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1月25日にトランプ大統領は不法移民政策の1つとして、不法移民を保護してきた「聖域都市」への補助金を停止する大統領令に署名した。聖域政策をやめる自治体もあれば、大統領令を違憲と反発する自治体もある。不法移民を強制送還せず、保護してきた聖域政策は連邦法に違反しているばかりでなく、連邦補助金は国民と政府に大きな財政負担になっている。
不法移民のための聖域都市とは
アメリカには(不法移民、在留資格をもつ移民とは関係なく)全ての移民を保護する300の州、都市、群のうち、106は不法移民に寛容な聖域都市(サンクチュアリー・シティ)である。そうした聖域都市に住む不法移民は市民権を持つ市民と同じように公共サービスを受けることができ、不法移民ということで逮捕、強制送還されることもない。
不法移民の人口は2016年には1100万人で、Open The Booksが2月3日に発表したレポートによると、全米106の聖域都市への連邦補助金は約267.4億ドル(約3兆171億円)にのぼる。その他にも、各聖域都市の法執行機関(市警察局)は司法省から約5億4397万ドルを連邦補助金として受け取っていることが明らかとなった。
不法移民全体のうち20%は12の主要聖域都市に集中している。
12主要聖域都市
カリフォルニア州 サンフランシスコ、ロスアンゼルス
コロラド州 デンバー
テキサス州 オーストン
ニューヨーク州 ニューヨーク市
イリノイ州 シカゴ
ワシントン州 シアトル
ニュージャージー州 ニューワーク
ペンシルベニア州 フィラデルフィア
オレゴン州 ポートランド
ミネソタ州 ミネアポリス
ロードアイランド州 プロビデンス
聖域都市に住む不法移民は税金の納付義務はなく、市民権をもつ市民同様に公共サービスを受けることが可能である。医療保険、食料費補助金(フードスタンプ)、児童福祉、交通費や住宅費扶助、職業訓練、教育補助金の他、移民特定の補助を受けることができる。聖域都市に住む不法移民に対して、国民1人当たり(男、女、子供)平均して年間500ドルを負担することになる。家族4人であれば、平均して1,816ドル(20万5208円)の負担となる。
Credit: Open The Books