日本に上陸したBlue Bottle Coffeeの原点は日本の喫茶店であった。都会の人間のオアシスであった喫茶店は姿を消してから久しい。その代わりに昔のMacDonald'sのように都会のあちこちや郊外まで何処にいってもStarBucksの看板が目につく時代となった。
しかし失われたはずの流儀は絶滅しなかった。読者の中にはStarBucksの珈琲の味が必ずしも同じでないことに気がついている方もいるのではないだろうか。もちろんReserve店に行けば格別に美味しいことは言うまでもないが、問題は水にあるのではないかと私は疑っている。
トイレの浄水をさすがに使うところはもうないだろうが、よくみると同じ水を各店に供給していない。地元の水を使っている。その他、温度が一定していない。ExtraHotといわないとラッテは熱くならないらしい。氷を頼まないといれてくれないロンドンのMacDonald'sと同じでめんどくさい。
Blue Bottle Coffeeでは特徴として焙煎機を持ち、(日本の珈琲を販売する店で飲めば珍しくない)、個別にたててくれる。
サンフランシスコのFerry Bulding Placeには2つの珈琲店が入っている。Blue Bottle Coffeeと知識人に人気の(本を読む人でいっぱいという意味で)Peet's Coffeeだ。StarBucksはないのは、サンフランシスコでの格によるのだろう。
美味しいには違いないのだが日本の珈琲愛好家のレベルは高いので、味だけで勝負できるとは思えない。個人的には自慢のアイスコーヒーだって六本木の水珈琲には勝てないし、いれたてといえども丸山珈琲を選びたい。
でも日本の文化の一角であった喫茶店が評価されていたことはうれしい。学生時代にたむろした小さな喫茶店にいた蝶ネクタイのマスターがサイフォンでいれてくれる珈琲は待つのが楽しい。しかし運ばれて来た珈琲を味わう間もなく友達との会話に時間の経つのを忘れる時代。
きっとStarBucksでは飽き足らない珈琲愛好家がどの国にもいるということなので、海外に進出すればよかったのかも知れない。
上海の駅近くの一等地に上島珈琲の看板がある。きけば経営は中国人のようだが上島珈琲というブランドが通用していることが微笑ましく思った。上海の店では結構いい豆が安く変える。珈琲輸入量が目下増大中なのだ。ここもいいマーケットになるかも知れない。
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