中東に謎の地上絵
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世界的には数世紀前につくられたペルーのナスカの地上絵が有名だが、中東にも謎に包まれた地上絵が発見された。ヨルダンの砂漠地帯にあるWadi Wisadにみつかった上空からみると車輪のようにみえる地上絵は8,500年前につくられたことがわかった。
地上絵を誰がつくったのか、またその幾何学的模様が何を意味するのか不明であるが、8,500年前につくられたとすれば、地球上で最古ということになる。冬の日の朝日に整列するようにつくられていることから、何らかの天文学的な意味を持つと考えられている。
中東の古代遺跡では新しい発見が相次いでいる。この地上絵もそのひとつである。最初に発見したのは1927年に第一次大戦中の英国空軍のパイロットであった。砂漠のベドウインたちはこの地上絵を「古代人の作品」と呼んでいるが、現代の研究者たちにも使われている。
地上絵のモチーフは車輪の他に凧やペンダントなどで大きさは数mから数kmにいたるものまで様々であるが、上空からみるしかその形を知るすべはない。このような地上絵はヨルダンの他にシリアからサウジアラビア、イエメンにいたる中東全域にみられるという。
地上絵のつくられた年代測定はOSL(Optical Stimulated Luminescence)という手法で日光に照射された年代を調べることにより行われた。その原理は宇宙線によってつくられた欠陥(蛍光を発する)が太陽光で削り取られることを利用している。この手法によって地上絵の年代が5,500年から8,500年前と決定された。
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またこの地域には紀元前6,500年に人類が生活していた証拠である炭が発見されたことからわかっている。ナスカの地上絵は紀元前500年から紀元500年の間と考えられている。700箇所のナスカの地上絵の70箇所には動物、鳥、昆虫が描かれている。中東のAzaraq Oasis Wheelと呼ばれる車輪の地上絵はノストラダムスの「時間とカルマの車輪」との関連も指摘されている点、興味深いものがある。
2015年の初めに宇宙からの観測により260以上の地上絵がみつかっている。Google Earthによってハーケンクロイツに似た十字の地上絵もみつかっており、古代人のシンボルとナチスのつながりが話題になっている。