トライアンフの希少価値は永遠


 シュツットガルトは車好きにはたまらない街である。ベンツミュージアム、ポルシェミュージアムに行けばため息がでるような車に巡り会える、だけではない。


 この街ではアンテイークカーが良く手入れされ、新車のように磨き上げられて走り回っている。とある小さな公園でトライアンフTRを見つけた。ほぼ新車のままにみえる。


 新車のベンツを買うより好みの古い車を手に入れて乗り回す方がお金がかかるのはどこの国でも同じだが、ここではそれなりに収入があり、年代的には現役ではなさそうな趣味のいいオジさんたちの趣味のひとつのようだ。



 こういう車で公園やビアホール(たいてい近くにある)に出かけて行って、ゆったりと午後の時間を過ごしている。素晴らしい。


 トライアンフは英国のメーカーだがそのブランドは世界的に名が通っているのにBMWが取得して使われていない。



 後にホンダとの提携で最後のトライアンフはホンダバラードの姉妹車である。会社としては消滅しブランドはBMWが取得して使われていない状態だが、サードパーテイが部品を供給するアンテイークカーの人気車種なので、これからも保存は約束されている。

 


 スーパーカーを購入する上のランクの車の楽しみ方は贅沢だが何かほっとする。英国の田舎道でハンチングが似合う車だ。いつか世界中がBMWのキドニーグリルやレクサスのスピンドルグリルで溢れ人々が物足りなくなる日が来るとしたら、トライアンフという名前が復活する日があるだろう。


 MGは中国の会社に買われた。ミニはご存知BMWに吸収された。こちらは車としては存続しているが、希少価値では遠く及ばない。