Ring of Fireと呼ばれる環太平洋の火山地帯のつながりは地震の発生と相関があるといわれている。22日にチリのCalbuco火山の噴火が報告されて間もない25日、ネパールのカトマンズ付近でM7.8の大地震が観測された(米国地質調査所調べ)。
カトマンズの北西80kmを震源地とする地震は45mm/年という早い速度で移動し続けるインドプレートがユーラシアプレートと起こした衝突で引き起こされた。M3以上の余震は3-14回起こる可能性があり、救助活動にも2次災害の恐れもある。
Ring of Fireに囲まれた太平洋プレートはナスカプレートを介して南アメリカプレートに接する。今回のネパール地震はユーラシアプレートとインドプレートの境界であるヒマラヤで起こった。過去、この地域では1934年にM8.0の地震が観測されている他、ヒマラヤの地震は1988年のM6.9地震が観測されたのみで地震は稀であった。
インドプレートはユーラシア大陸との衝突によって、地殻が隆起してチベット高原とヒマラヤ山脈が形成されてた。最近はユーラシアプレートがインドプレートを上回る速度で、進みインドプレートを圧縮し歪みエネルギーが蓄積されていた。
2004年のM9.3のインド洋大地震はインドプレートがインド洋で沈み込んだ歪みの開放であり、2005年の<7.6カシミール地震もインドプレートに起因するものである。またパキスタンでは2005年(M7.6)、2008年(M6.4)、2011年(M7.2)、2013年(M7.7)と大規模地震が頻発している。
Ring of Fireに視野を広げると他にも地震の報告が相次いでいる。4月24日にニュージーランドでM6.3、北カリフォルニアでM5.5、2日前には北アイダホでM4.1、M4.2と立て続けに地震が起こっている。
この中でアイダホの小規模地震はシェールオイル掘削による人為的なものと考えられる。しかし2011年のニュージランドのクライストチャーチ地震は記憶に新しく、活発なオーストラリアプレートにも注意が必要である。