史上最大の債務
2014年2月に連邦債務上限の適用を停止する法案により、債務不履行を回避することができたが、その法案の適用も2015年3月までである。一年を振り返ってみると、米国債務の状況は改善されるどころか、歴史上初めて18兆ドルを超えたのである。
米国債務に関しては、毎年上限を超えるたび、議会で債務上限の拡大をめぐり論争、政府機関の閉鎖などの騒動が起きる。最終的には債務不履行を避けるため議会で国債の追加発行が承認される。
拡大が加速した6年間
オバマ政権が発足した2009年には、米国債務は10兆625億ドルであった。そこから毎年債務上限の拡大を必要とする状況が続いている。大統領選挙の公約の1つであった財政債務の改善とは反対に、米国債務は70%も拡大したのである。
債務上限 政府総債務残高
2010 12.394兆ドル 14.790兆ドル
2011 14.294兆ドル 16.066兆ドル
2012 16.394兆ドル 16.738兆ドル
2013 16.700兆ドル 17.824兆ドル
2014 17.201兆ドル 18.141兆ドル
Source: U.S. Treasury
米国債務の拡大は主に、税収減と失業保険、社会医療、高齢者や障害者医療保障、年金などの社会保障の増加によるものである。格差と貧困が深刻化するなか、ますます米国は債務状況の改善が不可避となってきた。
政権によらず増大する一方の債務。
Source: U.S. Department of Treasury