2014年12月28日にインドネシアのスラバヤから、シンガポールに向け飛び立ったマレーシアのエアアジア機(QZ8501便)が海に墜落した。乗客155人、乗員6人が搭乗していた。
事故当時、飛行ルートには積乱雲が発生し、飛行ルートをはずれるとともに予定高度を変更し、上昇した後に消息を絶った。機長は空軍パイロットでベテランであった。
LCCの安全性の議論が再燃しそうだが、確かに採算性をとるために必死のLCCでは過去にメンテナンスを怠った会社の過失の事故があった時代があった。フロリダで墜落したバリューージェットの事故がその代表的なものである。
しかしその後、これらの事故を教訓としてLCCの安全性が逆に大手エアラインより高くなったといわれる。つまりぎりぎりの運行計画で1機あたりの稼働時間の長い機体は、事故を起こしたら会社に致命的な打撃を与えるので、機体のメンテには十分な注意が払われるから、逆に安全だ、というのである。
またLCCというと中古の機体を安く購入して使う、イメージだがそうではない。エアアジアは機種をA320に統一して、グループ会社を含めれば150機所有しているため、メンテコストを安くして採算性をあげている。
最近ではスカイマークがエアバス最新鋭で最も高価なA380を購入しかけたほどである。ただしLCCには運行上大きなリスクがある。LCCでは往復しないと採算がとれないので結構すると損失が2倍になる。
今回のケースでは悪天候のため管制官は離陸に消極的だったが、最終判断は運行計画責任者に委ねられたということであるが、会社の事情を考えれば自然だったのだろう。
LCCの中にはランキングの上位に顔を出すところもあるが、安全性を含めたランキングではどうだろう。もちろん機体に不備はなくクルーは優秀だとして。
その場合には安全性は採算性と秤にかけられることになる。目先の採算性をとるか、墜落事故やタカタのようなリコールを出して会社自身をリスクにさらすのか。
安全性より採算重視の会社は結局、いつかしくじって墓穴を掘る。
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