レーザー兵器が実戦に

Dec. 17, 2014

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 米海軍はペルシャ湾でLawWSと呼ばれるレーザー砲の実戦での使用を認めた。LaWSは30kWレーザーでワシントンにある海軍研究所が中心となって進められた。電磁波兵器同様にLaWSの対人使用は当面認められず、無人機等が対象となる。一方で中国海軍は米軍も中止した電磁波兵器を実戦投入した。

 

LaWS

 高価なミサイルや一発必中とはならない通常火器に比べて、圧倒的に安いコストで高空を飛行する飛翔体を撃ち落とす事が可能となる。レーザー砲の射程は3.2kmと実用十分であるが何と言っても運用コストが優れている。

 

 他にもより低出力(700W)のレーザー砲を車両搭載型としてイスラエルの企業が開発していて、近い将来は戦車にもフォトン兵器や電磁兵器が積載されることになるだろう。

 

WB−1

 一方、中国海軍はミリ波レーダーならぬミリ波兵器WB-1を使用する。ミリ波レーダーは直進性を利用して、衝突回避システムに用いられているが、これを高出力化すれば兵器として用いることができる。米軍も暴動鎮圧に実用化をしていたが、人体への使用が人道的でないため使用は許可されなかった。

 

 

 レーザー兵器やミリ波兵器は実戦配備となっている。これらの廃棄に向けた各国の取り組みができていないので、国境での小競り合いや領土問題で小競り合いに対人使用が現場の判断に委ねられているのである。

 

超高強度・超短パルスレーザー

 レーザー核融合は重水素と三重水素の球状の燃料ペレットに非常に強いレーザー光を当て、急激な表面部分の加熱、プラズマの膨張により、その反作用として燃料球自身が内部へ爆縮を起こし、内部の圧力は1億気圧にも達する。この方法は磁場閉じ込めとは異なる核融合方式で、米国のローレンス・リバモア国立研究所のレーザー核融合施設は192本のレーザーを使用して、「自己加熱」(注)を2014年に達成した(下の写真)。

 

(注)核融合で放出するエネルギー(出力)が燃料に注入されるエネルギーを上回ること。

 

 超高強度・超短パルスレーザーを集光することで、その光強度は1018W/cm2 から 1021W/cm2の光密度が実現されるようになった。ローレンスリバモア研究所は軍事予算で運営されているため、超高強度レーザー技術の最新兵器に簡単に応用できるが、レーザー砲には遥かに小さい出力(30kW)で十分である。