クラウドファンデイングKICKSTARTERの先見性

30.11.2015

Photo: SLASH GEAR


eShowerはオーストラリアの発明家が考案した、ネットでクラウドファンデイングを募っているナノバブルジェットをつくりだすシャワーヘッド。オーストラリアやカリフォルニアでは干ばつによる水資源の危機が問題になっているが、シャワーを頻繁に利用する習慣から水資源を無駄にしている。


高速の水流に空気を注入すると細かい泡ができるが、お互いの泡は回転しているのでシャワーヘッドから飛び出して体にあたると、心地よい刺激となる一方で使用する水の量が70%節約される。


頻繁に利用するとeShowerの効果で地域の水使用量を抑え、夏場の水資源の枯渇に備えることができる。eShowerの構造は単純で故障もなく30年間の保障付きで販売されるという。


 

 

Photo: futurelight

 

eShowerは有望なベンチャー企業の製品を紹介するサイトKICKSTARTYERのひとつとしてといあげられている。KICKSTARTER2009年につくられたクラウドファンデイング募集サイトで、広範囲な製品カテゴリの創造的な新製品の開発、販売の資金を集めるクラウドファンデイングを行っている。

 

最近では芸術作品、楽曲を工業製品と同等に扱い、全13のカテゴリーで数100件の広告を掲載している。本社はNY、マンハッタンでTIME詩の2010年、2011年度の「Best Invention」に選出されるなど、話題を集めている。集めたファンドの5%KICKSTARTERに支払うことになっているが、若いアーテイストや起業家の支持を集めた新しいビジネスモデルとなった。

 

中でも映像、音楽カテゴリーへの出資金が多く、全体の50%を占めている。NYにはyoutubeで、NYならではの映像を発信し続け世界的な支持を集めているCasey Neistatを代表とする先端的な映像作家も多い。KICKSTARTERのクラウドファンデイングにより、関心を持つ顧客から資金を集めるアイデアも、こうしたクリエイテイブなコミュニテイの中から出てきたものである。

 

クラウドファンデイングは日本ではまだ浸透していないが、ありきたりの製品を高額で押しつけられるスタイルを脱却したいと考えるユーザーがその有用性に気がついたときに、一気に火がつくだろう。そのときには大企業といえどもあぐらをかいた古いビジネスが時代遅れだということを知るに違いない。無限の可能性を秘めているクラウドファンデイングだがその中心はやはりクリエイテイブなアイデアを持つ人間だ。大企業の企画・幹部に先見性を求めることができなくなって久しい。しかし顧客がファンデイングをして自由な発想に任せることは無限大の可能性を秘めている。