スエーデンのビュッフェは消えて行く?


 スエーデンには伝統的なSMORGASBORDと呼ばれるビュッフェがある。東京のストックホルムというスエーデンレストランが日本では有名だ。


 SMORGASBORDは一般のビュッフェと異なるのは、マリネ系つまりオードブルっぽい料理が多く、もたれないのでお腹にやさしいことである。上の写真は小規模でストックホルムではこの3倍は品数が揃う。スエーデンでは品数が多ければ多いほど、高級なのだそうだ。


 ライ麦パンやクラッカーに酢漬けのニシン料理(いくつもある)、チーズ、ハム、ソーセージなど好みの具材を載せていただく。


 マリネ系は豊富で黒パンとの相性は抜群である。ジャガイモや肉系、おなじみのミートボール、徐々にヘビーな料理に移動していく。


 感極まったところでデザートへ移行。これもまた豊富で一皿では盛りつけられないだろう。結局はビュッフェの宿命である食べ過ぎになることはやむを得ないだろう。しかしマリネ系を多めに、肉を控えめにとれば一般のビュッフェと比較にならないほど消化は早い。


 スエーデンの土地の酒はアクアビットという水に一見見える強烈なアルコール度数の酒で、イタリアでいえばグラッパにあたる。


 そして北欧は意外な珈琲消費国。味わいの深い珈琲と最後の最後、チョコレートに満足しないわけはない、のだが。


 実際にスエーデンに行ったらさぞかし、もっと美味しいSMORGASBORDに巡り会えると思っていたのだが、期待は裏切られた。


 通りでこの料理を出しているレストランを訪ねても、怪訝そうな顔をされるだけだった。よく聞いてみると、彼らは滅多にこの料理を食べる機会がないそうである。


 彼ら、というのは若者だが、スエーデンには移民が多く移民の子孫の若者にとってはミートボールは身近だが、SMORGASBORDは遠い存在なのだろうと思った。


 探せばきっとストックホルム並みのSMORGASBORDを食べられるレストランはあるのだろうが、スエーデンの移民問題を実感することになった。


 安く済ませたければIKEAに行けばスエーデン料理は食べられる。相当なレベルのSMORGASBORDを味わいたければ赤坂のストックホルムに行けばよい。