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Zikaウイルスが南米で猛威をふるう中で今度はハワイ島が同じく蚊が媒介するデング熱流行で緊急警戒態勢に入った。これまでにハワイ島では250件のデング熱(注1)感染が確認されている。2015年10月に最初の感染が確認されて以来急激に各地で感染が広がったためだ。
(注1)4つの型があり感染するとその型に対する終生免疫を持つがZika熱同様にワクチンはない。多くの場合は高熱の引いた後は後遺症はないが2度目に異なる型のウイルスに感染するとデング出血熱やデングショック症候群のリスクが高まる。2014年に東京でデング熱感染者が出て話題になった。
蚊によって媒介されヒトからヒトへの感染がないデング熱はハワイの風土病ではないが、これまで外国からウイルスが持ち込まれたことで散発的に感染が確認されていた。
デング熱の症状は急な発熱と頭痛、目、関節、筋肉の痛み、発疹で2週間でこれらの症状は消える。これまでの感染者の227名はハワイ島の住民で24名は外国から島に入った。2例は現在もウイルスの媒介により感染力があるという。緊急警戒により蚊が生息するのに好都合なタイアの処分場への持ち込みが禁止された。
デング熱感染の報告のあった地域を下に示す。ハワイ島全地域に広がっていることがわかる。
ハワイ州知事によれば緊急警戒態勢はハワイ島のデング熱の流行を抑えるための措置で他の地域で(Zika熱も含めて)感染が拡大しそうであれば緊急事態宣言を発動するとしている。
WHOはZikaウイルスと先天性欠損症や新生児の発育障害の関係を警戒するよう呼びかけている。デング熱の発生地域ではZikaウイルスも同じ蚊によって媒介され大流行を引き起こす可能性があるとしている。