ロサンゼルスの放射性物資汚染

6.02.2016

Photo: 2012 The Awakening

 

ロサンゼルス市の天然ガス田から噴出する天然ガスの勢いが止まらないがガスにウランやラドンなどの放射性物資が高濃度に含まれ、付近の放射線量が居住可能限界を超える恐れが出てきた。

 

ガス漏れが始まったのはAliso Canionにあるガス田で201510月のことであった。天然ガスと共に地中のウランが吸い出され大気中に放出されている。ガス放出が止まらないため放射線量の高さは大規模放射性物質汚染とされている状態になっている。

 

ガスの噴きあげる放射性プルームは周囲の1.6kmに及ぶ住宅地域の放射線量の増大を引き起こしている。市当局は何段階かに分けた作業でガス流出を止める計画(下の図)だが、噴出量が多いためこれまでのガス漏れを止める作業は全て失敗した。

 

 

Source: superstation 95

 

フランスの電離放射線防護協会(AIPRI)の調べでは放射線量が多く健康被害を及ぼす量だという。通常、メタンガスにはU238やラドンなどの放射性物質が含まれる

 

AIPRIは天然ガスと共に放出される放射線量は最大1.91 Curie/hrtoshiteiruga

1日あたり45.95 Curieとなり極めて高い放射線量である。食品検査に用いられるBq(ベクレル)単位に換算すると、1 Curie370Bqとなる。80日間で1日あたりガス放出量は1,115トン301.24TBqとなる。これは1200Sv相当となり基準値の240万倍に等しい。

 

カリフォルニア州当局は以前のガス漏れ量の見積もりが過小評価であったことを認めたため、実際の漏れ量は1日3,000トンを超える。メタンガスは温室効果ガスの一つであるが、11.30TBq40.7MSv)となり、致死量の800万倍となる。このため周辺の住民への健康被害が想定され周辺の住宅地域が汚染される恐れが出てきた。