Photo: enca.com
ドイツのベルリン中心部にあるボーデ博物館は、世界で初めて鋳造されたギリシャコインを含む歴史的に貴重なコインが所蔵されている、世界有数のコイン・コレクションな博物館である。そこで展示されていた、エリザベス英女王肖像のメープル・リーフ金貨が27日早朝、何者かに盗まれた。
ビッグ・メープル・リーフ金貨の盗難
2007年カナダ造幣局発行された記念コイン(トップ写真)
発行数:7
額面価格:100万ドル
市場価格:450万ドル
純度:999.99/1000(純度の高さではギネス世界記録)
重量:100キロ
直径53センチ、厚さ3センチ
現在市場で販売されている数:1
警察によると、犯行グループははしごを使って博物館の窓から潜入、特殊な防犯ガラスの展示ケースを割り、コインを盗み出したとされる。博物館からどのように重さ100キロのコインを目撃されない、警報アラームを鳴らさないで持ち出したかは不明である。消えたコインは大きさと重さ、報道で注目を集めていることから、熱狂的な個人取集家に渡るか、それとも溶かされ地金として売買されていくものと考えられる。ハリウッド映画の題材になるような事件である。
歴史的金塊が盗まれる
サンフランシスコにある創業1852年の銀行、ウェルズ・ファーゴの歴史博物館で、カリフォルニア・ゴールドラッシュの時代(1948-1855)に銀行が扱った金塊合計10オンスが2015年に盗みだされた。他に展示している貨幣や金貨には手を出さず、金塊だけを盗み出した。金塊には発掘された場所と日付が刻まれて、アメリカ歴史において重要な歴史的価値のある金塊とされていた。犯行グループと盗まれた金塊の行方は不明である。
金塊を直腸に隠し盗み出す事件
2016年9月に発覚した事件は、警備体制が万全と思われる造幣局、カナダのロイヤル・ミント社(王立造幣局)で起きた。職員Lawrence氏が数回に渡り合計22個の金塊、市場価格12.7万ドルを防犯カメラの死角となる場所で自身の直腸に隠し、造幣局から盗み出すといった前代未聞の事件である。
盗み出した金塊のうち17個は数回に渡り売却、取引の小切手を銀行に頻繁に入金していることを不審に思った銀行員が警察に通告したことで事件が発覚した。
現金輸送車から金1.8億円相当盗まれる
ニューヨーク、マンハッタンの世界最大のダイアモンド業者や宝石店が密集するダイアモンドストリートで、駐車中の現金輸送車の荷台から160万ドル相当の金片が詰まった容器が盗まれる。白昼堂々と行われた犯行は、防犯カメラに捉えられ、重さ39キロの容器を持ち出すビデオ映像が公開された。
ニューヨークからニュージャージー州、そこからフロリダ、ロスアンゼルスと追跡した警察当局は、犯人の出身国のエクワドルに戻っているところで逮捕される。米国で逮捕歴7回、国外送還歴4回のベテラン強盗犯であった。
世界的に金価格が上昇傾向にあるなかで、金を標的とした犯罪が増えている。安全資産、「究極の貨幣」とされる金に注目が向けられる傾向を反映したものとみられる。