シンドラーのリストで有名なシンドラーの博物館がワルシャワの中心から少し離れた場所にひっそりと立っている。
ひっそりと、といったが少し荒れ果てたいかにも東欧という感じの工場と低賃金層アパートに紛れて、博物館としては珍しい環境にあるからだ。
表には上の写真のレリーフがある。これをみつけない限り博物館に足を踏み入れることはできない。また入場するには下の写真の受付があるが、ここにはシンドラーに助けられたユダヤ人の写真が並んでいる。
広島の原爆記念館と同じに入る人々は現実を直視する勇気と、人類の愚かさを悔いる真摯さを持つ人々である。みな罪悪感を感じているかのように、そそくさとうつむき加減に中に入る。
しかし少々違った女性達がいた。やかましくしゃべりたてて外にでた私は彼女達に捕まった。要約すると彼女達はイスラエルから来て、イスラエルで反ナチスユダヤ人集会をやるから来て参加してくれ、という。
タイムスリップして来たのだろうか。彼女達は戦争経験者ではあるまい。それでも過去の歴史を追究し続けてわざわざワルシャワまで来たのだ。きっと慰安婦問題もこういうように永劫に憎しみが伝達されて来たせいなのだろう。
話が事実として伝えられ訓戒とされるのならいい。しかし人から人へ伝わる毎に尾ひれがついて真実からかけ離れるのが常だ。そういうことをさけるためにこのような歴史を知る証拠の展示は是非、必要だと思った。
慰安婦だけではない。広島の事実を期間限定でスミソニアンに展示したらどうかと思った。ロスアラモスを訪れる人は原爆投下後の悲惨な写真の1枚も目にする事はない。
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