映画「終着駅」で有名な、といっても今の世代はみた人は少ないだろう。上の写真がローマの玄関口、テルミニ駅である。
この建物にそって左手の奥から列車が入ってくる。なんとなく上野駅に似た構造となっている。フミチーノ空港から落書きだらけの列車に揺られて着くと、一番奥に降りるので長いホームを歩いて改札をでたところが、右手の正面となる。
テルミニ駅の正面は最近リニューアルを受けてモダンな店が建ち並ぶモールになっている。駅で発車までの時間をつぶすにはうってつけだが、ここで貴方のセキュリテイー度が試されることになる。
まずイスタンブールのグランバザールにひけをとらない怪しげな人たちが多いが、実際に旅行者には「危険がいっぱい」なのだ。
BARで一休みする際に決してバゲッジから離れてはいけないのは、この国の常識だが、私の友人は一団で店に入り珈琲を頼んだ。店は極端に狭いので主人がバゲッジを店で預かるという。確かにバゲッジが集積されると店の中は歩けなくなるから、この申し出は至極当然では有る。友人達はバゲッジを預けてもらうことにした。というより断れない雰囲気だったのだろう。
店をでるときに友人は自分のバゲッジがないのに気がついた。主人にそのことを告げると、主人は店の中を調べると言い出した。これが実は時間稼ぎであった。この時その場で騒ぎだせば盗んだ犯人は店の中に潜んでいたはずだ。
しかし主人とのやりとりや主人のフェイントのすきにバゲッジは店の外に運び出された。店の主人はグルだったのである。
こうしてバゲッジは帰らなかったが、こうしたことは日常茶飯事である。テルミニではまず鉄則は近づいて話しかけてくる男は泥棒だと思わなくてはいけない。
その後、友人と空港からテルミニ駅についた。駅職員のネームカードを下げた駅職員がタクシー乗り場を案内に近づいて来た。
友人は無視し口をきかなかった。駅職員は困った顔をした。彼は泥棒ではなかったのだが、確かにテルミニ駅の第二の試練はタクシー乗り場である。
バゲッジを持って乗り場に近づいただけで数名の男達が集まってくる。白いタクシー以外は乗っては行けない。客引きもやりすごさなければならない。身の危険はないがうっとおしい一瞬である。ここを切り抜けることで日頃のセキュリテイー度が試される。
何かあっても警察官が英語をしゃべる確率は低い。自分で防御するのが一番である。このブログではこれから防御のやり方を紹介して行くことにしよう。
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