Geopolitics/Economy


最新兵器で交渉復帰をイランに迫るアメリカ

 オバマ大統領の対イラン核兵器交渉は暗礁に乗り上げつつある。交渉期限6月30日の1週間前にイラン首脳は交渉再開の条件として、制裁の撤廃を求めた。ケリー国防長官のアメリカも交渉の席から脱退するという警告に対する、イラン側の実質的な挑戦である。

July 1, 2015

ギリシャはキプロスのデジャヴなのか

ギリシャは金融支援の条件として求められている財政緊縮策の合意案についての賛否を問う国民投票を7月5日に実施する。しかし期限の6月30日のIMFへの返済はできず、デフォルト(債務不履行)は確実となった。

June 29, 2015

ロシアとサウジアラビアの新たな同盟関係

ロシアで新興国首脳、有力知識人や経済界のビジネスリーダーたちが集まって経済情勢を議論する、サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム(欧米のダボス会議のロシア版とも言われる会議)が6月16 〜20に開催された。今回注目されたのがサウジアラビアのサルマン副皇太子とプーチン大統領の会談である。

June 25, 2015

繰り返される感染症対策の遅れ

感染症はウィルスによってもたらされる。しかしウィルスも進化しているため新種のウィルスによる、あまり知られていない感染症に関しては、MERS(中東呼吸器症候群)のように医師も病状がわからないことで、韓国のように感染者が拡大してしまう可能性が高くなる。

June 22, 2015

ndustry 4.0とIoTの未来

 Industry 4.0という概念は新しい産業革命を導くとして期待されている。ITバブル後の減速が顕著になった今、そのツールであるIoTにも注目が集まっている。Industry 4.0とは何か、そしてIoTでどのようなことができるのだろうか。

June 21, 2015

ローマ法王の回勅の背景

現ローマ法王のフランシス1世は、18日にカトリック教の道徳や教えについての教法の立場を示す、カトリック教会の公文書である回勅を発表する予定であった。しかし、発表前にその内容が漏洩、イタリアの人気雑誌L’Espressoに発表された。

June17, 2015

TIがTPAを支持する5つの理由

米国大企業によるTPP成立への圧力は急速に高まりつつある中で、最も影響力の大きい産業のひとつである半導体産業の代表格テキサスインスツルメンツ(TI)がTPP成立に必要なTPAを支持する声明を出した。関税撤廃を求める米国産業の声を反映したこの声明にTPPの本質(関税撤廃)がみえてくる。

June 16, 2015

TPPの行方に逆風

環太平洋経済連携協定(Trans-Pacific Partnership : TPP)締結に不可欠とされるのが米大統領貿易促進権限(Trade Promotion Authority : TPA)別名ファスト・トラック法案と関連法案である貿易調整支援 (Trade Adjustment Assistance : TAA) 法案の両可決である。この2つの法案を巡り、12日に下院で採決があった。

June 14, 2015

ビルダーバーグ会議2015

オーストリアのインターアルペン・ホテルでビルダーバーグ会議が6 月11〜14日まで開催される。「陰のサミット」とも呼ばれているこの会議は、例年とは異なり、今年はG7首脳会議の後で開催される。

June11, 2015

合衆国輸出入銀行の存続を巡る論争

米国にある合衆国輸出入銀行への批判は高まっており、銀行の廃止の議論が議会で論争となっている。6月末までに、事業継続が再認可されるかが議会で決まる。この状況の中、存続に向けてのロビー活動を強化したのは中小企業ではなく、米国の大手上場企業である。

June 5, 2015

EUがベイルイン導入を11カ国に警告

欧州連合(EU)は、加盟国にうち金融機関の再生・破綻処理の為の「ベイルイン」の導入を実施していない11カ国に警告をだした。最大で2ヶ月以内に導入しなければ、欧州司法裁判所による執行命令の発動に動くとしている。場合によってはEU除外も辞さないと警告している。

June 4, 2015

MERS感染拡大の恐れも

韓国のMERS感染者は増え続け隣国にも脅威となりつつあるが、エボラ出血熱の対応の遅れに酷似した当局の初動の遅れが感染を拡大した。中東のMERSがアジアで脅威になった背景にはアジアから中東への渡航の増大がある。

June 4, 2015  

マクドナルドのロボット店舗

マクドナルドはフェニックスに従業員が全てロボットのロボット店舗をオープンする。フライドポテトのサイズをロボットに聞かれるようになるかもしれない。

June 1, 2015

陸上自衛隊初の海外演習参加

国会でも自衛隊の国外での軍事行動の範囲が大きな問題となっている。陸上自衛隊が7月に初めてアメリカとオーストラリアの演習に参加することになった。

May30, 2015

中国の人口島に反撥するオーストラリア

埋め立てでつくられた人工島に重火器を持ち込んでいる中国が近隣諸国、アメリカとその同盟国の反撥を招いている。太平洋をはさんで距離的には遠いはずのオーストラリアがとりわけ敏感に反応した。

May 30, 2015

米国・NATOとロシアが大規模軍事演習

今年もヨーロッパを中心に米国とNATOの数々の合同軍事演習が行われている。現在実施されている欧州と米国のかつてない大規模な合同軍事演習に対抗して、ロシアもシベリアで軍事演習を行っている。

May 28, 2015

アメリカの終わりなき戦争史

アメリカでは毎年5月の最終月曜日(今年は5月25日)は、兵役中に亡くなった兵士を追悼する戦没将兵追悼記念日(Memorial Day)である。多くの戦争や紛争に介入し、多くの犠牲者をだしてきた。

May 26, 2015

イラン・アラクの重水炉

NPTが成果を出せないまま閉幕した。広島、長崎訪問への抵抗などの細かい問題は別にして、中東核武装化に反対する動きが成文化できなかった。中東にはイスラエルが含まれるが、この国の核武装化に関して欧米の責任が問われるからだ。

May 24, 2015

中東で原子力発電所の建設ラッシュ

中東地域では、イラン以外にトルコ、ヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプトで原子力発電所の建設が進んでいる。各国の建設を請負っているのがロシアの国営原子力企業のロスアトムである。

May 21, 2015

現金廃止を進める北欧諸国

デンマーク政府は9月の総選挙前の経済成長政策の一環として、現金廃止に向けた法整備の素案「現金決済の義務」の一部の廃止を発表。早ければ2016年 1月には世界で最も電子決算化が進んだ国となる。

May 19, 2015

荒廃するアメリカのインフラ

フイラデルフイアのAmtrak鉄道脱線事故は事故原因の究明が行われているが、衝突前に妨害工作の証拠があったこと、故意に速度超過をした機関士が事故の記憶を喪失していることなど、謎が多い。調べていくと鉄道車両が老朽化していることがわかり、橋桁や高速道路などのインフラが荒廃している現実が浮かび上がってくる。

May 17, 2015

米・湾岸6カ国の首脳会議に暗雲 

オバマ大統領が13〜14日にキャンプデイビッドで開催した米・湾岸協力会議(サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、カタール、バーレーン、オマーン)の首脳会議には、加盟する4カ国の首脳は欠席していた。

May 15, 2015

ジブチ軍事基地建設に動く中国

アフリカ東部のジブチ共和国はフランス、ドイツ、米国、日本の軍事拠点となっている。「アフリカの角」とも呼ばれる地域(エリトリア、ジブチ、ソマリア)に位置しており、紅海とアラビア海を結ぶ海峡で、インド洋への出口となっている石油供給路チョーク・ポイントであるバブ・エル・マンデブ海峡(下の写真)に面している。今このジブチ共和国に中国が軍事基地建設に動いている

May 14, 2015

サウジアラビアとイラク国境に壁

冷戦の象徴であったベルリンの東西ドイツの壁が1991年のソ連崩壊で崩れ去って以来、国境にそびえる壁のイメージは薄れた。しかし一方では麻薬密輸や不法入国を食い止めるために、国境の壁が増強されている地域もある。

May 9, 2015

米国マイナス成長でゼロ金利継続か

米国の3月の貿易統計は市場予想を上回る、2008年10月以来最大の貿易赤字を計上した。その結果、第1四半期のGDPはマイナスに落ち込むのは確実である。

May 7, 2015

中国の株式証拠金債務が過去最高に  

中国経済の成長率が7%と6年ぶりの低水準であったにもかかわらず、中国株式市場は高騰を続けている。上海総合指数は7年ぶりの高値更新となっている。各経済指標をみても、景気の減速は明らかであるが、株価は景気と連動して動いていない。

May 4, 2015

戦争と紙一重のホルムズ海峡

イランが海賊対策を理由に海軍をアデン湾に派遣したことで、ここにアメリカを含む敵対する諸国の艦船が集結することになった。中東戦争につながる一触即発の事態が懸念されている。

May 1, 2015

米国連邦債務時計の謎 

日本の借金時計は1010兆9772億円3982万円(4月28日20:00時点)と増え続けている。1秒ごとに政府債務残高が拡大していく米国の債務時計の債務残高の表示は4月23日までの40日間、18兆1129億ドルに凍結されていた。

Apr. 29, 2015

過酷な環境でも希望を捨てないシリアナ

2011年から続くシリア内戦は殺害と人権侵害により難民をつくり、シリアは中東諸国と国際社会から孤立させたが、映画「シリアナ」で描かれているように、天然ガス資源を巡る大国の利権の犠牲者となっている側面も否定できない。

Apr. 27, 2015 

アフリカ難民船の遭難が相次ぐ

不法移民問題が世界中に広がっている。とりわけイスラム圏から欧州への移民が急速に増えているが、地中海を渡る移民は高い代償を強いられることになる。船自体が旧式で沈没の恐れがあるにも関わらず、限度を超えて不法移民を乗せた難民船が後を絶たない

Apr. 25, 2015

アメリカに多発する人為的地震

 これまでもオクラホマ州に多発する地震がシェールガス・オイル掘削によってもたらされた地下水で地滑りが起こるとした見方が多かったが、ついに地質調査所が中央と東部アメリカの地震マップを公表した。

Apr. 24, 2015

ペイパルの認証が人体に埋め込まれる日

誰でも自分の認証番号が煩わしいと思う一方で、誰にも盗まれたくない、あるいは第三者が成り済ます事がないようにと願う、相反する思いがあるに違いない。しかしある時、貴方の認証を完璧に守るチップができたので、貴方の体内に埋め込ませてください、といわれたらどうだろうか。

Apr. 23, 2015

核大国を目指す北朝鮮

中国の核専門家によれば北朝鮮に配備されている核爆弾の数は20以上で来年には倍増することが可能なウラン235の濃縮ができるという。

Apr. 23, 2015

米国武器輸入を拡大する中東

過激派や反体制組織によるテロとの戦いやイスラム教のスンニ派とシーア派との対立で紛争地帯に発展している中東では、湾岸諸国が長年米国から輸入してきた武器が実戦で使われているが、今後各国による武器輸入はさらに拡大するとみられる。

Apr. 22, 2015

メキシコ国境近くにISIS キャンプ

米国テキサス州のエルパソから約12キロ離れた、メキシコの「Anapra」と呼ばれる地区に過激派組織のISISキャンプがあることが、米国Judicial Watch、メキシコ軍とメキシコ警察によって確認された。

Apr. 20, 2015

世界に広がる感染症(最新情報Part 2)

これまで抗生物質は人間や動物の治療、家畜や養殖魚の餌に混ぜて使われてきた。今、従来効果があった抗菌薬に対して効果がない耐性菌の出現の事例が世界中で増加している。

Apr. 18, 2015

シェールオイルを減産できない理由

需要の減速と供給過多が相乗的に働いて原油価格下落となっている。もちろん前者はアジア(中国)の経済成長の減速とアメリカのシェールオイルの極端な増産の寄与が大きい。

Apr. 15, 2015

金に注目し始めた中央銀行

4月17日にワシントンで予定されている極秘朝食会議で、特定の中央銀行と公的機関の代表が金に関しての議論を行うとされる。

Apr. 15, 2015

戦争を請負う会社−PMSCとは

 傭兵ときくと2度も映画化された映画「外人部隊」が頭に浮かぶ人は多い。フランス外人部隊はしかしれっきとしたフランス陸軍の外人志願兵で構成される「正規軍」である。

Apr. 14, 2015

イエメンがサウジ国境を越えて戦闘状態に

サウジアラビア主導のイエメン空爆が開始されて19日。空爆ですでに1,026 人の死亡者と2,242人の負傷者がでている。ここにきて、フーシ派の反体制武装勢力に加えてイエメンのスンニ派部族もサウジアラビアのイエメン国境地域で戦闘を繰り広げている

Apr. 13, 2015

世界に広がる感染症(最新情報Part1)

WHOの最新報告によると、4月5日時点でエボラ出血熱の感染者は25,550人、うち死亡者は10,587人と今だに、西アフリカで感染者が報告されている。しかし、世界中を見渡せば、エボラ出血熱以外の感染症が様々な地域で報告されている。

Apr. 10, 2015

内乱の立役者フーシとは

 フーシ(Houthis)は、イエメン北部を拠点に活動するシーア派の武装勢力でアブドル・アル・フーシに率いられ2014年9月にイエメンの首都サヌアに侵攻した。2015年1月に大統領ハーデイは辞意を表明(注)、政府は転覆することとなった。

Apr. 7, 2015

連合軍の設立に動く2つの地域Part2−アラブ連盟

サウジアラビア主導の10カ国による連合部隊が、イエメンで空爆を実施している中、エジプトで開催されていた外相会合(3月29日)で、アラブ連盟は「アラブ連合軍」を設立する決定案に合意した。

Apr. 7, 2015

アメリカとキューバが急接近−意図は何か 

アメリカのオバマ大統領とキューバのカストロ議長が10日から開かれる米州首脳会議の場で、国交正常化交渉が始まって以降、初めて接触する見通しとなった。1961年に国交を断絶し輸入を全面禁止としたアメリカにとって翌年のキューバ危機で両国の関係は最悪となって以来だが、両国の意図は何なのか。

Apr. 5, 2015

連合軍の設立に動く2つの地域Part 1-EU

3月に欧州委員会のユンケル委員長は、EUにNATO以外の統一「EU軍」を設立するべき時がきたと主張した。その一週間後、アラブ連盟は「アラブ連合軍」を設立する決議案に合意した。この2つの動きは、一体何を意味しているのか?

Apr.4. 2015

戦闘地帯となった中東

サウジアラビアによる隣国イエメンの空爆(3月26日)は、世界最大の油田があるアラビア半島でのサウジアラビアとイランの代理戦争に発展する恐れがある。今後の中東の将来と世界への影響は、イエメンでの情勢によって大きく変わることになる。

Mar. 30, 2015

ドイツの航空機墜落は欧州版911か

 ルフトハンザ系列のLCC、Germanwings社のA320機の墜落の報道は最初から奇妙な点が多かった。A320機はバルセロナからデユッセルドルフに向かう途中、高度1万メートルの巡航高度に達した直後に、急降下し3,000フイート2,000mでは標高3,000mクラスの山々が連なるアルプスを越えられるはずはない。

Mar. 27, 2015

ギリシャにおけるトロイカ政策の教訓

ドイツのHans Bockler Foundation のマクロ経済研究所(Macroeconomic Research Institute)がギリシャの財政緊縮策が国民の所得、雇用、格差問題に与える影響をめぐり、衝撃的な調査結果を発表している。

Mar. 25, 2015

プライベートバンクに変化の兆し

 プライベートバンクは顧客の秘密を守ることから、富裕層は資金を国外に持ち出したり税金逃れ、はてはマネーロンダリングに悪用するので、近年では批判が高まっている。

Mar. 22, 2015

エコカーのためのHOVレーン

 HOVレーンというのはHighly Occupied Vehicleの名の通り、2人以上が乗車する場合に使えるカープールレーンでカリフォルニアの高速道路の出勤退社ラッシュアワーの渋滞緩和のためにつくられたものである。

Mar. 20, 2015

干ばつによる食料危機の脅威

米カリフォルニア州は歴史的な干ばつに見舞われている。今後、同州だけの問題に留まらず、全米の食料危機に発展する可能性さえある。

Mar. 20, 2015

世界で最も高価なタワーマンション−ONE57

 ONE57は世界で最も高価なタワーマンション(英語ではCondominium)である。建物の高さでは868mのドバイにあるブルジェハリファが世界一で、その108階のペントハウスは世界一高層階といえるが価格では、ONE57が世界一となる。上の写真は真下にセントラルパークを見下ろす眺望である。

Mar. 15, 2015

深刻化するニューヨーク市の格差

ニューヨークはアメリカの建国当時から様々な人種と階級の人々が集まる街である。格差はあったが、アメリカ・ドリームを達成できる可能性を与えてくれる街でもあった。しかし、それも変わりつつあり、落ち込んだら二度と這い上がれない人たちが増えた。

Mar. 13, 2015

クリントン国防長官任期中の私的メール疑惑

未成年の強制売春事件で逮捕された米実業家ジェフリー・エプスタインとビル・クリントン元米大統領との友好関係の疑惑が浮上して間もないなか、今度はヒラリー・クリントンが国防長官任期中に私的メールアカウントを利用したことが発覚、様々な疑惑が問題となっている。

Mar. 11, 2015

アメリカを支えるアジアと中東−留学生とポスドク

Institute of International Education(IIE)はこのほどOpen Doors Report2014を発表した。それによると2013/14 期間で留学生数は886,052 人で過去最高の8%の伸び率で、世界第一位の留学生(英国の2倍)数となった。この統計はアメリカの高等教育における優位性を示すとしているが、理系の大学の研究開発はアジア、中東系のポスドク(博士研究員)によって支えられている。

Mar. 10, 2015

「イスラム国」ツイッターの実態

過激派組織の「イスラム国」は、ソーシャルメディアを主な情報発信の手段としている。新しく発表されたレポートでその実態が解明されつつある。

Mar. 8, 2015

経済不快指数でみる世界情勢

国の政治的安定は、その国のインフレ率、失業率、金利と一人当たりのGDPの動向によって左右される。特に、インフレ率と失業率の上昇は国民の不満の上昇につながり、深刻になると政権の維持が困難となり、社会の崩壊を招く恐れさえでてくる。その兆しが世界中の多くの国で見え始めている。

Mar. 5, 2015


珈琲値上げの背景は何か

ネスレは珈琲製品の20%、UCCは25%, スターバックスは10円に踏み切った。AGF(注)とキーコーヒーも20-30%値上げを検討中であるので、大手の珈琲豆は20%以上の値上げとなる。為替の影響もあるが一体何が珈琲価格の値上げの要因なのか。

Feb. 28, 2015

「イスラム国」へ武器供与が疑われる米英

イラク議会の国家安全保障国防会議は、2月 23日にイラク軍が撃墜した英軍機2機が「イスラム国」に投下するための武器を輸送していたことを示す証拠写真を入手したことをイランのFAR News が報道した。

Feb. 26, 2015

オスマントルコと"Blue Bottle Coffee"

移民を通して世界に拡散しオスマントルコ以来の驚異となったイスラム文化。そのオスマントルコが1683年にウイーンを包囲した史実を描いた2014年の映画「神聖ローマ、運命の日、オスマン帝国の進撃」が注目を集めている。1683年に圧倒的な勢力でウイーンを包囲したオスマントルコが敗退した歴史をたどるとイスラム化の原点がみえてくる。

Feb. 24, 2015

金需要世界一で見えてくるインドの将来

中国とインドは国民の金需要が非常に高い国である。昨年、インドは中国を上回り、世界最大の金消費国となった。実に世界の金需要の26%を占める。

Feb. 23, 2015

シェールオイルの光と影

原油価格下落の原因のひとつの供給過多は米国が国策として強引に進めて来たシェールオイル/ガスの増産にある。米国のシェールオイル掘削はアパラチア東部、ロッキー東部、そしてテキサス南部とカリフォルニアが主な掘削地域で、その中でもテキサス州のイーグルフォード・シェールオイル・ガス田は、良質な軽質原油を産出しており、北米において最も有望な鉱区の一つであると言われていた。

Feb. 20, 2015

2015年もさらなる原油価格の下落が続く

ここに来て、原油価格は1バレル当たり50ドルを超え、回復の兆しを見せているようにみえる。17 日時点には、WTI は1バレル当たり53.53ドル、   Brentは62.53ドルである。だが、市場における供給過剰状況は解消されていない上、原油在庫の増加は今後、原油価格に下方圧力を与えることになる。

Feb. 18, 2015

報道自由度にみる自由でないアメリカ

国境を越えた報道関係者の投票で毎年決まる世界の報道自由度(World Press Freedom Index)によると自由な国アメリカはもはや自由ではないという結果になった。2014年にアメリカはルーマニアを下回りハイチをわずかに越えてプレス自由度46位という不名誉に輝いた。

Feb. 17, 2015

ピケテ論争の波紋

ピケティは、「資本蓄積によって資本家と労働者の格差が拡大する」という当たり前の事実を「過去200年以上のデータにもとづいて明らかにした」とされる。しかしその格差是正のあり方を巡って沸き起こった論争は興味本位でメデイアに取り上げられ、逆に本質から離れて行く危険性をはらむ。

Feb. 15, 2015

Guido FawkesとVendetta

ハッカー集団アノニマスは各国の反体制運動でよくみかけるがあの仮面は元をただせばGuido Fawkesに由来する。アノニマスは過激派同様の白い目で見られるが、今回は「黒装束の邪悪な集団」に攻撃を仕掛ける声明で一躍、正義の味方となった。

Feb. 13, 2015

FRBの監査を求める動きが強まる

米国の金融政策の策定と実施, そうして世界各国の金融政策に大きく影響を及ぼす米国連邦準備制度理事会(FRB)は、設立以降一度も外部監査を受けたことがない民間金融機関である。今、そのFRBに対する監査を求める動きが再び強まっている。

Feb. 13, 2015

パンドラの箱と水素社会

パンドラの箱を開けてしまった人類はスリーマイル島、チェルノブイリ、福島第一、と続いた原子炉の事故で脱原発に舵を切る国も増え、住民の反対や環境団体の圧力で新規の原子炉建設は支障をきたしている。気候温暖化に伴い排出ガス規制もきびしくなると再生可能エネルギーへの大転換は潮流となった。

Feb. 11, 2015

実ビジネスの経営危機−Radio Shackは氷山にすぎない

 全米に展開する老舗の電気店といえばRadio Shackだった。どんな田舎町にも車で行ける距離に店があり、乾電池からオーデイオ、TV、PCまでなんでも揃う便利さが受けて、PCオタクから家庭の主婦まで幅広い顧客層に愛されていた。店のつくりも質素なたたずまいで電気製品が並ぶ、いかにも安値で頑張っています、的な雰囲気に好感を持ったものだった。

Feb. 8, 2015

「テロとの戦い」が生みだした終わりなき戦い

2001年の9・11テロ以降の13年間、「テロとの戦い」はアメリカの歴史上最も長い戦争である。そうして終わりが見えない戦いでもある。

Feb. 6, 2015

金保有量で世界5位となったロシア

2014年の12月に、ウォール街でロシアが危機的状況にあるため、保有している金を売却したとの噂が流れた。ヤフー、ブルームバーグなどの欧米メディアはいち早くこの事を報道した。

Feb. 5, 2015

副都心は格差の象徴なのか

富の格差は止まらないが、このことが世界中に歪みを起こしていることが明らかになると、憂慮する知識人の中には根本的な解決を模索する人たちが現れた。「21世紀の資本論」の著者トマピケテイに代表される動きである。

Feb. 1, 2015

米国ではしか感染が拡大

今年のスーパーボウルはアリゾナ州グレンデールでニューイングランドペイトリオッツとシアトルシーホークスが対戦してアメリカンフットボールの覇者が決まる。スーパーボールのホスト州となるアリゾナ州衛生局は意外な警告を発した。

Jan. 1, 2015

原油価格下落のシナリオ

原油価格下落についてメデイアはその原因と背景について、ほぼ一致した見解をとっている。それはしかし表面的すぎるかも知れない。まず原油価格の下落は基本的に需要の減少と供給過多の相乗効果としている。

Jan. 29, 2015

メガモールラッシュ

もともと米国の地方都市郊外に起源を持つ現代社会の象徴、ショッピングモールは車社会に支えられて発展したが、意外にも歴史的には都市型モールの起源は2世紀のローマにあるという。

Jan. 26, 2015

消えつつあるアメリカの起業家精神

アメリカの経済成長を支えてきた起業家精神は誰もが認めるところである。世界で最も新規の会社設立数が多い国であった。しかし、今では会社設立より、会社の廃業の方が大幅に増え、「アメリカン・ドリーム」を求める起業家精神が消えつつあるといえる。

Jan. 21, 2015

世界最大の米国債保有国となる日本

中国と日本は米国にとって、最大の対米債権国である。2008年のリーマンショック以降、中国は世界最大の米国債の保有国であった。だが、ここに来て、対米債権国の間で変化が見られるようになった。

Jan. 20, 2015

スイスフラン上限撤廃—ユーロ崩壊ドミノとなるか

1月22日に開催されるECB(欧州中央銀行)政策理事会で量的緩和の追加策が決定される可能性が高いと言われている中、スイス国立銀行は、15日にユーロ対スイスフラン(SFr)為替相場の上限を突然撤廃した。

Jan.  16, 2015

鬼城化する高層アパート

中国の不動産バブルを話には聞いていたが、行ってみると驚愕さえ覚えるものであった。とにかく凄まじい数に圧倒されるのだ。上海から北京までの新幹線沿線の駅前は高層アパートと隣接したショッピングモールが目立つ。

Jan. 15, 2015

フランスが抱えるイスラム化問題

仏風刺週刊誌「シャルリーエブド」のテロ事件には、欧州のイスラム化問題が背景にある。現在、欧州には5,200万人の欧州に定住し、世俗化したイスラム教徒がいる。

Jan. 10, 2015

「若年層経済不快指数」でみるアメリカ

アメリカは「大きく変わる」との期待でオバマ政権が発足して6年。この間、国民の期待は裏切られた上、今では若者世代は最も厳しい経済環境におかれている。その深刻な状況と不満を反映して、「若年層経済不快指数」は最高水準に達した。

Jan. 8, 2015

ガリポリへ上陸する避難民

トルコ領でイタリア半島と目と鼻の先にあるガリポリは軍事的拠点で第一次大戦中に連合軍がイスタンブール目指して行った上陸作戦(ガリポリの戦い)が有名である。ガリポリの戦いは海軍の戦術に関する講義で必須の歴史的作戦であった。

Jan. 6, 2015

Science/Technology


水で発電するマグネシウム電池

リサイクル電池といえばリチウムイオン電池が頭に浮かぶほど出回っている。一方でより環境に優しい新型電池が注目されている。無公害材料でつくられ水を注いで発電するマグネシウム空気電池である。

June 16, 2015

自動操縦の盲点 "Coffin Corner"

エアーアジア8501便(A320-216)は2014年12月28日にインドネシアのジュアンダ国際空港からシンガポールのチャンギ国際空港に飛び立ったが乗客乗員162名を乗せて洋上に墜落した。事故原因の人的要素は不確定だが高度を上げすぎて失速しやすい”Coffin Corner”に陥ったのが原因とみられている。

June 14, 2015

半導体製造を変えるマスクレスリソグラフイ

テキサス州オースチンを本拠地とする研究組合のWalt Trybulaは、半導体産業の未来を左右するのはマスクだと考えている。ムーアの法則の追求によってマスクは複雑となりついに限界に来たのだ。

June 13, 2015

ダイソン流LED照明

Dysonの掃除機はサイクロンという新しい潮流を掃除機の世界にもたらし閉塞感のあった家電市場に、ファンレス送風機やエアークリーナーなど次々と、革新的な製品を送り出した。息子のJake Dyson が開発したLEDライトは期待通り魅力的な製品となった

June 11, 2015

ボーイングB737MAX

ボーイングは評判の良いエアバスA320neoに対抗して売れ筋の小型機市場をおさえるべくB737MAXを開発した。後発だけに燃費ほかの性能面で先行したA320neoに少しだけ優位性がある。

June 4, 2015

水素と酸素で飛ぶ飛行機

 ボーイングでは水素と酸素で飛行機の推進力を得る研究が進んでいる。燃料電池の反応後に排出されるのは水。クリーンエネルギーの代表格の燃料電池モータープレーンはいつ頃に実用化されるのだろうか。

June 3, 2015

ロボットに奪われる20の職種

20年以内にロボットに奪われる可能性が高いとみられる20の職種を選定し職種ごとのロボット化の確率を研究者が予想した。おおまかだが未来社会の姿を反映したものになっている。あなたの職種は大丈夫だろうか

June 1, 2015

エアバスとボーイングの競争激化

 ボーイング787は新素材による軽量化と静粛かつ低燃費のエンジンの効果で、快適な室内と燃費の良さで乗客とエアラインの両方にアピール度が高い。ここにきてエアバスA350というライバルが現れJALが大量購入を決めた。

May 31, 2015

食料危機を救うSmart Floating Farm

新しい概念のグリーンフロート、”Smat Floatin Farm”は温室栽培の「ビルなか農場」をメガフロート上につくりそれらをつなぎ合わせただけの簡単な構造物であるが、人類の直面している食料危機を乗り越えるかもしれない。

May 29, 2015

シェールガス・オイル掘削の陰にハリバートン

シェールガス・オイルの掘削が新しいテクノロジーの連携で著しい効果を上げ採掘の生産性が飛躍的に上がったことが、「シェールガス革命」と呼ばれる、アメリカ国内の化石燃料の強敵な生産につながったとされる。

May27, 2015

活発化するRing of Fire

Ring of Fireと呼ばれる太平洋を囲む活火山の活動が激しくなって、頻発する地震と含めて考えるとマグマの不安定さが浮かび上がるが、浅間山の火山性地震が増加し、気象庁が警戒を呼びかけた。

May 23, 2015

ヘリウムショックのリスクは続く

2012年に世界を「ヘリウムショック」が襲った。ヘリウムはご存知、2番めに軽い元素で、現代社会に欠かせない元素だが、2012年に価格が高騰して関係するテクノロジーの終焉を思わせる危機だった。

May 20, 2015

ヘリウムショックのリスクは続く

2012年に世界を「ヘリウムショック」が襲った。ヘリウムはご存知、2番めに軽い元素で、現代社会に欠かせない元素だが、2012年に価格が高騰して関係するテクノロジーの終焉を思わせる危機だった。

May 20, 2015

現実的な未来の乗り物ーHoverbike

Hover boardが実現するにはまだ時間がかかりそうだが、ここで紹介するHoverbikeは模型の段階だが先に実現するのは確実だ。ピザを配達する様子も近頃流行りのドローンより安定感があり、空中の完全停止能力は比較にならないほど安定している。

May 18, 2015

 

地球滅亡の新しいシナリオ

南米の火山の噴火やネパールの地震は遠い国の単発事象と片付ける人が多い。しかし統計を調べると”Ring of Fire”に属する火山と地震の動きが確実にみてとれる。あきらかに地球が不安定になってきているのだ。

May16, 2015

GOESが警告するフレアの脅威

太陽フレアはフレアは巨大なエネルギーを持つ太陽表面の爆発で、音速を超える速度で数10万Kmも伝播する衝撃波が生じる。フレアの大きさは数万Kmにも及ぶため、地球をかすめることはたびたびで、これに覆われると電離層だけでなく地球上の導体全てに強力なパルス電流(EMP)が流れて、機器や送電網を破壊し尽くすこともあり得る。

May 13, 2015

マイノリテイレポートが現実に

映画「マイノリテイレポート」はトムクルーズ主演の犯罪を予知して事前に逮捕しことなきを得る未来警察を描いた2002年のSF映画である。犯罪予知"Precrime"が近未来現実化するかもしれない。

May 12, 2015

インターネットの未来はどうなる

 財政難に苦しむ国のなかにはインターネットに課税する動きさえみえて来たが、「情報の爆発」を支えるインターネットの「処理能力」に限界が見えて来た。「情報の爆発」で容量が限界に達しそうなのである。

May 6, 2015

ラスベガスから水が消える日

アメリカ中西部、特にカリフォルニアを襲う干ばつの危機的状況を伝えたばかりだが、カリフォルニアだけではなかった。今度はラスベガスが危ない。視野を広げれば、地球上の水資源に赤信号が灯っているのだ。

May 5, 2015

テスラ社の家庭用バッテリーシステム

テスラ社のEVはリチウムイオンバッテリーで航続距離が日産リーフの倍の500km以上で、高性能スポーツカー並みの運動性能と美しいデザインで人気が高い。リチウムイオンバッテリー事業の拡大をパナソニックとともに目指しているが、家庭用バッテリーシステムの需要を見越しての販売となった。

May 3, 2015

温室効果ガスからデイーゼル燃料を製造

アウデイは空気中のCO2(温室効果ガス)から、ゼロエミッションのデイーゼル燃料をつくることに成功した。製造には水と再生可能エネルギーが使われるためトータルでゼロエミッションが達成できる。

May 3, 2015

ナノテクノロジー先駆者はローマ人

金、銀などのナノ粒子は代表的なナノテクノロジーとして触媒材料を中心に広範囲に応用されているが、古代ローマ人が1,600年も前に使いこなしていたとしたらきっと驚くに違いない。

May 1, 2015

カリフォルニア干ばつは史上最悪か

 カリフォルニアの干ばつは年々ひどくなる一方で、ブラウン州知事が異常事態を宣言、異例ともいえる法的措置を含む対応措置をとるという。今までにない非常時体制に深刻な干ばつの規模がうかがえる。

Apr. 30, 2015

イエローストーン地下の巨大火山

イエローストーン国立公園の大部分にわたる地下に大量のマグマが溜まっている。もともと世界最大の間欠泉で有名なイエローストーン国立公園だが、間欠泉のメカニズムは地下のマグマで地下に溜まった水が沸騰して、その圧力で吹き上げられるものだ。

Apr.28, 2015

ネパール地震とインドプレート

Ring of Fireと呼ばれる環太平洋の火山地帯のつながりは地震の発生と相関があるといわれている。22日にチリのCalbuco火山の噴火が報告されて間もない25日、ネパールのカトマンズ付近でM7.8の大地震が観測された(米国地質調査所調べ)。

Apr. 27, 2015

世界中に7時間で派兵が可能に

サンダーバード2号は原子力をエネルギー源とし超音速で世界中に救難メカを届ける設定だが、それに似た性能の未来型輸送機をロシアは開発しそうだ。

Apr. 24, 2015

Ring of Fireに注意−チリのCalbuco火山噴火

 チリのCalbuco火山が突然、4月22日に噴火した。休火山の相次ぐ噴火について先に伝えたばかりだが、今回のCalbuco火山は突然爆発し噴煙が1万mまで吹き上がった。周辺の20km圏内の住民に避難勧告が出された。

Apr. 23, 2015

ムーアの法則の終焉は2017年か

"No exponential law is forever"とはムーアの法則を提唱したGordon Moor自身の言葉である。かつては仕事で使う計算機として、またゲーム機として活躍した高性能PCの心臓部であるCPUの世代交替ルールに終焉が訪れようとしている。

Apr. 21, 2015

TPPの隠された弊害−Roundupとは

TPPをめぐる日米閣僚協議が始まった。米国と日本の思惑の隔たりはコメや自動車、自動車部品などで、両国とも自国の産業と農業の保護政策が真っ向から対立する構造だ。しかし農業については自国の農業保護とは別の観点があることは報道されない。

Apr. 20, 2015

活発化する火山の脅威

最近、相次ぐ火山の噴火が多い印象だが統計をみると世界中で活発になった火山活動が明らかになる。地球内部の何らかの変調を意味するのだろうか。

Apr. 19, 2015

火星を目指すLDSD

火星には水があることがわかり、有人探査や移住計画の現実度が上がった。水があればエネルギーを太陽から得て、酸素をつくれるからだ。

Apr. 18, 2015

パーソナル交通機関ULTraの未来度

ULTraとはUrban Light Transitの略。英国のULTra Global PRTという会社が開発したパーソナル公共交通機関である。

Apr. 18, 2015

シェールガス・オイル掘削のリスクまとめ

 シェール革命とともに2009年のオバマが目指したガス・オイル掘削はまたたくまにアメリカをエネルギー資源輸出国とするほどの勢いで全米に広がった。これが8カ月継続しいまなお続く原油価格下落の一因となっている。

Apr. 16, 2015

火星探査でアメリカに挑戦する欧州とロシア

火星移住が現実的な課題となっていることは、裏を返せば地球に長期間の宇宙旅行を上回るリスクが高くなって来たことを意味するのだろうか。

Apr. 15, 2015

国産技術の独自性の意味

航空機や大型ロケットの分野においてコストを追求すれば外国製品の購入ということになるが、最近ようやくという印象が強いが強気の発想、つまりオール国産化に向けての動きが見えて来た

Apr. 11, 2015

Promised Landのフラッキングで地震が多発

映画"Promised Land"はすでに紹介したように、マットデイモン主演のシェールオイル掘削がもたらす環境破壊を警告した映画である。最近の状況をみてみると懸念は現実となっていることが明らかになった。

Apr. 10, 2015

閉鎖されていた北米司令部再起動の意味

 War GameなどのSF映画でたびたび登場する北米防空司令部(NORAD、North American Aerospace Defense Command)はコロラド州Cheyenne山の中腹をくりぬいてつくられた核戦争に耐えうる巨大なバンカーであった。1960年代の冷戦の遺産であるこの要塞は10年前に閉鎖された。

Apr. 10, 2015

ツェッペリンの夢ふたたび

 1928年にツッペリン伯爵が総力を挙げて開発したグラーフツッペリン号の2隻は当時としては最新の技術でつくられた235mにも及ぶ巨大な旅客用飛行船であった。鉄骨で支えられた胴体には水素が充填され航続距離1万kmという長距離飛行性能はずば抜けていたが、悲運にも安全なヘリウムの代わりに水素を充填せざるを得ない時代であった。

Apr. 5, 2015

自動操縦に成功するメーカーはどこか

 すでにAutonomous car(自動操縦の車)という記事をかいたが、Googleに続いてApple社が自動操縦車に参入するとみられている。またテスラ社も同社の一部モデル(Model S)に自動操縦機能を盛り込むという発表を2014年11月に行なった。

Apr. 2, 2015

ドローンタンカーで挑むチョークポイント

世界中の原油消 費国へ生産国から原油を送り届けるオイルロードには陸上輸送と海上輸送ルートが存在する。海上輸送においてオイルロードのネックとなる数少ないリスクが高 い地点をチョークポイントという。ロールスロイス社ではチョークポイントを無人のドローンタンカーで原油輸送する計画を立てている。

Mar. 31, 2015

エネルギー安全保障の脅威

311以降の原発停止による電力危機を救ったのは火力である。その代償として燃料購入費は年間3.6兆円にもおよび、貿易赤字に貢献することとなった。

Mar. 25, 2015

赤いオーロラの謎

北海道名寄市の「なよろ市立天文台きたすばる」の職員が18日未明、オーロラの撮影に成功した。国内でオーロラが観測されたのは2004年11月以来だという

15年後に登場するか"Progress Eagle"

 A380は2階建てでモノクラスなら800名を乗せることができる世界最大の旅客機である。A380の受注が伸び悩む中で15年先の近未来に800人乗りの超大型機"Progress Eagle"計画がある。

バヌアツ共和国の自然の驚異

 フイジーに近いバヌアツ共和国(注)は自然に恵まれた人口24 万の「南海の楽園」であったが、大型サイクロンPamが甚大な被害をもたらし、援助物資が住民に届かず食糧危機にある。海底火山地帯位置するバヌアツには火山多く、訪れる地球物理の研究者や観光客が後を断たない。

Mar. 21, 2015

シェールオイルがエネルギー市場を淘汰

 シェールオイル増産によって原油価格下落がもたらされた。しかしシェールオイル掘削事業の採算性の悪さとリスクの高さは、相次ぐ日本企業の投資失敗や稼働リグ総数の減少をみれば明らかだ。

Mar. 17, 2015

世界最大の船となるPioneering Spirit

amazon創始者の一人のポールアレンが沈没した戦艦武蔵の姿を全世界に紹介し話題を集めている。大きさで言えば世界一の船はこれまでA.P. Moller-Maerskという海運会社の"Tiple E"というコンテナ船であった。

Mar. 15, 2015

MacBookにみる「切り捨ての美学」

MacBookはこれまでの高負荷用のMacBookProとモバイルに徹したMacBookAir(上の写真)のどちらにも属さない、新しいテクノロジーの実践と例によって「切り捨て」の美学を追求したモデルである。

Mar.13, 2015

太陽光発電で世界一周無着陸飛行へ

このほど太陽光発電の長距離飛行機SolarImpulse2が世界一周無着陸飛行に挑戦するため、アブダビから飛び立った。

Mar. 11, 2015

スマホは何故コモデテイ化が遅れているのか

液晶TVの値下がりは著しい。もちろんメーカーや型式で違いはあるが標準的なスペックでいえば、32インチで3-4万円、42インチで6-7万円といったところだろう。若い世代が気になるスマホの価格と通信料金は割高が続いたままである。スマホもメーカーと型式で千差万別だが最新型で6-7万円といったところであるが、何故スマホはコモデテイ化が遅れているのだろうか。

Mar. 10, 2015

テスラの夢はかなえられるかー無線送電

交流送電の父として知られるニコラ・テスラはエジソンに対比される天才であった。イーロンマスク率いるテスラモータースの社名もここから来ている。あまりに独創的な彼の発明とアイデアは早すぎて時代がついていけなかったともいえる

Mar. 9, 2015

未来のエネルギー供給はどうなる

原発停止後に電力需要が火力発電でまかなえている事実と再生可能エネルギーの電力買い取りが増えたことで、再生可能エネルギーへの期待が膨らんだ。写真(衛星から見た欧州の夜景)の明るい都市部は電力使用が大きく原子力発電所の分布に重なる。

Mar. 8, 2015

欧州の大出力レーザーELI

 最近、欧州に新たな巨大科学プロジェクトが現れた。Extreme Light Infrastructure (ELI)である。ELIは複数の世界最高出力のレーザー施設を別々の場所(3カ所)につくり、これらを関連させて最終的には第4のレーザーを含めて施設を共同研究に開放するもので、加速器、放射光、X線自由電子レーザーのようなスタイルで光科学を推進する。

Mar. 4, 2015

Apple Watch-スマートウオッチ未来像

Apple Watchはステンレス、SPORTはアルミニウム、EDITIONは18 Kケースが特徴。中身は同じでケースで差別化し画面の大きさで2タイプ(38mm、42mm)、EDITIONのハイエンドモデルの中でも最も高価なモデルはゴールドブレスレットのもの。

Mar. 4, 2015

"Pebble Watch"とApple Watch

iphone6と同時に発表され2015年3月10日のイベントで発売となるApple Watchのラインアップをみると、これまでの予想通り自立したiphone機能プラスアルファが腕時計に収まったことが確認できた他に、ラインアップがこれまでのケースの質感の差別化にとどまらず、普及型のアルミ、ステンレスケースに加えて18Kイエローゴールドのハイエンドモデルが含まれ、その中に最高級のゴールドブレスレットと組み合わされたモデルは240万円という。

Mar. 2, 2015

ISSで米国と協調するロシアの意図

ロシアの予算打ち切りで2010年に運用打ち切りとされていたISS国際宇宙ステーションが2024年まで延長にロシアが合意した。ロシアの宇宙ステーション建設は独立して進めるとみられているが、延長の合意にはウクライナ問題での制裁と原油価格の下落で財政へのダメージが大きいことによることは確かだ。

Feb. 26, 2015

成田撤退に込められたメッセージ
噂されていたカタール航空の成田撤退が免れた。すでにヴァージンアトランティック航空が2015年2月1日の成田発をもって日本から撤退しており、カタール航空の動向が注目されていた。リチャードブロンソン率いるヴァージンアトランティックは個性的で他のエアラインとひと味違う。

Feb. 25, 2015

地上1000mの住み心地-Pt.1グリーンフロート

そう遠くない未来、2050年に地球上の人口は90億人となりエネルギー需要は現在の2倍となると予測されている。人口増加で最大の問題は食糧と水、そしてエネルギーである。地球の収容限界が近い今日、実行には勇気のいる火星移住計画を含めて様々な救済プロジェクトが提言されいくつかは実行されつつある。

Feb. 24, 2015

アトラスVとウクライナ問題

ウクライナ問題は根が深い。ロシア制裁のあおりを受け天然ガス供給、原油価格問題、イラン核開発などエネルギー問題への影響に加えて、アメリカのロケット製造にも関わる問題が浮上している。アトラスVは寿命の長いロケットでロッキードマーテインの傑作だ。アトラスVの燃料はケロシンと酸化剤は液体酸素という定番であることも信頼性に寄与している。

Feb. 20, 2015

EVに有利なトルクベクタリング

左右のあるいは4輪にかかるトルクを独立に制御するシステム。モーター駆動のEVで積極的に採用したテスラ社。国内でもスバルなど4輪メーカーがこぞって採用しつつある。それより遥か前に4輪の独立トルク制御をSH-AWDという商標で機械式で実現したホンダ。4輪のトルクベクタリングは世界的な傾向でもある。どのようなメリットがあるのだろうか。

Feb. 19, 2015

欧州の物流を支えるScaniaの新技術

Scaniaはダイムラー、ボルヴォに続く世界のトラック生産の3台メーカーのひとつで、独自性が高い個性的な会社である。会社の創設は1900年でスエーデンのマルモでトラックの製造から始った。Scaniaはスエーデン発の国産バスを手がけるなど大型車両を得意とする。

Feb. 17, 2015

原子力の過去・現在・未来

日本の原子力利用は科学技術史的には米国より古い。陸軍が仁科博士率いる理研チームに原爆製造を委託したのは1942年マンハッタン計画スタートの前年である。この研究は熱拡散法でウランを濃縮して広島型ウラン原爆を製造しようとしたが、一方海軍は京大チームに遠心分離によるウラン濃縮で原爆を製造する研究を支援した。

Feb. 14, 2015

宇宙の防人DSCOVR

イーロンマスク率いるスペースX社のファルコン9で宇宙気象観測衛星「Deep Space Climate Observatory(DSCOVR)」が打ち上げに成功した。DSCOVRはどのようなミッションなのだろうか。

Feb. 13, 2015

米国型第三世代原子炉AP1000とは

スリーマイル島事故以来、新規建設が滞っていた原子炉の新規建設を認可したことで、現在、全米で5基の第3世代原子炉AP1000が建設中である。しかし環境団体や地元の反対で受注業者(ウエステイングハウスエレクトリック)が訴訟問題に追い込まれ、建設計画が18カ月も遅れている。

Feb. 11, 2015

米国の原子力政策に暗雲

オバマ政権のグリーンエネルギー政策は化石燃料はシェールオイル増産で温室ガス抑制とは無縁のものだし、3マイル島以来新しい原発が建設されていなかった原発も脱原発ではなく大規模な発電所まで建設の機会を狙うものであった。

Feb. 9, 2015

トランスアジア航空機事故の真相

マレーシア航空、アシアナ航空の事故と墜落事故が続く中で台湾のトランスアジア航空235便の墜落事故は衝撃的な墜落直前の映像とともに情報が世界を駆け巡った。

Feb. 7, 2015

驚異の金ナノ粒子−球状核酸(SNA)

 金属ナノ粒子とは10nm=100オングストローム程度の直径の金属粒子のことである。様々な金属のなかでも金のナノ粒子は単純に微細な電子回路の配線や触媒に応用される他、最近は球状核酸(Spherical Nucleic Acid, SNA)という機能性のバイオナノ粒子が注目を浴びている。

Feb. 6, 2015

帝国の横暴-提訴されたapple

iphoneとMacbook Airユーザーは最新機種で電源コネクタの形状が変化したことはすでに気付いている事と思う。iphoneではそれまで幅広でスピーカー型にさして本体を支える安定感のあるコネクタからLightning Connectorと呼ばれるよりコンパクトになった際に、既存のスピーカーへの接続ができなくなって困ったはずだ。

Feb. 2, 2015

明暗を分けたA380の選択

JALもANAも手をださない最新鋭の2階建てエアバスA3806機の購入費用が総額1915億円となり、経営破綻したスカイマークの命取りになったとされる。メデイアにはこの暴挙で経営危機に陥ったとする記事が多い。確かに高額な発注があだとなったことは事実だが、筆者はA380の選択については別の意見を持っている。

Jan. 31, 2015

夢を見続けるマクラーレンホンダとJR

F1シャーシのマクラーレンとエンジンを供給するホンダのパートナーシップは夢のコンビであり、日本の高い技術力を代表するかのようにホンダエンジンのサウンドが世界中のサーキットに響き渡った。

Jan. 30, 2015

火星探査の真の目的—惑星間移住

インドの超低予算火星探査機についてはすでにかいた。計測系を簡素化し軽量化したことが低コスト化の鍵であった。一方、米国NASAが官学民の総力を結集した火星探査機フェニックスは何を狙っているのだろうか。

Jan. 25, 2015

スマート兵器とIT技術

トマホークは代表的な巡航ミサイルで地形を判別して設定された目標に向かって超低空飛行で突っ込む誘導ミサイルである。一方、誘導爆弾は推進力を持たず、方向の制御で自由落下を目標まで誘導する点で、巡航ミサイルと一線を画する。

Jan. 25, 2015

進化を続けるデルタロケット

デルタはアメリカの商用通信衛星や気象衛星、科学観測用の衛星を打ち上げるための多用途汎用ロケットシリーズで、これまでに300機以上が打ち上げられている。

Jan. 24, 2015

光熱費実質0円の真実

最近、戸建て住宅の広告に実質光熱費0円という表現が目立つようになって来た。これらの住宅の屋根には太陽電池パネルが全面に取り付けられ、売電20年保証となっていたが、最近は電力会社が買い取りを停止する恐れがでたため、慎重な不動産会社は売電20年の文言は控えている。

Jan. 23, 2015

ファルコン9とサンダーバード

イーロンマスク率いるスペースX社の再利用ロケットファルコン9は回収に失敗した。その様子は動画で公開されている。イーロンマスクが惜しい、と表現するように確かに、ロケットは垂直にパッドに降りて来て、まさに着陸寸前に傾いて激突す)。

Jan. 19, 2015

独立国家を目指す海上都市

ドバイにある人口の海上都市がSabah Al Ahmad Sea Cityである。海上都市計画自身は古くから有る。夢の島を始め浅瀬の埋め立ては古くから行われているが、ドバイのそれは富裕層のための人工島となる。写真のように椰子の木をデザインした人口島で、豪華ホテル、別荘があり、およそ25万人が暮らせる施設となる予定だ。

Jan. 15, 2015

ファルコン9 Part2

ロケット打ち上げのコスト削減に最も効果があるのは1段目と2段目ロケットを回収し、"Expedables"から"Reusables"にすることである。スペースX社の野心的なアイデアはドラゴン補給船を打ち上げるファルコンロケットの1段目、2段目を帰還させ再利用することだ。

Jan. 14, 2015

スペースX社のエース−ファルコン9

ドラゴン宇宙船の打ち上げ延期のニュースに関連して、ファルコン9打ち上げ延期というタイトルでの報道もあり、宇宙ビジネスの記事でもとりあげたがややこしいのでここで簡単に説明する。

Jan. 8, 2015

増え続ける宇宙ゴミ

昨年にIMAXシアターで公開された日本でのタイトル「ゼログラビテイ(オリジナルはGRAVITY)」は宇宙ステーションで作業中の米国宇宙飛行士が、宇宙ゴミの衝突で危機となるが、他国のロケットに乗り換えて地球に生還する、というストーリーであった。

Jan. 5, 2015

超低コスト火星探査機

米国NASAのオリオン宇宙船については記事をかいたが、究極的な目的は有人による火星探査である。また無人探査のために、NASAは火星探査機MAVEN(Mars Atmosphere and Volatile EvolutioN)を打ち上げ、2014年9月に火星に到達した。

Jan. 2, 2015

ツポレフの野望

戦闘機をつくらせたらミグ、スホーイの競争で米国製より優れた性能の機体をつくり続けて来たロシア。その中でアンドレイ・ツポレフはその他のジャンル、爆撃機、偵察機などを手がけ、輸送機のアントノフ、戦闘機のスホーイ、ミグと並んで軍用機の4大閥を作り上げて来た。

Jan. 1, 2015



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