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2012年にマヤ暦が終焉の時を迎える際に人々は地球滅亡のシナリオをいくつか考えた。一難去ったいま、大平洋を囲む火山がつくる”Ring of Fire”は頻発する地震とともに、新しい地球滅亡シナリオとなったかのようである。
南米の火山の噴火やネパールの地震は遠い国の単発事象と片付ける人が多い。しかし統計を調べると”Ring of Fire”に属する火山と地震の動きが確実にみてとれる。あきらかに地球が不安定になってきているのだ。
いたずらに危機を煽る表現は避けたい。客観的にみて最近のTime Windowの火山と地震活動の頻繁さに異論を唱える人はいないのではないだろうか。Ring of Fire全体が同時に火山噴火を起こすとは考えにくいが、これらの地域(日本を含めて)では注意が必要だ、という意味を込めてシリアスなタイトルになった。
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Volcano Discoveryによればいま地球上で40の火山の活動が激しくなりRing of Fire以外はそのうちの6、つまり34/40がRing of Fireに関連しているという。統計の上では20世紀に観測された火山の噴火は3,542回だった。年あたりにすれば35となる。現在、噴火している火山の数はこれをはるかに上回る。さらに地震活動も顕著である。地震の数は過去数10年間で増加の傾向にあったが近年の増加は加速している。
火山の噴火と地震活動の両方が頻繁になってきていることは否定できそうにない。1980-1989の期間のM6以上の地震は平均して108.5回/年であった。2000-2009年の平均は160.9回/年となった。
火山活動が活発化している巨大活火山は以下の通りである。
アイスランド
サントリーニ島
ボリビアのUturuncu
イエローストーンとロングバレー
チリのLaguna del Maule
イタリアのCampi Flegrei
つまり世界の巨大活火山のほとんどの活動が激しくなってきていることになる。日本でも昨年の御岳山噴火、今年に入ってから箱根の活動が活発化している。地震の少ない北米大陸でも中西部、テキサス、ミシガン、ミシシッピ、アイダホ、ワシントンの各州がカリフォルニア顔負けの小規模地震を記録している。中西部の地震の多くはシェールオイル掘削で地下水がたまったことによって地盤が滑りやすくなったと説明されている。それとは別にカリフォルニアとアリゾナでは火山活動が活発化している。
近年多発する地震と火山噴火がFire of Ring周辺で起こっていることは明らかで、地球表面の不安定化としてとらえるべきなのだ。2015年5月13日に東北で観測されたM6.8地震は2011年の余震と説明されている。地震研究者は今回の地震が311同様に大平洋プレートが沈み込んだことによるが、地震が活発な新たなステージに入ったとしている。
続く14日にはパプアニューギニアで起きたM7.1地震は一週間で4番目で、この地域の地震活動の活発化を示している。地球磁場の大きさが以前より10倍の速度で弱くなっていることから、地球内部で磁場をつくる溶けた溶融鉄の流れに異変が生じたとする研究者もいる。磁場が弱くなるのは逆転の前兆と考えるのは早計かもしれないが、地球内部の環境が急激に変化しだしたことは確かである。
Ring of Fireは新たな地球滅亡のシナリオとして考慮しなければならないようだ。