今年は9・11テロ事件から、13年になる。いまだに、半数以上のアメリカ国民は9・11テロ事件に関して疑問をもっており、政府は国民に真実を伝えていないとの意見をもっている。
9・11テロ事件から1年後に、同時多発テロに関する独立調査委員会は最終報告書(The 9/11 Commission
Report)を発表した。調査委員会の目的は、9・11テロ事件に関する事実と原因を検証することであった。報告書には、イスラム原理主義勢力のアル・カイダがアメリカを標的にテロを起こし、アメリカにとって新たな脅威と結論づけた。この報告書はアフガニスタンでの対テロ戦争を深刻化させ、その後、対テロ政策を大義として、イラク、イェメン、パキスタン、ソマリア、リビアの空爆と戦争の正当化に使われてきた。
だが、最終報告書は当初から疑問視されていた。その理由は、800ページのうち28ページが非公開となっているからである。9・11テロ事件の生存者や遺族、国会議員などはこの28ページの公開を追求してきた。この28ページの中には、テロリストにテロ活動を実行するための資金を提供した組織やその目的とだれが最もテロ事件で利権を得るかといった、テロ事件の真相に当たる部分とみられる。
この28ページを巡って公開を追求する運動は拡大している。
生存者や遺族による訴訟
ニューヨーク・タイムズ紙は2003年に、非公開の部分で、サウジアラビア国籍のハイジャック実行犯人2名と関連があった2名のサウジアラビア人はサウジアラビア政府の諜報員であると暴露したのである。諜報員はサウジアラビア政府から莫大な資金が提供され、その資金は9・11テロ事件の実行資金源として使われたと、非公開の28ページに報告されているとされる。
生存者や遺族はこの2名のサウジアラビア諜報員、サウジアラビア政府官、銀行、慈善団体と称した組織、などの告訴を行ってきた。2005年、ニューヨーク地方裁判所は、外交特権で訴訟が却下され、2008年の提訴も却下、最初の判決が支持された。しかし、今年の6月に最高裁判所はようやく再提訴を認めた。今後、訴訟が進むにつれ、28ページの公表に圧力がかかることは間違いないのである。
世論は再調査を支持
2013年8月にRethink
911市民運動の一環として、YouGovが行った世論調査では、調査対象となった2人に1人は9・11の最終報告書の内容に疑問をもち、46%は世界貿易センターの第7ビルは爆破解体により崩壊したと考えている。そうして、41%は9・11テロ事件の再調査が必要と答えた。言い換えれば、問題の28ページが非公開のため、9・11テロ事件の真相の部分が伝えられていないことを意味する。
Part 2 につづく