国連が誇張した地球温暖化ワーストシナリオ

22.01.2018

Credit: IPCC

 

地球が壊滅的な打撃を受けるとするワーストシナリオは2100年までに平均気温が6度C増大するというものだが、これは地球モデルの予測で~0.7度C/100年の傾向からすれば、不正確な予測である。エクセター大学の研究チームは新しい地球モデルの解析で地球平均気温の上昇傾向を調べた。最新の研究の予測ではワーストシナリオの極端な温暖化は可能性が低く、温暖化のスケールが50%縮小されることがわかった。

 

研究結果は温度変化の極端なシナリオ(変化の上限と下限)はあり得ないことを示している。エクセター大学の気候変動研究チームは世界各国の研究機関と協力して精度の高い温暖化の研究で知られる。

 

エクセター大学の研究は増え続けるCO2排出量の現実を反映させ、CO2排出量が2倍となる場合の気温上昇を予測した。IPCCの予測では1.5-4.5度Cとなる気温上昇は下方修正され2.2-3.4度C、もっとも確率が高いのは2.8度Cとなった。つまり気温上昇の幅が狭まり、6度Cという極端な気温上昇はあり得ないことになる。国連は意図的に温暖化の危機感を煽ってきたということになる。

 

世界平均気温の算出においてNOAAが測定データ(測定場所)を誇張した疑いが持たれている。任意性のあるデータ抽出を避けるために、現在はクリメット(CLIMAT)報と呼ばれる世界各国の気象機関から発信される海上を含めた月ごとの気温データ(1200点)から算出される。

 

古いデータも含まれる産業革命前の1890年から現在までの気温上昇傾向は~0.7度C/100年となり、地球温暖化傾向は懸念されていた変化より緩やかであることになったが、国連(IPCC)の誇張と精度の悪い地球モデル予測のワーストシナリオが一人歩きするようになった。

 

パリ議定書では今世紀中の気温上昇を2度C以内(目標は1.5度C)に抑えるためのCO2排出量をゼロとなるように求めている。しかし現実の気温上昇の外挿が2120年で0.7度C、地球モデル予測のワーストシナリオ(極端な気温上昇)が誇張されているとしたら、低炭素社会に向けての地道な取り組み(技術開発)の時間的余裕は十分あると言えるだろう。行きすぎた温暖化の警鐘は意図的に危機感を煽るものであることが明らかになった。

 

 

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