イエローストーン国立公園の大部分にわたる地下に大量のマグマが溜まっている。もともと世界最大の間欠泉で有名なイエローストーン国立公園だが、間欠泉のメカニズムは地下のマグマで地下に溜まった水が沸騰して、その圧力で吹き上げられるものだ。
すなわち地下には大型のマグマが溜まっているのだ。地下の火山は64万年前に噴火した。地震が頻繁に起こり地面の隆起や噴気の活発な動きが観測され火山活動の活発化が懸念されている。
ユタ大学のHsin-Hua Huangをリーダーとする研究グループは巨大なマグマ溜まりを発見すると同時に、地球内部探査(注1)でその下の火山を調べた。調査によると差し迫った噴火の危険はないが、火山活動に関して詳細情報が得られた。
(注1)Seismic tomographyは音速(p波)の伝搬速度が密度に依存することを利用して地下の密度分布の3Dイメージを作成する手法。
それによればこれまで知られていた地表近くのマグマ溜まりの真下に別のマグマ溜まりがあることがわかった。新しく見つかったマグマ溜まりはマントルに接し、その下にマントル深部からの上昇流(plume)が存在することをつきとめた。これによってイエローストーン周辺の地形がどのように形成されたのかを詳しく調べられるという。
映画「2012」は古代マヤ歴が2012年12月に終焉を迎えることから、このときに地球規模の災害が訪れるとしたSFであるが、そこでもイエローストーンで火山噴火が起こる様子が描かれている。