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オレゴン州立大学の研究チームの調査研究で、米国の子供たちの63%以上とアメリカ人の55%が資産貧困に悩んでいる事実が明らかになった。過半数の米国人は、失業、医療危機、連邦政府閉鎖など、経済的緊急事態に頼るべき資産をほとんど有しない現実が明らかになった。(Rothwell et al., Children and Youth Service Review 96, 409, 2019)。
資産貧困とは
車、住宅、普通預金口座、投資などの資産を欠く資産貧困の家族は、金融危機を乗り切るのが難しい。資産貧困はこれまで考察されてこなかった経済的安定の因子だが、今回初となる資産貧困の調査によって、アメリカの家族、特に子供の世代の経済的不安要素が浮き彫りになった。
幼児期の貧困経験が生涯に影響を与える可能性が高いとされる。過去の研究では、貧困で育った子どもたちは教育課程で厳しい環境に置かれ、仕事に就いても一生を通じて収入が少なくなり、家族の不安定を経験する可能性が高い。最近の研究では、両親の資産レベルが学業成績、教育的機会および大学入学および卒業の可能性影響力を持つことが明らかになっている。資産があれば収入が打撃を受けたときの財政的ストレスや負担が軽減できるからだ。
注目すべき事実は、資産貧困の比率が、家族の収入貧困よりも高いことである。カナダの家族を対象とした2018年の調査で、資産貧困が所得貧困の2~3倍であることがわかった。資産貧困の家庭は不況、自然災害、政府の閉鎖などの経済ショックをもろに受ける。 資産は予期せぬ経済変動に対する保険となり、危機的状況を乗り越えることにつながる。
研究チームはアメリカ、オーストラリア、イギリス、フィンランド、イタリア、ノルウェーの25万以上の世帯からの収入と資産データを分析した。
子供の資産貧困率トップの米国
その結果、米国とオーストラリアがそれぞれ62.9%と最も高い子供の資産貧困率で、次に52.2%のイギリス、48.9%のイタリアと47.6%のフィンランドが続いた。最も低い資産貧困率は34.4%のノルウェーであった。この6カ国のうち3カ国で、子どもの半数以上(特にシングルマザーの子供たち)が資産貧困に苦しんでいる。
国によって比率に差があるが、子供たちの間で資産貧困が非常に高い、すなわち「子供たちは弱い立場にある」ことが明らかになった。特に米国の子供たちは他の国よりも資産貧困にある比率が高い。他の国々では、米国より健康保険制度、失業、住宅、その他の社会的支援を受けやすいため、米国の社会的セーフティネットが脆弱なためと考えられる。資産貧困の蔓延は、短期的な不安を相殺し、長期的な発展を促進するための革新的な政策は米国の重要課題となっている。
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