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フランス大統領選の一次選挙は4候補の近接する混戦となっている。これまでの2大政党による選挙とは異なり、既存の政治体制が支持を失って、国民が変革を求める政治の転換期を象徴する選挙になる。
フランス大統領選挙の行方
投票日の1日前の22日には、フランスの海外領土や海外在住のフランス人、約50万人が投票を終えている。フランスでは、約20~30%は投票棄権が予想され、約30%の有権者が投票する候補を決めていない状況で投票する異例な選挙となっている。候補を決めていないことは、多くの有権者が既存の政治体制に確信を持てない、支持しない傾向を表しているといえる。フランスの政治変革を起こせる人となれば、ルペン候補が有力である。
第2次投票の予想
23日の投票で5月7日の決戦投票に進む候補者2名が決まる。有力とされているのが、無所属のマクロン氏と国民戦線のルペン氏である。これまでのような明確な右派と左派候補ではなく、グローバリスト対愛国者、進歩主義者対保守主義者といった対立となっている。
マクロン候補は、歴代最低の支持率を持つ現オランド大統領政権下で経済・産業・デジタル大臣を務め、政治家になる前にはロスチャイルド家の中核投資銀行ロチルド&Cieの副社長を務めていた経歴を持つ。既存の体制に不満を持つ、変革を求める有権者からは支持されにくい候補である。また、左派と保守・共和派からの支持も難しいとされる。
最大野党、共和党のフィヨン候補はEUとユーロの既存体制を維持、選挙中もフランスとドイツがけん引役とするEUを重視、ドイツメルケル首相の支持を得ている。元フランス首相を務め、現在妻と子供への不正給与疑惑が払拭できない状況にある。既存体制を代表するイメージも強く、決戦投票では変革を求め有権者の支持は得られないとされる。
フランス国民の求める大統領とは
5年前のフランス大統領選挙の状況と比べ、フランスは移民問題、経済の低迷、テロ事件の増加で極右派のマリーヌ・ルペン氏への支持は高まっている。フランス大統領選の1次選挙で当選、第2次選挙の有力候補となる見通しである。
今回のフランス大統領選挙はイデオロギーの選択の色彩は薄れ、現状維持か変革が問われる選挙となる。ルペン候補の主張にあるように「戦争状態にある」という表現がフランスの抱える緊迫した現状(移民、雇用、不況、テロ)を適切に表現している。現状を変える候補に期待が集まるとしたらメデイアが予想しない結果となる可能性は否定できない。