米、露、トルコがシリアで軍事拡大

27.01.2016

Photo: sputniknews

 

 米・トルコ軍はトルコとシリアの国境近くのシリア領土で軍事基地や軍配備を行っている中、米副大統領のジョー・バイデン氏は23日に、ダエッシュ(イスラム国)と戦う上で平和的解決が失敗に終われば、トルコと共に軍事解決を実施する準備は整っていると述べた。その後、25日に予定されていたシリア内戦停止を目指す平和会議が29日に先送りされた。

 

 

本当の狙いはアサド大統領の退陣

 元上院外交分析官のJames Jatrasは、イランの国営テレビPressTVでバイデン氏の発言の真偽を述べた。ダエッシュの掃討作戦と見せかけているが、オバマ政権の本当の目的は政権交代であり、トルコとサウジアラビアと共にアサド大統領の退陣である。「平和会議でアサド大統領の退陣が条件になければ、米国は会議をサボタージするであろう。バイデン氏の発言は、平和会議前の警告であったのだ。つまり、軍事解決とは、ダエッシュと戦うのではなく、現シリア政権の政権交代を軍事的な方法で実現することである。」

 

 「トルコのエンドアン大統領はダエッシュを支援している。これまでダエッシュの支配領土を取り戻してきたのがクルド人民防衛隊である。そのクルド人民防衛隊の拡大を恐れているのがトルコ。米国はダエッシュと戦ってきたクルド人民防衛隊を裏切る準備もしている。」と指摘した。

 

 

Source: thestar.com

 

シリア領土にトルコ軍を配備

 トルコのシリアへの軍事介入は、表向きはダエッシュの掃討作戦としているが、トルコとシリア国境の「戦略的に重要な地域」がクルド人民防衛隊により支配されないためが本当の目的とされる。そのため、トルコ軍はシリア領土のジヤクーブルスに兵士約1000人を配備した。これまで、トルコはクルド人民防衛隊によるトルコ・シリア国境地域の支配拡大を軍事対決で対応すると警告してきた。

 

Source: Daily News

 

シリア領土内で軍事拡大を続ける米国

 クルド人民防衛隊の支配下にあった、シリア北部にあるRmeilan離着陸場はクルド人民防衛隊への軍事支援の拡大に伴って米軍に引き渡され、米空軍が利用している。Rmeilan米空軍基地に拡張する計画が進められている。また、北西のアサド政権下にあるQamishliに空軍基地の建設を進めていると報道されている。ロシアのQamishli空軍基地の建設予に対抗するものと言われているが、ロシアは建設を否定している。