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安全保障に関わる大統領による決断となる、今回の米国民を守るための一時入国禁止大統領令は合法的とみなされる。大統領令はイスラム教徒の入国禁止(信仰や宗教を理由に個人を差別、入国を禁止する)ではなく、米国の安全保障面でテロ懸念国からの市民の入国を一時的に禁止する処置として解釈できるからである。
これまで、入国禁止の大統領令が「違憲」として最高裁判所で提訴されたことは一度もない。また、2015年からオバマ政権は7カ国をテロ懸念国に指定、一時入国禁止を実施した前例があり、その際に避難や反対抗議がなかったことから、今回の避難には政治的な要素が大きいと考えられる。
米ナショナル・レビュー誌に掲載された2016年共和党候補者であったデヴィッド・フレンチ氏の一時入国禁止措置についての考えは、多くのアメリカ国民の考えを代表しているといえる。
フレンチ氏は「テロリストたちが、移民や渡航者に混じって入国しようとしていることは明らかである。これまでも、数多くのテロ攻撃事件や未遂事件がイスラム移民によって行われてきた。この脅威に対応するには、今の方法では不十分である。イスラム移民によるテロをアメリカの生活の一部として受け入れない限り、テロ懸念国からの市民の一時的入国禁止と入国手続き、移民入国制度の適切性を検討することは合理的で賢明である。」と指摘している。
支持が上回る世論調査
ラスムッセンが1月30日に実施した世論調査では、賛成は57%で、反対は33%、分からないは10%と支持率は高い。また、1月25-26日に行った世論調査では、52%は政府が国内におけるイスラムテロの脅威に十分な対応策を取っていないと考えている。ロイター/イプソスが1月30、31日に行った世論調査でも、一時入国禁止令に賛成する人は49%で、反対の41%を上回った。
司法長官代行の解任騒動の真相
大統領令が合法であるとの確信が持てないとし、司法省は擁護しないとの見解を示したイェーツ司法長官代行(オバマ政権下で司法副長官を務めた)は大統領、司法省への不従順な言動が公務員としての職務違反にあたるとして解任された。
大統領令が発令される前に、司法省内部で大統領令が連邦法に違反しているかが検討され、法律顧問局は違法性がないとの決断をだしている。つまり、「合法であるかの確信がもてない」の発言は個人的なもので、司法省を代表するものではないのである。公正で非政治的であることで成り立っている司法省で、大統領令に反対し、政治的立場をとったことから解任されたことになる。