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中国はGreat Firewallというネット監視ファイアーウオールを持っている。通常のインターネット接続ではそれが政府のために仕事をするので、Google mailやFacebookなどほぼすべての外国SNSや動画サイトはアクセスできない。しかし若い世代はVPN(一ヶ月1,000円程度)で「壁越え」をするので、意味はないのだが。
その中国が外国メデイアの報道に規制を強化する。自由化への取り組みをアピールするのにまるで逆行するように人民の自由を取り上げようとしている。新しい法令では外国資本のすべてのメデイアのオンラインサービスが受けられなくなる。監督省庁のMinistry of Industry and Information Technology(MIIT)の新法令で外国資本のニュースメデイア、出版社、ゲーム会社、プロバイダー、エンタメ企業が中国市場から締め出される。
この法令の施行は2016年3月10日からとなる。この法令に関連して同時に中国国内で許可されるオンラインサービスやオンラインビジネスにも細かい規制がかかる。このためすべての外国資本企業とジョイントベンチャーが中国市場から締め出される。
また文章、画像、地図、ゲーム、アニメ、デジタル音源(楽曲)、動画がオンラインコンテンツが一定基準を満たさなければならない。国外の企業と提携してサービスを展開するには許可を得なくてはならない。
これに引っかかるのがトムソン・ロイター、ダウ・ジョーンズ、ブルームバーグ、フイナンシャルタイムス、ニューヨークタイムスなど中国市場にこれまで膨大な資金を投資してきた巨大企業。
これらの企業が提供するサービスを受けている顧客はすでにアクセスがブロックされているため、水面下で交渉を続けていた。
ゲーム会社としてはソニープレイステーション、エックスボックスがありSNS大手のFacebookも参入を模索している。それもそのはず中国の洗剤ユーザー数は7億人と言われている。しかし法令により今後は100%中国企業のみがオンラインコンテンツを許される。しかし中国の外国企業への投資指針2015年度版(中国語版)はネットワーク出版企業への投資を禁じているが、英語版は触れていないので関連企業は見過ごしている場合が多い。
今後、規制にかからないためには以下の項目が規制に準拠する必要がある。
厳しい規制内容であるが徹底は疑問視されている。というのも管轄省庁にはウエブサイトの所轄権限が無いためである。一方MIITも国内の業者に対する権限が無い。どうやらこのような出版規制は情報が紙媒体であった時代には有効であったが、ネットでは規制をしても「壁を越える」ことで自由を手にすることができてしまう。何れにしても習近平政権が自国民の外国報道へのアクセスを制限して「情報鎖国」を目指している姿が浮き彫りになっている。