高いトランプ支持率に困惑する民主党

02.03.2017

Photo: New Jersey Politics 

 

 トランプ大統領による2月28日の上下両院合同会議での演説は、リベラル派の主要メディアから初めて高い評価を受けた。大統領の演説としては、アメリカの歴史に残る印象的なもので、国民から高い支持を得ている反面、民主党はこれまで通り、トランプ政権との協力を拒否、頑なに批判を続けている。

 

 

ソーシャルメディアで投稿記録

 Twitter, FacebookなどのSNSでは、大統領の連邦議会での演説に関するコメントとしてこれまでの投稿記録を更新した。オバマ前大統領に260万のツィートが投稿されたのに対し、今回のトランプ演説には300万のツィートが寄せられた。さらに、トランプ政権のソーシャルメディア担当者のDan Scavino氏によると、フェイスブックでは750万人が書き込み、合わせて2050万件の「いいね」、「シェア」、「コメント」を集め、国民によるトランプ大統領の人気の高さを示した。

 

 

支持率78%と76%

 議会演説の視聴者を対象に行ったCNN/ORC世論調査では、69%はトランプ大統領の政策により国は望ましい方向に向かっている、将来に対してより楽観的になったと答えている。「高く支持する」と「やや支持する」を合わせると78%の支持率になる。各政策に関しては、経済は72%、対テロは70%、税制は64%、移民政策は62%、保健医療は61%の支持率であった。

 

 CBSテレビの演説直後の緊急世論調査では、24%の「支持しない」に対し、76%は「支持する」と答えている。さらに、「大統領らしかった」と82%は答え、71%は「アメリカを統一」する演説であったと、トランプ大統領への好感度があがったことがうかがえる。

 

 

現実逃避を深める民主党

 国民の高い支持とは対照的に、民主党議員はトランプ大統領との握手を拒否、演説中は拍手をしないといった拒否態度を全面的に打ち出した。演説の中で、アメリカ国民を最優先した各政策、人種差別的行為への批判、雇用創出、アメリカでの企業投資の拡大、インフラ投資の拡大、麻薬・不法移民・テロリストなどの流入への阻止、国際社会におけるアメリカの強いリーダシップ、同盟国との関係強化、教育改革、都市部の犯罪対応など、2大政党が協力できる政策目標に対して、協力しない姿勢をみせた。

 

 一つの統一したアメリカを呼びかけるトランプ大統領に、国民の声、現実を受け止めない民主党の将来性が問われる。民主党は子供じみた揶揄や中傷を繰り返すばかりで、根底にある問題、「何故米国民の大半がトランプ政権を支持するに至ったか」を理解できていない。これまでグローバリストたちのロビー活動を支えてきた民主党の方向性が不透明になった。