ワルシャワの中心地にあるワルシャワ大学の勇姿。欧州の学会が行われるこの建物は内部が吹き抜けになっていて、周囲を教室が取り囲み中央は食事会やボールルームにもなる。
周囲にはホテルやレストラン、カフェも多くて、便利なこともあるので、会議場としては最高のロケーションにある。
ワルシャワ大学はショパンが通った大学だが、学問や芸術だけで知られているわけではない。
帝政ロシアがロシア流の教育をするために資金をつぎ込んだが、皮肉にも愛国心に燃える学生達は革命家となった。
ドイツ占領時代を経てワルシャワ大学として確立したのは国家元首の英雄ユゼフピウスツキの時代であったが、雲行きは怪しくなりナチスドイツのポーランド占領を迎える。
その後ワルシャワ大学はポーランドの運命を決めたワルシャワ蜂起の中心となった。教授が学生達に秘密講座で授業をし、学生達は地下組織で蜂起の原動力となっていった。
この建物をみていると蜂起する市民の先頭に立っていた教授や学生の姿が建物にかぶさってみえてくるような錯覚を覚えた。
ワルシャワ市民は記念すべきこの大学に敬意を払っている。社会に還元とかなんとかいうがほんとうは大学とは社会を先導していかなければ、意味がない、そういうようにこの建物は伝えているようだ。
ワルシャワの秋は短い。落ち葉が舞う頃にはもう冬は近い。
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