中国の新幹線は驚異的なスピードで路線を延ばしている。しかしそれだけではない。地方都市ではある程度のプラットホームだけ先につくり、駅そのものの建築は後回しになっていたところも多い。
もちろん日本の近郊都市のように新興都市では最初から立派な駅が駅前開発と同時に行われ開通と同時に、駅がつくられたところで豪華な大理石の構内が広がる宮殿のような印象である。
一方、中核都市の中には駅の建物が古いままで近代化の象徴の新幹線事業とギャップを感じさせるものもあった。ここHefeiもそうした部類だが1年たって来てみると、たった1年だが駅構内が新しくなって、雲泥の差であった。
地下には駐車場が設置され駅前の混雑が夢のようだ。しかし駅前にあった商店街はどこかに追いやられたようで跡形もなかった。
あの人たちはいったいどこに消えたのだろう。駅には高速道路が直結して完璧な車社会になっていた。屋台の年寄りや得体の知れない商店主たち、相当な数にのぼるが突然消え去った。
さて新幹線の一等は日本でいえばグリーン席だが2+2配列で足元のスペースにバゲッジをいれてもなおかつ余裕があるので、快適である。もちろん日本のグランクラスに相当する2+1のその上のクラスもあるが、これで長距離旅も十分である。
土地を追われた人々はおそらく一生、この座席に座ることはないだろう。現実はしかし強引な立ち退きで土地を確保、建設ラッシュで雇用はできる。また利用客も豪華な駅には満足げだ。
田舎町といわれないだけの近代的な建築物がまたひとつ増えてコンプレックスから解放されたからだ。そのツケがじわじわと近づいているが、なにせその巨体の動きは鈍い。ここ数年はやや下火になっても建設は突き進むだろう。
ひが沈んでも建設が続く様は不気味だがかつて我々にもそういう時代があったのだ。
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