東京株式市場で10月1日にアラームが鳴った。スウェーデン経済を上回る、67.78兆円の株式取引注文がキャンセルされたのである。トヨタ自動車、本田、ソニー、キャノンを含む日本を代表する42銘柄の株式取引のキャンセルであった。トヨタ自動車に限り、12.68兆円ほどの株式取引とされる。
何が起こったのかといえば、株式注文の入力ミスである。これは、”fat finger error”(太い指による誤入力)と呼ばれている。パソコンのキーボードをたたいている時、太い指の人は、隣のキーに触れたりして、間違うことがあるところからくる。
太い指をもっているかどうかは、分からないが、OTC取引(買い手と売り手が互いに売買の相手を選び、証券取引上を経由しない、直接取引)であったため、取引のキャンセルができたので、東京株式市場に影響はなかったのである。
製品の価格を1桁間違えて入力したケースは珍しくないが、今回は1桁ではなかったようだ。トレーダーのミスだけでは責められない。電子商取引にはリスクが存在するのだ。