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ECBが15日に500ユーロ紙幣の廃止を非公式に決めた翌日の16日に、米クリントン政権下で財務長官を務めたローレンス・サマーズ氏は、ワシントン・ポスト紙に「100ドル札を廃止する時がきた」と題する記事を掲載した。米国で現金廃止を提唱するには、最適なタイミングである。欧州に続き米国、その先に日本での高額紙幣、1万円札の廃止に動き出す可能性が高くなった。
高額紙幣の廃止の議論は、ハーバード大学ケネディスクールのピーター・サンズ氏の論文を参考にしている。サンズ氏は、脱税を含む金融犯罪、テロリストや麻薬組織による資金の流れ、マネーロンダリング、汚職には高額紙幣が好まれて(紙幣の量と重さでは、高額紙幣の方が大金を動かせる)使われていると指摘し、有効な犯罪撲滅手段として、500と50 ユーロ札、1,000スイスフラン、100ドル札などの紙幣を廃止することが重要であると提唱している。
高額紙幣廃止の動き
サマーズ氏はこの論文を基に現金廃止を提唱している。サマーズ氏の記事によると、『ヨーロッパ単独ではなく、50や100ドルに匹敵する価値の紙幣の発行を停止する国際的な協定が必要である。このような合意は、G-7や G-20において近年で最も重大な協定となる。9月にG-20を開催予定されている中国は、汚職の撲滅を国家の経済・政治戦略にしている。今こそ、中国の強い決意を示す時である。高額紙幣の発行を停止する国際的な協定を結ぶことで、金融機関は「多額な現金」の問題に対応でき、一般の市民のために役立つことができる。』
『今の段階で、紙幣を廃止することは極端すぎるが、高額紙幣の新しい発行を停止することを国際的な協定を結ぶと、世の中はより良い所になる。』と述べている。明らかに、銀行のための都合のいい話である。
モノポリーもキャシュレス
アメリカで80年の歴史を持ち、世界中で愛好家を持つボードゲーム、モノポリーのUltimate Banking最新版は完全にキャッシュレスとなった。各参加者はクレジットカードを持ち、バーコードが付いている不動産とチャンスカードをスキャン装置で読み取りながらゲームを進める。
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