しっくりこない名前のタワー

 

 ニューヨークのワールドトレードセンター地区は呪われているのかもしれない。エリス島までたどり着いた移民で所持金不足というだけで目の前に、自由の女神をみながら「お金で自由を買はなければならない」、ことを知ったときの悔しさ。エリス島から追い返された不幸な人たちの呪い。

 

 911前に地下駐車場で爆破事件があったし、911にしても国民の過半すが内部の犯行、自作自演とみている。グランドぜロを見てきた日本人が現場で涙を流したという。いったい彼の目には何がみえたのだろうか。

 

 ワールドトレードセンター地区に新たにたつのは1から7まで番地とビル名が対応した7つの超高層ビル。足元にある2つのグラウンドゼロのモニュメントが痛々しい。

 

 中でも最も高いのが1ワールドトレードセンタービル。世界一を狙ったがドバイにその座を奪われた上に、度重なる設計の方針で揉め事があり、本来の設計者の名はクレジットから消えた。何か不吉な予感が漂う。

 

 さらに「フリーダムタワー」の名前も、捨て1ワールドトレードセンターへ。この名前には深い意味がありそうだ。ワンワールドートレードセンターは「世界統一政府」トレードセンター。911を仕掛けた人々の第二幕だとしたら、安全なのかまた破壊するのか予想が難しい。

 

 映画「ユーゴットメール」の行き違いが印象的なニューヨークの摩天楼。オリジナルもリメイクもそれぞれいい。シアトルとニューヨークの遠距離恋愛の終点の摩天楼。そんな舞台なら市民や観光客に人気スポットとなるだろう。しかしこのビルにカップルで行ったら、破局を迎えそうな威圧感だ。

 

 

 どうみてもこのビルでロマンチックなことが起きるようにみえないのだ。力を誇示する時代ではないのに、まだ世界の変化に気がついていないらしい。


 

 このビルには近づきたいと思わない。不吉な予感がするのは私だけだろうか。