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オバマ政権発足後に始まったのが、テキサス州のアメリカ合衆国離脱運動であった。今回、トランプ政権発足で勢いを見せているのが、カリフォルニア州の離脱(Calexit)である。最新の世論調査では、実に3人に1人が離脱を支持している。だが高まる機運にもかかわらず法的手続きには高い障壁がある
テキサス州では、住民の圧倒的支持で合衆国から離脱することは州憲法上可能であるが、カリフォルニア州の離脱には、まずカリフォルニア州憲法の修正が必要となる。テキサス州はlone star state(一つの星の州)と呼ばれ、州の旗はアメリカ国旗と同格であり、テキサス人である誇りは強い。1845年にアメリカ合衆国に加盟する前は、独立国家としての歴史があり、独自の憲法を持って、いつでも合衆国から離脱できる権利をもっている特殊な州である。
カリフォルニア州憲法では、カリフォルニア州は「アメリカ合衆国から分離することができない一部」としている。合衆国からの離脱はまず、カリフォルニア州憲法を変えなくてはならない。その後で英国のEU離脱のように、合州国離脱を問う国民投票を実施することになるが、そのプロセスは長く容易ではないと考えられる。
民主党一色の州
そもそもカリフォルニア州はブルーステート(青い州:民主党を支持する傾向が高い州)ではあるが、近年リベラル派の民主党一色の州になってきた。2008~2016年に登録民主党支持者は100万人以上まで増加、共和党支持者は40万人にまで減少し、この傾向は今後も続くと考えられる。
2016年の大統領選の結果にも、民主党、クリントン氏への支持が集中していることを反映している。一般投票数でクリントン氏がトランプ氏を上回ったのは、カリフォルニア州で獲得した投票数のためである。カリフォルニア州の投票を除外すると、トランプ氏は一般投票数では、クリントン氏より140万票多く獲得したことになる。
2016年大統領選挙結果
トランプ 62,958,211票
クリントン 65,818,318 票
カリフォルニア州投票を除外した場合
トランプ 58,474,401票
クリントン 57,064,530票
他のブルーステートでも、民主党クリントンの支持率は平均して53.5%であったのに対して、カリフォルニア州の支持率は最も高い61.7%であった。アメリア全体を反映しない、トランプ新大統領を受け入れられない特殊な州とも言える。