するモデルで、1650-1700年の極小期はMaunder Minimum、1800-1840年の極小期がDalton Minimumに相当する。太陽の周期活動は異なる周期の重ね合わせでできる「うねり(beat)」のせいで複雑な変動となるが、太陽活動は2024年ごろにピークを迎える。NASAはすでに黒点の密度データから太陽活動が減少し寒冷期に突入したことを認めている。
実際、2017年には27%にあたる96日間に渡って無黒点の状態が継続した。2015年には無黒点の日数は無かったが、2016年には9%になり2017年には27%となった。太陽活動が低下すれば放出エネルギーも低下するから寒冷化は避けられないが、寒冷化が食糧危機と感染症の流行で世界経済と強くリンクしている。太陽活動の長周期(300年)は経済活動周期と一致している。
NASAは新しい観測機材(TSIS-1)をISSに設置して太陽の照射量減速の精密測定を開始している。NASAは太陽活動の短周期(11年周期)の極小と長周期が重なると、急激な寒冷化が起きると予測する。
1916年にも寒冷化が起きた。この時は戦争と重なり1918-1919年に流行した感染症の原因となった。実際、この期間での感染者数は世界全体で5億人にも達し、戦争による死者数よりも感染症(スペイン風邪)によるもの(2000-5000万人)が大きいとされている。
大気のCO2濃度は直線的に増加しているが、地球温暖化は過去3年間進んでいない(下図)。地球寒冷化の方は確実に進んでいて2014年に最大となる。どちらを優先させるかは明白だ。トランプ大統領がTwitterで温暖化を皮肉ったことが話題となっているが、温暖化政策に決別する決断の正しい評価は2024年までにはっきりするだろう。
とここまで書いて、年明けに北米の最低温度がマイナス36度になるという予測が飛び込んできた。これはシベリアでは珍しくない気温だが、北米の記録を塗り替えることになる。この記事ではその先にある世界経済への影響を強調した。2024年はもうすぐだ。