2020年のアメリカ大統領選挙の状況とは大きく異なるのが今回の2024年大統領選挙。トランプ氏を優勢とする環境が見えてくる。
言論の自由
2021年にトランプ氏や支持者たちのSNS アカウトが凍結された。大統領選挙中に行われた数々の不正に関する言論の全てが規制の対象となった。その状況を変えたのが、ツイッターを買収しその後名称をXへ変更したイーロン・マスク氏である。マスク氏は2022年にトランプ氏のアカウトを復活させ、より言論の自由が可能なプラットフォームを提供することを提唱した。
今年になり、メタ社(旧Facebook) CEOのザッカーバーグ氏は、2020年大統領選挙やトランプ氏・共和党支持者に関するコンテンツを巡ってバイデン政権から言論の規制を求められ、規制を行ったことを暴露、謝罪した。
今回の大統領選挙中にトランプ氏や支持者のSNSにおける言論の規制が緩和されたことで、トランプ氏への支持率がアップする原動力となっている。さらに、2020年の選挙不正の教訓から市民ジャーナリズムを通じて選挙不正の証拠をSNSで明らかにし、その情報が拡散している。
主要新聞社のハリス不支持
USA Today, Los Angles Times, Washington Postなどの米国内の主要新聞社は今回民主党のハリス氏の不支持を明らかにした。
影響力のある支持者の出現
選挙戦に大きな影響を与えたのが、ロバート・ ケネディ・ジューニア氏、トゥルシー・ギャバード氏とイーロン・マスク氏である。
ロバート・ケネディ・ジューニア氏はアメリカの最も著名な民主党一家であるケネディ家の一人である。そのロバート・ケネディ・ジューニア氏が今回トランプ支持にまわった。民主党の政治家が共和党の大統領候補を支持するのは前代未聞のことで大きな話題となった。無党派層の有権者への影響「Kennedy
effect」でトランプ支持が上昇している。
イーロン・マスク氏とロバート・ケネディ・ジューニア氏は、バイデン政権だけでなく、これまでの政権が国民に明らかにしてこなかった不都合な真実を暴露している。現在、政府への国民信頼度が11%で、歴代最低レベルである。マスク氏とケネディ氏は、トランプ政権下で政治を変えアメリカを変える具体的な政策を打ち出して、政治党派関係なく注目を集めている。
元下院議員トゥルシー・ギャバード氏は、陸軍少佐を経て下院議員となり、民主党全国委員会の副議長となった。民主党のニューホープと期待され、2020年には大統領選挙の有力女性候補となったが途中で撤退し、バイデン氏が民主党大統領候補となった。バイデン支持を表明するが、その後民主党やバイデン政権との政策相違から民主党を離党、共和党に入党、トランプ支持を表明した。人気が高く、政策立案、実行力と人格が高く評価されている。
メディアにおいては、トランプ氏が、世界一の人気ポッドキャスト発信者であるジョー・ローガンのインタビューを受け4000万ビューを記録したうえ、ローガン氏の支持を得たことは無党派層の有権者に大きな影響を与えている。また、国民からの信頼が厚く、正論を発して多大な影響力を持つ政治コメンテーターでジャーナリストのタッカー・カールソン氏がトランプ氏を支持していることは、トランプ支持率の増加につながっている。
期日前投票の調査では、26%が国が向かっている方向に満足しているに対して、43%が不満、29%が怒りを持っていると答えている。バイデン政権の継続となるハリス政権より、この状況を変える可能性のあるトランプ氏に希望が寄せられている。