アメリカ中間選挙の行方

Sept. 22, 2014

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 連邦政府の行政、立法、司法府に対するアメリカ人の不満は歴史上最も高い。ワシントンD.C.は最早、一般のアメリカ人の意見、要求、希望を反映していないと多くのアメリカ国民は考えている。そうしてその気持ちは政治への不信感と不満となっている。



 6月に世論調査のギャラップが行った全米調査によると、オバマ政権の支持率は29%、最高裁判所は30%、上院と下院は7%と驚きの結果をだした。民主党と共和党との政策の違いが分かりにくくなっていることが、上院と下院の68%不支持率の原因の1つである。その他にも、オバマ大統領の出生証明書の偽装スキャンダル、NSAの国民盗聴問題、ベンガジ事件、IRS(米国国税庁)が左翼団体、保守系団体、キリスト教団体、など特定の標的に免税の状況を調査し脅迫を行ったスキャンダル、退役軍人スキャンダル、オバマケア、移民政策、対テロ政策、ウクライナ問題、経済格差の拡大、貧困問題、警察の軍隊化、社会福祉給付の減額、財政赤字の拡大と数えきれないほど問題とスキャンダルを抱えているオバマ政権への不信感と不満が原因である。



 11月4日の中間選挙まで1ヶ月超となるが、国民の政治への関心は非常に低い。7月の予備選挙では、民主党員の投票率は過去52年で最も低く、共和党員を合わせても投票率は17%であった。だとすると今回の中間選挙は低投票率となるのが確実である。



 今回はオバマ政権への強い不信感と不満があるなかで行われる選挙である。民主党には強い逆風が吹いていており、下院での過半数獲得どころか、上院での過半数維持でさえ難しい状況となっている。民主党には改選議席が多いため、上院の多数派体制が崩される可能性は高い。とりわけ、共和党が優勢ではあるが、2大政党以外の第3政党からの候補者が注目される。



 これまで、第3政党の候補者はほとんど選挙に影響を与えてこなかった。しかし、4年前から上院選挙で4議席の結果を左右している。11月の中間選挙では、12の改選議席のなかで、10議席に対して第3政党候補者への支持が高く、選挙の結果に大きく影響を与えるとみられている。2大政党制度にどれだけ影響を残すかで、国の方向性が変わるきっかけとなるかもしれない。