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イスタンブールは東西の架け橋と言われるが、イスタンブールを分断して国会と地中海(マルマラ海)をつなぐボスポラス海峡は欧州とアジア(オリエント)を隔てる海運・軍事の要衝であるが普段は幅800m、長さ30kmの海峡に沿ったオスマン帝国の要塞跡など歴史的建造物が観光客の人気である。
国際法上は自由航行が認められているはずのボスポラス海峡をトルコが封鎖しロシア艦船の通行を阻止する可能性が波紋を呼んでいる。ロシア海軍によれば海峡の通行を禁止しているのはロシア艦船が対象である。しかし、黒海艦隊の地中海への出口がふさがれロシア軍のシリアでの行動が支障をきたす海峡封鎖は国際法とモントレー会議(注1)に反するとしている。
Source: marinevesseltraffic.com
(注1)ボスポラス海峡の管理をトルコが行い自由航行を認めることが関係諸国とトルコが1936年に合意した。
ボスポラス海峡はトルコ領土であるものの国際法的には民間・軍用を問わず自由航行が保障されているため、トルコの一方的な封鎖は法的根拠がない。民間の船はいかなる積荷であっても自由航行が許され、軍艦については小型・中型艦船の自由航行は認められている。
また上の海運マップに示されるように、ロシアの黒海沿岸からのロジステイックスにおける重要性は明らかである。ロシア黒海艦隊に所属する艦船は自由航行ができる分類に相当するが、かつて日本海海戦当時に黒海艦隊はロンドン条約でボスポラス海峡を抜けることが禁止されていたため、旅順艦隊に合流することができなかった経緯がある。ロシアにとってボスポラス海峡は民事・軍事に置いてチョークポイントである。
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