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自然食品の除染作用が中有目されている。その中の一つが日本固有の食品「味噌」である。日本にあってはこのありふれた食品が長崎の市民を被爆から守ったことを裏付ける興味深い論文が2013年に発表された。
1945年8月9日に広島に続いて長崎に原爆が投下された時に、爆心地から1.4kmしか離れていない浦上第一病院では20名の肺結核患者を治療していた。しかし治療にあたっていた医師も、この20名の患者も被爆による健康被害を受けなかった。
医師はその理由として全員が毎日ワカメの入った味噌汁を食していたことが原因ではないかと考えた。日本人のヨウ素摂取量はワカメや昆布など海藻の摂取量が多いために世界平均を大きく上回り、中には過剰摂取となる場合があるほどである。また味噌が持つ放射線除染作用はよく知られている。
この医師の説は英語に翻訳され欧米に広がった。実際1986年4月26日のチェルノブイリ事故の際に、汚染が深刻な周辺地域では多くの人が味噌汁を食べたという。長崎の一医師の考えた味噌汁の放射線防御効果は広く知られるようになったが、その根拠がこの論文によって裏付けられた。
放射線防御の効果の原因は発酵にある。2013年に発表された日本人研究者の研究は味噌を投与されたマウスの放射線照射で、原材料の大豆に放射線防御能力があるのか発酵によるものかを明らかにした。その結果、明確に放射線防御効果は発酵でできる物質によるものであることがわかった。
味噌に含まれるサイトカイン状の物質が放射線防護すなわち細胞複製能力の向上に関わっていたのである。
広島の原爆投下当時10歳であったある児童が熱風で顔に大火傷を負ったがその際に大量に被爆した。病院の医師たちはこの児童が全身の1/3が火傷を負ったため治癒が困難と考えていた。児童は奇跡的に助かったが病院では握り飯と漬物という質素な食事であった。また火傷の治癒後も病院の質素な食事が命を救ったと考えて、味噌汁、海藻、野菜中心の質素な食事を心がけたという。その結果驚くべきことに放射線障害による貧血、白血病、低血圧や抜け毛や鼻血の症状が消えて健康な体に戻った。このような味噌汁とマクロバイオテックと呼ばれる健康食品の併用効果はチェルノブイリ地域でも実践され世界的に注目されている。
しかし放射線治療に携わる医師たち(オンコロジスト)は健康食品による顔治療を目の敵にしている。放射線治療が必要なくなれば職を失うから当然であるが、科学的にその効果があることが次第に明らかになっている。例えば大豆のイソフラボンの持つ放射線防護作用など。
発酵作用と放射線防護の論文によると発酵期間が長いほどその効果が大きい。癌治療にも免疫療法という新しい治療法が取り入れられ、癌治療に大きな変革が始まっている。放射線防護作用が身近な食品にあれば利用しない手はない。