Photo: sputniknews
北朝鮮のミサイル発射の2週間後となる2017年3月1日、米国と韓国がフォルイーグルと呼ばれる大規模な軍事演習を開始した。演習は陸軍、空軍、海軍が参加して4月末まで行われる。米国と韓国は3月13日からキーレゾルブと呼ばれる戦闘シミュレーションの司令部を立ち上げるが、北朝鮮は挑発行為には容赦をしないと警告している。
今回の演習には米軍3,600名が参加する他、海軍型の新鋭ステルス戦闘機F35Bとオスプレイが配備されたばかりの原子力空母カールビンソンが参加する。また空軍はB-1Bステルス爆撃機とB-52戦略爆撃機を参加させる。北朝鮮は2月12日にはトランプ政権発足以来初となる中距離ミサイルの発射試験を行った他、クアラルンプールでの金正男の暗殺でも北朝鮮を巡る緊張が高まっていたが、演習によって北朝鮮の警戒レベルはさらに高まることが避けられない。
毎年行われる軍事演習だが、昨年の規模は韓国軍が290,000名、米軍が15,000名を投入して行われた。韓国側の発表では今年の演習は昨年の規模を上回る過去最大になる。トランプ政権の国防長官マテイス氏も米国の同盟国の安全保障に全力を上げることを確認し、韓国が核攻撃を受ければ報復核攻撃も辞さないとした。下は北朝鮮が試射した中距離ミサイルの弾道で、490kmを飛行して日本海(韓国表現では東海)沖合に落下した。
これらの状況は今回の演習が特別の意味(北朝鮮への警告)があることは明らかである。また最新鋭のステルス戦闘機やオスプレイが投入されていることも注目される。
Source: koreaherald
北朝鮮が中距離ミサイルの開発で核ミサイル攻撃可能になったことを視野に、核の脅威に対抗してTHAADミサイル迎撃システムを韓国内に配備する方針でいる。また北朝鮮は2月6日に射程100kmの艦対艦ミサイルKN-01を発射、2日後にKN-02と射程200kmのKN-09ミサイル4発を発射している。トランプ政権は北朝鮮を再度、テロ国家に指定し武力介入も選択肢に入れるとしている。
一方THAADミサイル配備は中国を刺激することになる。キーレゾルブには8,600名の米軍と10,000名の韓国軍がシミュレーション戦闘に参加する。北朝鮮の動きは朝鮮半島にとどまらず、日本を巻き込んで東アジア全域の安全保障に影響することになりそうだ。
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