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2日付けの英フィナンシャル・タイムズ紙のインタビューで、トランプ大統領は「中国が北朝鮮問題を解決しないのであれば、我々が解決する」と米国政府は単独でも北朝鮮問題に対応する用意があることを示した。その後、トランプ政権内から、核問題を解決するのは「時間切れ」の発言に続き、国防総省の見解とも捉えられる、「軍事解決の選択しか残されていない」との退役陸軍大将のコメントが報じられた。
5日の新型中距離弾道ミサイルの発射実験に関して、ティラーソン国務長官は「米国は北朝鮮についての考えを十分示してきた。これ以上のコメントはない」と異例の声明をだした。米中首脳会談が6-7日に開催される前のトランプ政権の見解は、中国が北朝鮮に核開発を断念させるように、中国への圧力とも考えられる。
しかし、これまでと違うのは、ティラーソン国務長官が3月に北朝鮮に対して、米国の「戦略的忍耐」は限界に達して、軍事的解決を含む選択肢を検討、これまでとは違う方法で北朝鮮問題を解決していく姿勢をみせたことである。
軍事的解決という選択肢
トランプ政権発足の際、時期国防長官の有力候補であったジャック・キーン退役陸軍大将は4日に英The Timesとのインタビューで、米軍が北朝鮮の核施設の空爆は「残された、たった1つの選択肢である」と述べた。「ミサイル発射施設、核開発施設、核貯蔵施設、砲兵部隊、政権幹部を標的とした先制空爆の選択肢しか残されていないかもしれない。」「米国は急速に危険な軍事解決の方向に向かっている」と警告を発した。「中国に圧力をかけても、これまでと同様に失敗に終わる可能性が高い」とこれまで両国が外交や経済制裁で北朝鮮の非核化を求めてきたが、失敗に終わっていることを指摘した。
北朝鮮が核開発を続けるなか、中国の影響力で金正恩氏に圧力を掛けられないとなれば、忍耐の限界に達した米国に残されているのは軍事的解決の選択肢だが、踏み切れば戦火は朝鮮半島にとどまらず東アジアが第2の中東となる危険性がある。