Geopolitics/Economy

メルケル体制の終焉 Part 4

ドイツのメルケル首相と社会民主党(SPD)は連立協議を終え、6日に大連立合意に達した。SPDに重要で影響力のある外務相、財務相、労働社会政策相のポストを引き渡すことで、4期目の政権樹立への道筋をつくった。しかし、その代償は大きく、メルケル首相が率いるキリスト・社会同盟(CDU・CSU)は国務相と経済エネルギー相のポストを獲得したものの、政策転換を余儀なく受け入れる形となった。

Feb. 09, 2018

急増する香港のATM現金引き出し

香港のATMでの現金引き出しが急増している。香港のメデイアは一度に最大50枚のカードを使用して数十万ドルを引き出すなど、大量の現金を中国本土に移動していると報道している。これを受けて金融当局、銀行業界、警察が捜査に乗り出した。

Feb. 06, 2018

暴かれるアメリカ史上最大の権力乱用 Part 2 〜トランプ・ドシエ

トランプ大統領の署名で2月2日一般公開されたFISAメモにより、オバマ政権、FBIと法務省の反トランプ勢力、クリントン選挙対策本部、民主党全国委員会が結託して民間請負会社のフュージョンGPSを使い、ロシアの大統領選挙関与の疑惑をでっち上げ、トランプ氏と側近、一般市民に対する諜報活動を行っていたことが明らかとなった。

Feb. 03, 2018

暴かれるアメリカ史最大の権力乱用 Part 1 ~FISAメモ

米下院情報委員会は29日に、デビン・ヌネズ下院情報委員長の機密FISA(外国情報監視法)メモの一般公開を決めた。メモの内容は、オバマ政権がクリントン氏を大統領選挙で勝利させるために、 FBIと司法省がFISA令状を不正乱用、トランプ氏と家族、複数の側近を盗聴、監視活動を行っていた事実に関するものである。

Jan. 31, 2018

ロシアが進める自国仮想通貨「クリプトルーブル」

2017年10月にロシアのプーチン大統領は、ロシア独自の仮想通貨「クリプトルーブル」(CRUR)を発行することを発表した。そのクリプトルーブルを法定通貨とする法案が議会に提出され、その導入に向けての法整備が着々と進められている。

Jan. 29, 2018

排出ガス規制緩和の焦点となるカリフォルニア州

米国の自動車メーカーはこれまで様々な環境保護の規制が課せられてきた。カリフォルニア州の規制は最も厳しく、また他の州を先導することで知られている。しかし環境保護より経済復興を優先するトランプ政権によって、オバマ政権時代に遡る厳しい排出規制が見直されようとしている。

Jan. 28, 2018

準備が進む米国の戦術核攻撃と日本への影響

B-2爆撃機に16個が搭載される戦術核(小型核爆弾B-61)は最近改精度や地下攻撃力を増強した改良型B-61-12が開発されており、それらが搭載されれば戦術核攻撃力は格段に増大する。戦術核で標的となるのは北朝鮮の各施設を中心とする核インフラ攻撃で、死傷者を大幅に抑えることができるとして、現実的な選択肢となる可能性が高い。

Jan. 25, 2018

世界に広がるビットコイン規制の波

仏のマクロン大統領とドイツのメルケル首相は19日に、仮想通貨ビットコインの法整備などの規制の必要性を議論、両国は4月に開催予定のG20会合で参加国にビットコイン規制を求めていくことに合意した。そのほかの世界各国でもビットコイン規制の動きが強まっている。

Jan. 23, 2018

巧妙な北朝鮮の海上石油密輸入

台湾沖で米軍の偵察機が原油を運ぶタンカーから海上で横付けした北朝鮮の小型タンカーへの原油の移動が確認されているが、自衛隊の偵察機も上海沖で同様な密輸現場を発見している。たとえ公海上であってもこうした違法行為は国連決議に違反するものだが、現実には放置されている。その背景には密輸に協力する企業の巧妙な手口がある。

Jan. 22, 2018

トランプ大統領が乗り込むダボス会議2018

1月23~26日にスイスのダボスで開催される世界経済フォーラム、通称ダボス会議には、「アメリカ第一」の政策を掲げるトランプ大統領が出席することになった。今回はグローバリズムを提唱する世界のビジネスリーダー、銀行家、政治家の他、アカデミアやメディアの代表、世界のスーバーリッチ(いわゆる世界の1%)との対決の場となる。

Jan. 18, 2018

メルケル体制の終焉 Part 3

2017年9月のドイツの連邦議会(下院)総選挙から4カ月、メルケル首相は政権樹立ができない状況が未だに続いている。メルケル首相が率いる中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が進めていた自由民主党(FDP)と緑の党との間の連立協議は11月には決裂、その後、中道左派の社会民主党(SPD)との大連立を模索してきた。ようやく大連立に向けて両党は協議に入ることを12日に合意したが、すでにSPD内の反発で大連立結成が不確実となっている。

Jan. 15, 2018

検討が進む対北朝鮮軍事作戦「ブラディ・ノーズ」

韓国と北朝鮮は9日に南北閣僚級会談を開始したが、北朝鮮は非核化に関する協議には応じない姿勢を見せた。核開発を巡る米朝の対立は今後も続くと見られるなか、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、トランプ政権が「ブラディ・ノーズ」(bloody nose)と名付けた軍事作戦が決行できるかの検討を行っていることを報じた。

Jan. 10, 2018

クリントン氏の起訴に向けて米司法省が捜査開始 Part1

2018年に入って、米司法省は検事当局とFBIにクリントン氏を対象とする3件の捜査活動の開始を命じた。公務で私用のサーバーを使ってのメール通信による機密情報の漏えい、慈善団体として登録されているクリントン財団に関わる犯罪行為とクリントンン/クリントン財団のウラニウム・ワン買収を巡る違法行為の疑惑で捜査が開始された。2018年はこれまで政府内のクリントン支持派、民主党、リベラル派のマスコミによって隠蔽されてきたクリントン氏の数々の犯罪が明らかとなれば起訴が現実となる。

Jan. 07, 2018

半導体トップメーカーのジレンマ~期待度と現実のギャップ

2016年のGalaxy Note7のLiイオンバッテリー回収で痛手を受けたサムスンだが、同社が製造する有機EL画面を備えた最新機種はiPhoneXをしのぐハードウエアスペックに仕上がった。これまで3Dメモリを始め革新的な半導体技術を真っ先に投入することで、ハードウエアで先導的なメーカーとして知られる。そのサムスンが世界初のフレキシブル画面スマホのGalaxy Xを市場投入する。

Jan. 06, 2017

全土に広がったイランの反政府デモ

12月28日にイラン第2の都市マシャドで始まった反政府デモは28日に入ったが沈静化の兆しが見えない。3日目に入って首都テヘランに拡大した反政府の動きに対して、政府は携帯のインターネット接続を遮断して、デモ鎮圧を試みた。

Dec. 31, 2017

炭疽菌免疫性を持っていた脱北兵士

北朝鮮から九死に一生で脱北に成功した兵士の経緯については手術中に発覚した腸内の寄生虫が発見されたことなど多くの記事がある。12月26日、今度は兵士の一人が炭疽菌の免疫性を持つことが明らかになった(UPI)。

Dec. 28, 2017

経済規模上位が入れ替わる10年後の世界

英調査・コンサルティング会社の経済ビジネスリサーチセンター(Center for Economic and Business Research: CEBR)の年次レポートで発表している「世界経済順位総覧」によると、2032年には米国を抜き、中国は経済規模で世界1位となると予測している。また、日本は2027年にはインドと交代し世界4位、アジアの中国、インド、日本、韓国とインドネシアの5カ国が経済規模で世界トップ10位内を占める見通しである。

Dec. 26, 2017

サウジアラビアで何が起きているのか Part 3

11月に始まったサウジアラビアの汚職対策委員会による前代未聞の粛清で、王族、現役閣僚、官僚や実業者を含む300人以上の要人が拘束された。全員サウジアラビアでは「特権階級」に属している。その後、法廷闘争を控える数人を除いて、拘束された要人の大半は和解で解放に向かっているとされる。

Dec. 22, 2017

ポーランドへの制裁で揺らぐEU求心力

欧州委員会はポーランドに対し、司法の独立性を制限する改正法案の可決とEUの移民受け入れ分担制に応じないことで、 EU条約第7条を早くて20日に発動するとみられる。EU加盟国に第7条が発動されるのは前例がなく、欧州理事会での議決権停止に加え、EUからの経済支援や国際貿易が停止される。

Dec. 19, 2017

WTO閣僚会議の合意なき閉会

2年おきに各国の貿易担当閣僚は会合(WTO閣僚会議)を開催し、貿易不均衡や自由貿易の障壁撤廃について協議する。この結果に基づいてWTO執行部の方針が決定されるので、閣僚会議は実質的なWTO執行部代行の会議といっても良い。1996年から11回目となる今回の閣僚会議はアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されていたが、全く合意がないまま13日の閉幕を迎えた。

Dec. 14, 2017

無力化する北朝鮮への経済制裁

 国連安保理は8月と9月の2回にわたり、北朝鮮の外貨獲得原を絶つことを目的に追加的経済制裁措置を採択している。北朝鮮の核・ミサイル開発の資金調達を困難にすることが狙いであったが、期待された効果はなく、北朝鮮は8月以降4回のミサイル発射実験を行っている。制裁効果を無力化する一つの理由は安保理の経済制裁措置に違反して、北朝鮮と貿易を進めてきた国が多いことで、49カ国もあることが最新の調査で明らかとなった。

Dec. 12, 2017

エルサレム首都宣言の背景

トランプ大統領はエルサレムをイスラエルの首都と正式に認定、現在テルアビブにある米国大使館をエルサレムに移転する方針を明らかにした。発表前日にパレスチナ自治政府のアッバス議長には、イスラエルとパレスチの2国共存が可能な中東和平案を立案中で、早くて2018年前半には明らにできることを伝えている。

Dec. 09, 2017

エルサレム首都承認を巡るパレスチナ暴動

12月7日のハマス指導者ハニエ氏の呼びかけ「インテイファーダ(蜂起)」に呼応してパレスチナ自治区の暴動が勃発した。ハニエ氏は12月8日は民衆に一斉に蜂起するようテレビ演説で呼びかけ、ハマスのテロリストにも活動強化を促した。

Dec.09, 2017

燃え広がるLA山火事

「サンタアナの風」と呼ばれるベンチュラ地区独特の強風に煽られて燃え広がったLAベルエア地区の山火事はこれまでに80,000エイカー(323,748平方メートル)を焼き尽くして5%しか鎮火していない。東西に走る幹線道路のI405は危険が高いため閉鎖された。

Dec. 07, 2017

終結が遠のいたイエメン内戦

サウジアラビア主導のイスラム教スンニ派アラブ諸国の連合軍がイエメンを攻撃し始めて2年以上が経過する。激しい戦闘が続いていたイエメンの首都サヌアは4日、シーア派武装組織のフーシ派によって制覇された。サヌアからの脱出をはかっていたサレハ前大統領は殺害され、イエメン内戦は新たな局面を迎えた。

Dec. 05, 2017

欧州におけるイスラム教人口の動向

Pew Research Centerが調査した欧州の人口動向によれば、今後2050年までに欧州諸国ではイスラム教人口が大幅に増加を続ける。“Europe’s Growing Muslim Population”(欧州で増え続けるイスラム教人口)と題した調査結果は、現在欧州に居住する2,580万人のイスラム教の人口動向を今後の移民政策によって、どのように変化するかを調べた。

Dec. 01, 2017

メルケル体制の終焉 Part 2

連立協議が決裂に終わり、少数政権か再選挙の選択肢に追い込まれたメルケル首相は、中道左派で第2党のドイツ社会民主党(SPD)と再び連立を組むか否かの協議を30日に行うこととした。協議結果によりメルケル首相が率いるCDU・CSUとSPDは3度目の「大連立」を組む可能性がでてきた。安定多数の政権を求める一方で、両党内部だけでなく有権者からの不満が再び高まることが予想される。

Nov. 29, 2017

メルケル体制の終焉 Part 1

9月にドイツの連邦議会総選挙が実施されてから2カ月が経過し、強い政治安定として知られてきたドイツのメルケル政権は未だに安定した政権を発足できずにいる。政権樹立ができないのは1949年以来のことである。メルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が自由民主党(FDP)と緑の党との間で連立協議は19日に決裂、連邦議会の解散による再選挙を支持するドイツ国民の声が高まっている。

Nov. 26, 2017

欧州を目指す第二の難民の波

アフリカや中東の難民キャンプの収容能力の限界で、再び欧州に難民が殺到するリスクが高まり、国連世界食料企画(WFP)が警告をだした。難民キャンプ内の治安、生活環境の悪化、特に食料不足は2015年の最初の難民が欧州に流入した時より危機的状況にあるため、難民は食料がないキャンプを離れて、欧州諸国へと避難していくことが懸念されている。

Nov. 22, 2017

EUが国境を越えるオンライン・ショッピングを完全自由化

EU議会と欧州理事会及び欧州委員会は11月20日、「地政学的障壁」と呼ばれる加盟国間のオンライン・ショッピングの障壁をなくすことに合意した。デジタル経済担当理事によれば、これによってEU市民は国境を越えてデビットカードもしくはクレジットカード決済の商品のオンンライン購入やホテルの予約を自由に行うことができるようになる。

Nov. 22, 2017

メキシコ国境の壁試作モデルが完成

トランプ大統領が政権について9月後、公約の一つであるメキシコ国境沿いの壁が実現に向けて第一歩となる試作モデル(高さ約9m)8組が完成し公開された。予定ではカルフォルニア州からテキサス州にかけての全てのメキシコ国境に設置される。

Nov. 20, 2017

大統領の核攻撃権と国家緊急事態の長期継続

2001年の9.11同時多発テロ事件の3日後、当時のブッシュ大統領は「国家緊急事態」を宣言した。ブッシュ政権の8年間続いた後、オバマ大統領も「国家緊急事態」を毎年更新、政権期間中の8年間継続した。現在までアメリカは、テロ脅威から「国家緊急事態」下にあることはあまり知られていない。

Nov. 17, 2017

ECBが預金保護廃止を検討

2016年からEUで始まった金融機関の再生・破綻処理の際の「ベイルイン」では、銀行の債権保有者から一般預金者までが破綻処理や救済資金の負担対象となっている。ベイルインが発動された場合、欧州中央銀行(ECB)の規則では、銀行破綻の際に10万ユーロまでの預金が預金保護スキームで守られている。 ECBは、この預金保護スキームを廃止して、代わりに「限定的な預金の引き出し」の検討を始めた。

Nov. 16, 2017

サウジアラビアで何が起きているのか Part 2

今回の粛清は、砂漠のダボス会議」とも呼ばれるFuture Investment Initiative (未来投資イニシアチブ)の開催直後、Startup Saudi Arabiaの国際会議の開催中で起きた。世界中から投資家、政治家、実業家、政府高官、サウジアラビアからも王族、大臣、政府高官、有力投資家や実業家が首都リヤドに集結していた。一度に粛清を実行するには最高のタイミングであったともいえる。

Nov. 14, 2017

EUが欧州炭素市場改革に合意

EU119日、パリ議定書に基づく排出ガス規制に本腰をいれるため、2021年後に欧州の炭素市場の改革を行うことに合意した。EU議会とEU参加国は世界最大規模の炭素市場の改革の暫定合意にこぎつけた。重い腰を上げたようにみえるEUだが、炭素市場の過剰供給を解消するだけでここ数年は実質規制は据え置きとなる。

Nov. 11, 2017

サウジアラビアで何が起きているのか Part 1

サウジアラビア国王が4日に汚職対策委員会を立ち上げ、王位継承者であるムハンマド皇太子をトップに任命してから数時間後に、現職大臣4人と経済界の有力者を含む王子11人と官僚を含む38人が相次いで身柄を拘束された。国外渡航は禁止され、銀行口座は凍結、首都リヤドの5スターホテルのリッツ・カールトンで拘束されている。6日にも有力な実業家が拘束、汚職防止の粛清が続いている。

Nov. 08, 2017

サウジアラビアとレバノンとの紛争激化

サウジアラビアは6日、イランが支援するレバノンのヒズボラの攻撃をサウジアラビアによる宣戦布告とみなして強く非難した(ロイター)。敵対関係にあるサウジアラビアとイランはレバノンでたびたび衝突を繰り返してきた。レバノン首相のサード・アリ・ハリル氏はイランの圧力に抗議して4日、辞任を決めている。

Nov. 07, 2017

ヒラリー・クリントンが私物化した民主党全国委員会

20158月に、民主党全国委員会(DNC)はヒラリー勝利基金(Hillary Victory Fund)と「ヒラリーをアメリカのために」(Hillary for America2016大統領選の選挙対策本部)との間で密約を結んだ。民主党全国委員会への資金支援の見返りに、民主党全国委員会の権限を全てクリントン側に引き渡すという内容で、クリントン氏が2016年大統領選に立候補を表明する4カ月前、民主党候補に選ばれる一年前のことである。

Nov. 05, 2017

共和党の補助金打ち切りでEV普及に大打撃

欧州の政府主導によるEV普及は補助金とセットで順調に進んできたが、太陽光パネル同様に政府補助金は普及のためのインセンテイブであり、特定期間に限定される。EV販売が補助金に強く依存しているが、共和党の新税制計画では7,500ドル(日本円で約90万円)の補助金が打ち切られる。

Nov. 03, 2017

テスラEVモデル3生産遅れで第三四半期に6.7ドル損失

量産車メーカーの洗礼を受けたテスラEVの誤算が鮮明になった。7-9月の第三四半期の損失は13.70ドルで、昨年同時期と明暗を分ける結果になった。同社初の量産車モデル3の生産遅れが足を引っ張ることになった

Nov. 02, 2017

北朝鮮ハッカー集団の新たな動き

米ウォールストリートジャーナルによると北朝鮮ハッカー集団による米韓軍事計画の不正入手に続き、護衛艦、潜水艦やイージス・システム搭載のイージス艦を製造している韓国の造船会社大宇造船海洋がハッキングされ、機密の軍事情報が流出したことが明らかとなった。

Nov. 01, 2017

FRBバランスシート縮小の据え置きの可能性

FRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長は7月にバランスシートの縮小を10月から実施すると発表した。最大で4.5兆ドルまで膨れ上がったバランスシートを2008年のサブプライム住宅ローン危機前の1兆ドルまで縮小する、バランスンスシート正常化プログラムである。10月を残すところあと1日となり、果たしてバランスシートの縮小が実行に移されたのかに注目が集まる。

Oct. 31, 2017

カタロニア独立反対派デモで負傷者

バルセロナではスペイン国旗を掲げた極右勢力とカタロニア警官隊が衝突し、負傷者を出した。スペイン政府は独立反対派の基盤となる組合の反独立デモ(主催者側発表では100万人規模、実際には40万人規模)を組織し、独立反対を掲げて市内デモを繰り広げた。

Oct. 30, 20

EUの強大国化を目指す欧州委員会

EU執行機関である欧州委員会は英国のEU離脱後に、大蔵大臣ポストを据えて財源管理を一層強め、超大国を目指す方針を鮮明にした。ユンケル委員長の構想はEU加盟国の国家財政に立ち入って構造改革を促し、EU結束力を高めて強大国を目指している。

Oct. 29, 2017

欧州でも急増するオピオイド系鎮痛剤中毒症

米国の社会問題になったオピオイド系鎮痛剤中毒症が欧州に飛び火してここでも蔓延の兆しをみせている。依存性の高いオピオイド系鎮痛剤はケシの抽出成分を含んでいるため、その強い鎮痛効果と依存性でモルヒネより強い医療用麻薬として使われてきた。米国では過剰摂取で死亡する摂取者が一番多い薬物となっており、トランプ大統領は16日に健康被害をもたらす「伝染病」指定をした。

Oct. 28, 2017

ロシアの新型ミサイルSatan 2で米露軍事バランスに変化

ロシアは1基でテキサス州全土あるいはフランスを壊滅させる威力を持つ核兵器搭載ICBMSatan2RS-28 Sarmat)の打ち上げ試験を行う。1基に10個以上、総計40メガトン核兵器(MIRV)を搭載できるSatan 2は旧型のSatanR-36M/SS-18)の後継として2019年から配備が予定されている。

Oct. 27, 2017

イタリアでも自治権拡大の動き

イタリアの観光都市ベネチアがあるベネト州と商業都市のミラノがあるロンバルディア州の2州で、中央政府の直接統治を弱め、自治権拡大を問う住民投票が22日に実施された。住民投票は憲法違反ではないが、法的拘束力をもたない。完全独立を求めるカタロニアとは異なるが、経済的に豊かな地域が中央政府の特に税制や移民政策に不満や不公平感を感じ、自治権拡大を求める面は似ている。

Oct. 26, 2017

未来都市構想で若返りを模索するサウジアラビア

サウジアラビアのサルマン皇太子は25日、再生可能エネルギーのみに依存する未来都市を建設するとともに温厚なイスラム国家を目指すことを宣言した。新しい未来都市ネオムに5,000万ドルの国費を投じて、イノベーションハブとして世界から投資家を呼び込む構想である。

Oct. 25, 2017

米軍が戦略爆撃機の空中待機再開を準備

米空軍は米ソ冷戦時代(1991年)以来となる戦略爆撃機B52の空中待機に向けて準備に入った。これによって緊急離陸に備える滑走路端の専用駐機場にB52戦略爆撃機が常駐し警戒態勢に入る。

Oct. 23, 2017

JFK暗殺で勢力を増した米国を動かす闇の力

CIAが執拗に抵抗するなか、トランプ大統領は21日、ケネディ元大統領(JFK)暗殺事件に関する未公開の司法省、CIAFBI捜査資料の公開を許可した。1026日の公開期限を前に、国家機密資料3,100ファイル数百万ページの文章がアメリカ国立公文書館から公開される。

Oct.23, 20

カタロニア独立へ向けて強まる反政府デモ

カタロニア州の中心都市バルセロナでは中央政府が自治権の一部を剥奪したことに抗議して市内で数10万人規模の抗議行動が起きた。バルセロナ警察調べでは450,000人が抗議行動に参加、自由独立を求めてデモ行進を繰り返している。

Oct. 22, 2017

ウラニウム・ワン買収を巡る不正の証拠 Part 1

2010年にオバマ政権がロシア国有原子力企業ロスアトムによるウラニウム・ワンの買収を承認する以前に、ロシア原子力業界の複数の幹部がウラニウム・ワンの買収を可能にする目的で、2009年から不正(脅迫、賄賂、キックバック、マネーロンダリング)を行っていたことがFBI捜査資料で明らかにされた。

Oct. 20, 2017

マルタの人気ブロガー暗殺の背景~暗殺者の誤算

腐敗した政治家を鋭く追及してきた反骨の人気ブロガー、ダフネ・カルアナ・ガリチア記者が1016日に車に仕掛けられた爆弾で暗殺された事件が波紋を投げかけている。現場に駆けつけた息子で記者でもあるマシュー・ガリチア氏が母親は腐敗政治家を追及したために暗殺されたとして、マスカット首相を名指しで批判したためである。

Oct. 20, 2017

中国の近代化路線の総括~より困難な次の5

18日から始まった第19回党大会に前後して、中国の近代化の総括プロパガンダが活発になっている。焦点は人民主義(人民の幸福度)となる。1981年から2015年までに貧困から脱した7.2億の人口は欧州とロシアを合わせた人口より多く、米国の2倍で世界人口に占める割合は10%になる。

Oct. 18, 2017

オーストリアでもポピュリズムの台頭

英国のEU離脱、イタリア、オランダ、フランス、ドイツでの選挙で反EUや反移民政策を掲げる政治政党の躍進、カタロニア国民投票による独立宣言、ポーランドやハンガリーで台頭するポピュリズムの一連の動きで欧州の政治情勢は大きく変わろうとしている。15日のオーストリア国民議会選挙でもポピュリズム的な反移民、反体制の中道右系の国民党が大きく躍進し、第1党となった。

Oct. 17, 2017

ソマリアの自動車爆弾は同時多発テロか

1014日のソマリアのモガデイシュのトラック爆弾テロは137人の死者、負傷者300名以上となった(AFP)。買い物客で混雑する土曜日の商店街に置かれたトラックが爆発したことで、死傷者が増えたとされる。

Oct. 16, 2017

カリフォニア州山火事で甚大な経済損失

カリフォルニア州北部で8日に発生した山火事は、これまでに31人(12日時点)が死亡し、460人が行方不明となっている。ワインの産地で知られるナパ群やソノマ群、ユバ群、メンドシーノ群などで、現在も40カ所で山火事が続いており、火の勢いは衰えを見せていない。鎮火の見通しが立たないため、アメリカ史上最大の山火事となる可能性が高い。

Oct. 14, 2017

日本はデファクト核兵器保有国

唯一の被爆国であり、核兵器保持はあり得ないとされてきた日本だが、崇高で情緒的な願いとは裏腹に、国際的には日本が原子力平和利用に隠れて、核兵器製造が可能なプルトニウムを保有する国(デファクト核保有国)とする認識が高まっている。

Oct. 12, 2017

JFK 暗殺事件の核心に迫る未公開資料が紛失

ジョン・F・ケネディ元大統領(JFK)の暗殺に関する未公開資料の中でも関心が高いとされている暗殺実行犯のリー・ハーヴェイ・オズワルドに関するCIAの「オズワルド・ファイル」、計7巻のファイルのうち、第5巻が公開前に紛失していることが判明した。

Oct. 10, 2017

シリア北部に軍事力を展開するトルコの意図

トルコ軍がロシア、イランとの軍事演習を前にシリア北部近くに戦車と歩兵師団を展開した。3国はこれに先立ちアルカイダの勢力下にあったシリア北部を非戦闘地区にすることで合意している。トルコはこの地区における反シリア政府勢力の台頭を許さない構えである。

Oct. 09, 2017

危険水域に入った米政府債務残高

 9月30日に米連邦政府予算の2017年会計年度が終了した。政府債務残高は始めて20兆ドルを超え、前年度比で3.4%増の20兆2449億ドルであった。1957年以来、政府債務は60年間毎年増加を続けている。

Oct. 06, 2017

テスラEVを待ち受ける量産車メーカーの試練

EV界の期待を一手に背負ったようなテスラ社だが、これまでのニッチ路線から量産車メーカーへの転換を図った戦略は昨年末の40万台というバックオーダーを抱えて大量生産体制に入ったが、思ったより生産台数が伸び悩む結果となった。第3四半期の生産と納車実績が当初予定の生産・販売計画を大幅に下回った。

Oct. 05, 2017

カタロニア独立宣言のインパクト

スペインのカタロニア州政府はスペイン政府の執拗な投票妨害にもかかわらず、独立賛成票が90%を越えたとして勝利宣言を行った。ロイターによれば投票所に派遣されたスペイン政府の警官隊と住民の衝突で、840名の負傷者を出しながら圧倒的な独立を支持する住民の前に、有効投票数2,260万票の90%が賛成票だった投票結果は州政府の完全な勝利となった。

Oct. 03, 2017

カタロニア独立の阻止が困難となったスペイン政府

カタロニア州の独立を問う住民投票が始まったが、スペイン政府の送り込んだ警官隊が投票所に押しかけ、実力行使で投票を阻止しようとして州民と衝突した。州都バルセロナでは政府側警察がゴム弾を使用して騒然となっている。これまでに一般市民800名以上が負傷した。

Oct. 01, 2017

最新世論調査が示す移民政策への不満

英Ipsos MORIの25カ国を対象とした移民と難民に関する世論調査(Global Views on Immigration and the Refugee Crisis)によると、過去5年間、自国における移民が増加していると答えた人は過半数を超えた。25カ国平均48%は移民が多すぎると警戒心を高め、高い移民増加国では移民政策に対する国民の態度が前向きから批判的に変化している。

Sep. 27, 2017

メルケル政権の基盤が揺らぐドイツ総選挙

ユーロの行方、ECB金融政策、EUにおける分裂懸念、移民問題、年金問題、人口の高齢化、予定されている大規模増税、地方自治体の破綻危機など、ドイツを取り巻く重要な問題を議論しないまま、ドイツの連邦議会(下院)総選挙の投票が24日始まる。

Sep. 24, 2017

岐路に立つiPhone戦略

毎回新機種発表では発売前に店の前に長い行列ができ、売れ筋機種は瞬く間に在庫切れとなるiPhoneだが、今回は恒例の発表と違った。新機種8と10周年を記念した10を同時に発表したアップルだが、これまでと異なりユーザーの関心は冷ややかなもので、長蛇の行列もなくガジェット評論家のコメントも珍しくネガテイブコメント一色となった。

Sep. 24, 2017

Science/Technology

世界139カ国を再生可能エネルギー比率100%にするロードマップ

再生可能エネルギーを主要な電源とするには様々な問題が累積している。その中でも不安定な出力はベース電源となり得ないとされて来た。最新の研究でスタンフォード大学を中心とする研究チームは、再生可能エネルギーで世界20地域139カ国の電力需要を賄えると主張、そのための手法を発表した(Jacobson et al., Renewable Energy online Feb. 3, 2018)

Feb. 02, 2018

回復していなかった低緯度地域上空のオゾン層

人間を紫外線から守るオゾン層はフロン規制の効果で、極地上空にできたオゾンホールと呼ばれる欠乏箇所が消えたと考えられていた。しかしオゾン層の修復は緯度に強く依存しており、低緯度地域の上空のオゾン層では修復されていないことが欧州の研究チームによる最新の研究で明らかになった(Ball et al., Atmos. Chem. and Phys. 18, 1379, 2018)。

Feb. 07, 2018

藻に学ぶ単細胞から多細胞生物化への進化

単細胞生物がどのようにして多細胞生物へと進化していったかということは進化の研究で最も重要な問題のひとつである。南アフリカのウィットウォータースランド大学の研究チームは4細胞からなる緑藻の一種、多細胞生物のシアワセモ (Tetrabaena socialis) の核遺伝子を解析して、多細胞化の過程を明らかにした(Featherston et al., Mol. Biol. And Evolution online Dec. 26, 2017)。

Feb. 05, 2018

再び注目される地球の磁極逆転

磁極シフトが進み地球磁場が完全に逆転する状況に変わりはないとする警告をニューズウイークをはじめ多くのメデイアが取り上げたため再び注目を集めることとなった。磁極シフトが2012年以降、移動速度を早めたとなれば逆転の兆候と解釈されても不思議ではない。

Feb. 03, 2018

脊椎からヒントを得たフレキシブルLiイオンバッテリー

コロンビア大学工学部の研究チームはこのほど人体の脊髄にヒントを得て、フレキシブルLiイオンバッテリーを開発した(Qian et al., Advanced Science on line Jan. 31, 2018)。これによってエネルギー密度の高いフレキシブルバッテリーでウエアラブルデバイスの普及が加速すると期待されている。

Feb. 01, 2018

湖底の堆積物から明らかになった大地震の周期性

南米チリの湖底の堆積物コアを分析した国際研究チームは大地震の発生に周期性が高いことを見出した。小規模の地震を含めれば周期性はさらに高まり、しかも周期性が増大していることも明らかになった(Moemaut et al. Earth and Planetary Sci. Lett. 481, 9, 2018)。

Jan. 31, 2018

ミトコンドリアへの蛋白質分子挿入メカニズム

フライブルグ大学の研究チームがβバレル蛋白質がミトコンドリアの細胞膜に取り込まれるメカニズム解明に成功した。蛋白質研究の主要課題のひとつであった蛋白質分子のミトコンドリアへの輸送現象の理解が進むものと期待されているHohr et al., Science 359 eaah6834, 2018)。

Jan. 30, 2018

超高強度アルミニウム合金の登場

アルミニウム合金は軽量だが強度が弱いというイメージは過去のものになりつつある。パーデュー大学の研究チームは特殊なナノ構造を採用することによって、ステンレス鋼並みの機械強度を持つ超高強度アルミニウム合金が製造できることを明らかにした(Li et al., Adv. Materials online Jan. 22, 2018)。

Jan. 29, 2018

新型触媒で燃料電池製造コストが1/100に

カリフォルニア大学リバーサイド校の研究チームは水素を燃料とした高分子電解質膜燃料電池(PEMFC)の貴金属フリー触媒を開発した。白金書屋バイト同等の性能でありながら製造コストが1/100になる新型触媒の登場でFCVや蓄電・発電デバイスの本格的な普及が加速すると期待されている(Tang et al., Small online Jan. 22, 2018)。

Jan. 24, 2018

AI最先端テクノロジー~知識共有による指数関数的学習

2015年10月のプレスコンファレンスでテスラEVの自動運転機能であるオートパイロットについてイーロン・マスクCEOは次のように述べた。オートパイロットでは運転者から車の運転技術を学ぶことで、いわば所有者が教官となり習熟度が飛躍的に高められる。その際に学習内容が全ての車で共有される、すなわちAIが教え合う、ことで学習能率と知識は飛躍的に高められる。

Jan. 23, 2018

国連が誇張した地球温暖化ワーストシナリオ

エクセター大学の研究は増え続けるCO2排出量の現実を反映させ、CO2排出量が2倍となる場合の気温上昇を予測した。IPCCの予測では1.5-4.5度Cとなる気温上昇は下方修正され2.2-3.4度C、もっとも確率が高いのは2.8度Cとなった。つまり気温上昇の幅が狭まり、6度Cという極端な気温上昇はあり得ないことになる。

Jan. 22, 2018

単原子層ナノデバイス-アトムリスタの開発に成功

HDDにかわる次世代メモリの開発が進んでいるがこれまでの2次元原子層をメモリに使う試みは成功していない。テキサス大学オースチン校の研究チームは高メモリ密度を持つ単原子層メモリの開発に成功しメモリデバイスを「アトムリスタ」と命名した(Ge et al., Nano Lett. 18, 434, 2018)。

Jan. 18, 2018

脱炭素社会への切り札となるCO2還元触媒

CO2を還元してカーボンニュートラル燃料や高分子製造材料を製造する技術が普及すれば、化石燃料を使用せずに済む。また貯蔵できるエネルギーを空気から製造することで同時にエネルギー危機も防げる理想的な未来技術になり得る。トロント大学の研究チームはCO2を還元してポリエチレンの原料となるエチレンに変換する触媒開発に成功した(Luna et al., Nature Catlyst online Jan. 15, 2018)。

Jan. 17, 2018

経済的持続性が低すぎるシェールガス発電

マンチェスター大学の研究チームの最新の研究ではシェールガスは持続性に問題があるため、未来を託すことはできないことが明らかにされた。研究結果はシェールガス発電は9種類のエネルギー源の選択肢の中でも7番目と、もっとも適さない部類に入ることを示した(Cooper et al., Sci. of The Total Env.ironments 619-620, 804, 2018)。

Jan. 16, 2018

宇宙空間でのX線ナビゲーション

NASAは惑星間の宇宙飛行にX線を使う完全自律型ナビゲーションを提案している。SEXTANTと呼ぶ実験でパルサーからのミリ秒パルスが宇宙空間を時速数千キロで移動する宇宙船の位置を正確にモニターできることが示された。その原理は地球上の移動体位置計測に用いられるGPSと同じである。

Jan. 13, 2018

水素分子の電子相関の可視化が可能に

水素原子は最も単純な分子として知られる。そのため量子化学計算の対象として格好の物質であり、これまで分子の波動関数の可視化も多いがこのほど国際共同研究グループが初めて電子相関を可視化することに成功した(Waitz et al., Nature Comm. 8: 2266, 2017)。

Jan. 11, 2018

炭素系ナノ物質は燃料電池の正極材料に最適

Liイオンバッテリーの正極材料研究開発で実績のあるライス大学の研究グループは燃料電池の酸素還元触媒である白金の代替えとしてグラファイトN(B)ドープのカーボンナノチューブあるいはグラフェンナノリボンなどの炭素系ナノ物質が最適であるとする研究結果を発表した(Zou et al., Nanoscale, 2017)。

Jan. 08, 2017

酸素欠乏海域の増大は地球環境の危機

大気中のCO2濃度の増大は海水の酸性化をもたらし漁業に深刻な打撃を与えるが、一方では海水中の酸素濃度も地域によっては減少傾向が続いている。酸素濃度は海水に生息する生物にとって致命的な悪影響を持つ。過去50年にわたって海水の酸素濃度は減少傾向にあり、低酸素濃度領域が1950年当時比べて10倍に拡大した。

Jan. 05, 2018

化学ループによる化石燃料からのシンガス製造

オハイオ州立大学の研究チームは効率よく化石燃料とバイオマスを電気や工業的に有用な人工燃料(シンガス)に変換するクリーンな技術の研究開発を行っている。CO2を使いシェールガスからメタノールと軽油に変換するこの手法は原料のシェールガスの代わりに石炭やバイオマスを用いることもできる(Kathe et al., Energy & Environmental Science, 6, 2017)。

Jan. 01, 2017

地球寒冷化が世界経済に与える脅威

2017年には27%にあたる96日間に渡って無黒点の状態が継続した。2015年には無黒点の日数は無かったが、2016年には9%になり2017年には27%となった。太陽活動が低下すれば放出エネルギーも低下するから寒冷化は避けられないが、寒冷化が食糧危機と感染症の流行で世界経済と強くリンクしている。太陽活動の長周期(約300年)は経済活動周期と一致している。

Dec. 30, 2107

脱合金ナノポーラス水分解触媒~水素社会へ向けて前進

クリーンエネルギーの一翼を担う燃料電池の燃料として水素は天然ガス(メタン)の水蒸気改質法に代わる新製造技術が模索されている。太陽エネルギーと触媒を用いる水分解反応は環境保全の点で理想的な水素製造法であるため、そのエネルギー効率を高める触媒開発が精力的に行われている。アルゴンヌ国立研究所の研究グループは最新の研究で、高性能の水分解触媒を開発した(Kim et al., Nature Comm. 8:1449, 2017)。

Dec. 26, 2017

アゾベンゼンベースの光熱電池が高エネルギー密度達成

マサチューセッツ・アマースト大学の研究グループはアゾベンゼンをベースとした高分子電解質を用いた光熱電池でエネルギー密度~510J/g(最大698J/g)を達成した。研究グループはエネルギー密度に電解質溶液前処理と高分子薄膜のモルフォロジーが重要であることを明らかにした(Pyo et al., Nature Scientific Reports 7:17773, 2017)。

Dec. 21, 21017

藻が地球の危機を救う日

本格的な藻の食料や化粧品の原料への応用は遺伝子編集ツール(CRISPR)の進歩で現実味を帯びてきた。エジンバラ大学の研究グループは藻の遺伝子編集技術を改良し、新薬開発への応用を目指している(Ferenczi et al., PNAS online June 12, 2017)。

Dec. 20, 2017

フラップのない翼の次世代航空機MAGMA

英国の航空機製造メーカーBAE社はマンチェスター大学と共同でフラッブの代わりに空気流を使う航空機MAGMAの無人実験機を開発し、飛行試験を完了した。新しい航空機制御の方式は従来の航空機の制御に用いられる機械式のフラップを使用しない初めての試みとなる。

Dec. 19, 2017

セパレータレス水分解による海上水素製造

コロンビア・エンジニアリングの研究グループは研究グループは海上に巨大な太陽電池パネルを浮かべ海水を電解質として水分解を行うことで、大規模な純水素(99%)製造が可能であることを示した。(Davis et al., Int. J. Hydrogen Energy online Dec. 15, 2017)。鍵となるのは水素と酸素を分離回収できる電極構造である。

Dec. 18, 2017

超伝導磁石の世界最強磁場を達成

フロリダ州立大学の強磁場施設(National MagLab)はマックスプランク研究所の施設と並んで世界有数の強磁場施設として知られる。このほど高温超伝導磁石を用いて世界最高強磁場(32T)を達成した。

Dec. 15, 2017

ワン・プラネット・サミットはエネルギー・セクターのビルダーバーグか

新首相の元で環境対策に熱心なパリ議定書の議長国であるフランスは、12月12日から、再びパリで気候変動の対策を議題とするワン・プラネット・サミットを開催している。会議では化石燃料から脱却したグリーンエネルギー化のために、国境を超えて取り組もうという趣旨の元で、分野ごとに対策が協議された。

Dec. 13, 2017

低炭素電力の環境負荷~2050未来予測

ポツダム気候影響研究所の研究グループは長期サイクルでみた化石燃料と非化石燃料の温室ガス排気のライフサイクルアセスメント(環境影響評価)を行った。研究グループはエネルギー、経済、土地、消費、気候への影響を統合したグローバルモデルを構築して、未来社会の低炭素電力システムに関する環境影響評価の結果を公表した(Pehli et al., Nature Energy 2, 939, 2017)。

Dec. 12, 2017

ペロブスカイト太陽電池の効率が21.6%に

スイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究グループはルビジウムを添加した新しいペロブスカイト材料で世界最高のエネルギー変換効率を達成した。同時に、これまでペロブスカイト材料の弱点であった熱安定性を克服し、高温でも安定な出力を維持できる新型ペロブスカイト太陽電池の開発に成功した(Sakiba et al., Science 354, 206, 2017)。

Dec. 11, 2017

トランプ政権の予算削減でITER建設に遅れ

トランプ政権は2017-2018年度予算を1.05億ドルから5,000万ドルへ50%削減、2018年度は1.2億ドルから6,300万ドルに削減した。ITER参加国には10年間の建設期間中の脱退は認められていない。また負担金に大幅な縮小があると建設に遅れが生じ、予定期間に完成しない恐れがあることから、ITER側は米国に当初計画通りの負担額を要求している。

Dec. 08, 2017

酷寒でも高性能なLiイオンバッテリー

氷点下の気温ではLiイオンバッテリーの蓄電量が低下する。これは寒冷地のEVにとっては致命的な問題となる。中国の復旦大学の研究者グループは寒冷地に強い前リチウム化炭素陰極とLiイオンを含む陽極を開発した(Liu et al., Angewandte online Nov. 30, 2017)。新たに改良した前リチウム化炭素陰極の採用で低温でもインターカレーションが妨げられない特徴を持つ。

Dec. 06, 2017

地震をP波より早く予知する重力波

地震発生に伴って地球の重力場が変動することを利用すれば、重力波の伝搬は光速度であるためP波観測より早く地震規模を予想することができる。CNRSを中心とした研究グループは最新の研究で、観測される重力波の観測から地震規模を推定できることを明らかにした(Vallee et al., Science 358, 1164, 2017)。

Dec. 04, 2017

抗生物質が免疫細胞の細菌殺傷能力を阻害

ハーバード大学の研究グループは最新の研究で、マウスに投与された抗生物質の効果を調べ、抗生物質が免疫細胞の細菌殺傷能力を阻害する場合があることを見出した。(Yang et al., Cell Host & Microbe online Nov. 30, 2017)。

Dec. 01, 2017

世界最大となる北京新国際空港

敷地面積が313,000 m2となる北京新空港は2014年から建設が始まり2019年に開港する。ターミナルはザハ・ハデイド氏設計の「星のイメージ」で6方に中央からヒトデの触手のように伸びる。中央部を経て全てのターミナルが等距離に位置する至便性の高い空港となる。6つのうち5つのターミナルには全部で75箇所のゲートが設置され、カプセルホテルも含まれる。

Nov. 29, 2017

高高度擬似衛星(HAPS)による衛星通信革命

TV、電話、インターネット回線に使われるほとんどの通信衛星は商用ロケットで打ち上げられ、地球上高高度静止軌道で運用される。しかし高度は徐々に低下してやがては大気圏に突入して燃え尽きる。打ち上げコストもさることながら宇宙ゴミを増やさないために、欧州宇宙局(ESA)は高高度疑似衛星(HAPS)という概念を提案している。

Nov. 30, 2017

ペロブスカイト膜(ITM)で排出炭素から燃料を製造

MITの研究グループはLCF-91と呼ばれるLa、Ca、Fe酸化物を含むペロブスカイト(

La0.9Ca0.1FeO3-δ)膜に火力発電所から排出されるCO2ガスを通してCOとし、水素化して炭化水素としたり、水と反応させてアルコールとして炭素軽減とカーボンニュートラル燃料に使う一石二鳥となる秘術を開発した(Wu et al., ChemSusChem online Nov. 4, 2017)。

Nov. 28, 2017

窓型太陽電池でエネルギー自給する未来住宅

ケンブリッジ大学の研究グループは窓ガラスに色素増感型太陽電池を取り付けて発電する新しい概念の太陽光パネルを開発した。研究グループの提案する住宅の窓ガラス太陽光パネルは、色素増感型太陽電池の世界最高効率(14.3%)で、送電網への依存度が低い持続的なエネルギー供給が可能になるとして、未来都市のエネルギー問題の解決に役立つと期待されている(Zhang et al., J. Mat. Chem. A 37, 2017)。

Nov. 25, 2017

欧州の放射性核種汚染でロシアが原子力事故を否定

欧州各地で2017年9月に観測された放射性核種(ルテニウム106)の地表濃度の異常な上昇した。放出源はウラル山脈近くのロシアもしくはカザフスタンの疑いが濃厚である。一方21日、ロシアは管轄する核施設では原因となる原子炉事故は報告されていないこと明らかにした。

Nov. 22, 2017

人間の知性の根幹に脳内ネットワーク結合の柔軟性

過去数世紀に渡る人間の知性形成と脳機能の関係について膨大な研究が行わレてきた。一部の研究者はニューラルネットワークの特定の領域が知性を形成すると考えているが、脳細胞のエネルギー代謝が重要だとする説もある。イリノイ大学の研究グループは知的刺激に対応する脳内ネットワーク間の動的結合の柔軟性が知性形成の根幹をなすことを最新の研究で明らかにした(Barbey et al., Trends in Cognitive Sciences 2017)。

Nov. 20, 2017

ナイーブT細胞の役割解明で免疫療法が新展開か

癌細胞増殖の背景にある免疫細胞に関する最近の研究では、未熟なT細胞(ナイーブT細胞)も調べられるようになった。ミシガン大学の研究グループは、最新の研究でエフェクターT細胞の機能が損傷している場合には、ナイーブT細胞も異常が見られることを発見した(Xia et al., Science Immunology 2, eaan4631, 2017)。

Nov. 18, 2017

2020年に誕生する海上独立国家

海上都市の構想の歴史は古く、ドバイ沖の海上都市サバー・アル・アマドを筆頭に多くのプロジェクトがある。中には独立国家を目指すものもあるが、2020年に最初の海上独立国家がタヒチ沖に実現する。

Nov. 15, 2015

ホーキング博士の2600年地球滅亡説の真意

2600年に地球が火の玉となって人類は滅亡するから他の惑星しなけれならないというのが本当なら、火星移住計画の推進派にとっては願っても無い警告だが、2600年に何が土嚢な理由で起きるのだろうか。

Nov. 14, 2017

高利益率iPhoneと脱税で潤うアップル

発売されたばかりのハイエンドスマホ頂点に立つアップル社の iPhone X999ドルからという破格の価格となった。製造コストTechInsight357ドルで64%の利益をもたらすXは普及版8より25%製造コストは高くなるものの、43%増しの価格で販売する(ロイター)8699ドルからで利益率は59%となる。製造コストを抑えられた要因は例によってフォックスコンへの水平展開である。

Nov. 08, 2017

抗体のせいで2回目の感染が危険なデング熱

世界的なデング熱流行はまだ記憶に新しいが、幸い日本ではそれほど多くの犠牲者を出すことなく、いつしか忘れ去られようとしている。本当に感染リスクは消えたのだろうか。米国とニカラグアの研究グループによれば一度感染した幼児は二度目の感染の方が症状が重く、危険なことを最新の研究で見出した(Katzelnick et al., Science online Nov. 02, 2017)。

Nov. 07, 2017

ビットコインに量子計算機攻撃の脆弱性

絶対に破られることがないとされてきたビットコインなどの仮想通貨(暗号通貨)が近い将来、量子計算機の攻撃に対する脆弱性が指摘されている。マクアリー大学の耐量子通貨(Quantum Resistant Coin)と呼ぶ研究者グループは、現在の1.5兆ドルにのぼる仮想通貨市場のリスクを明らかにした(Aggawal et al., arXiv.1710.10377v1)。

Nov. 06, 2017

市場に忠実な現実主義のボーイング797

7X7シリーズの最後となるボーイング797といえば旅客機としては革新的なブレンデッドウイング(Blended Wing)と呼ばれるデルタ翼機構想が知られていた。機体の大型化が進むと強度の関係で主翼と胴体が一体化されたブレンデッドウイングが有利となり、さらに抵抗の少ないため燃費も向上するので、大型機の新しい方向性を示す画期的なデザインであった。

Nov. 02, 2017

完全なEV化がありえない理由

EVと内燃機関の車(ICE)は発電を火力に頼る場合、エミッションに関してはそれほど差がないことが認識されている。現在は主に国内企業がEVシフトに出遅れたとする危機感よりも、現実的にはEVICEを置き換えることは難しいので、車の駆動方式は多様性を持って取り組んでもよさそうだ、という状況に落ち着いている。

Nov. 01, 2017

世界最短アト秒パルスX線レーザー

アト秒スケールの短パルスX線を用いると化学反応中の電子の移動を動画のように観察できる。欧州の基礎科学拠点のひとつであるETHチューリッヒの研究グループは43アト(10-18)秒という世界最短の軟X線レーザーパルス発生に成功した。

Oct. 30, 2017

損傷した心筋細胞を再生する~生体内心筋リプログラミング

ノースカロライナ大学マクアリスター心臓研究所の研究グループは単一細胞RNAシーケンシング技術と数学的モデルに基づいた遺伝子操作と化学的手法で線維芽細胞が心筋細胞に変化する過程を分子レベルで明らかにした。研究グループは再生医療のひとつである生体内心筋リプログラミングと呼ばれる手法を用いたLiu et al., Nature online Oct. 25, 2017

Oct. 27, 2017

記憶のメカニズムに新理論

MITの研究グループは2年前に逆行性健忘症のある例では記憶情報が再構築できない場合でも、書き込まれている場合があることをみいだした。これは記憶の3段階モデルでは説明できないが、このほど同じ研究グループは機能しない記憶痕跡が生まれて、記憶を再構築できるのかを詳しく調べたRoy et al., PNAS online Oct. 23, 2017)。

Oct. 25, 2017

新しい蛋白質が誕生するメカニズム

アリゾナ大学の研究グループは酵母蛋白質が、転写因子であるScratch蛋白質から誕生し、のちにフォールデイングして3次元構造に変化することを見出した(Bungard et al., Structure 2017)。この新しい蛋白質Bsc4(上図)は従来知られている蛋白質のような複雑な3次元構造にフォールデイングされる以前の誕生直後の状態にあると考えている。

Oct. 24, 2017

海底炭素貯留の安全性を調査するEU

STEMM-CCSStrategies for Environmental Monitoring Carbon Capture and Storage)と呼ばれるこの研究は英国の研究グループによって行われ、論文として公開されている(Alendal, J. of Geophys. Res. online July7, 2017)。研究では海底貯留からの漏洩を検出して漏洩場所を無人潜水艇で特定する手法を提案している。

Oct.23, 2017

紫外線照射で皮膚癌になるメカニズム

コーネル大学の研究グループは癌発現につながる遺伝子変異を研究し、紫外線照射でできるメラニンよりメラニン形成細胞であるメラノサイト(幹細胞)が支配的になると、皮膚癌幹細胞が活発化することをみいだしたMoon et al., Sell Stem Cell online Oct. 12, 2017

Oct. 19, 2017

HIV-1の最後の未決定蛋白が構造決定される

アラバマ大学の研究チームはAIDSを発症させる逆転写酵素を持つRNAウイルス(レトロウイルス)のHIV-1の未決定構造を決定した(Murphy et al., Structure, 2017 今回決定されたのはHIVウイルスがヒトに感染して増殖するメカニズム解明に不可欠な蛋白gp41の細胞質尾部の構造である。

Oct. 21, 2107

脳機能を活性化する頭脳トレーニングとは

ジョンホプキンス大学の研究グループは研究で用いる頭脳トレーニングのひとつが脳活性化に役立つことを発見した。この方法で運動能力同様に脳機能を頭脳トレーニングで鍛えることが可能であることがわかった(Blacker et al., Journal of Cognitive Enhancement online Oct. 16, 2017)。

Oct. 18, 2

海水淡水化に新技術が登場

イリノイ大学の研究グループは従来の逆浸透圧や電解技術より低コストの海水の淡水化技術を開発した(Porada et al., Electrochimical Acta 255, 369, 2017)。新技術により海水の淡水化が必須な中東諸国や、海水面の上昇で海岸地域が地下水汚染で農作物への影響を受ける国々が大規模淡水化システムを低コストに整備できるようになると期待されている。

Oct. 17, 2017

大気中のCO2除去に積極的なアイスランド

 パリ議定書から米国が脱退し削減交渉に暗雲が立ち込めている。排気量規制が失速しつつある現在、大気中のCO2を取り除くアプローチに関心が集まっている。排気量の過半数を占める米国と中国はいずれも規制に消極的で必要とされる排気規制が現実的でないためである。

Oct. 16, 2017


最新研究がオゾン層の危機を警告

オゾン層の危機が叫ばれてモントリオール協定でフロン使用が禁止になった後、オゾン層の減少に歯止めがかかり危機は去ったと思われていた。しかし東アングリア大学の研究グループは、モントリオール協定で規制されなかったフロン以外の物質によって、再びオゾン層が危機が迫っていることを明らかにした(Oram et al., Atmospheric Che. Phys. 17, 11929, 2017)。

Oct. 13, 2017

金ナノ粒子による新しいCRISPR遺伝子編集

カリフォルニア大学と東京大学の研究グループがウイルスによる輸送を必要としないCRISPR遺伝子編集技術を開発した(Lee et al, Nature Biomedical Engineering online Oct. 02, 2017。新しい手法では金ナノ粒子に配位するようにしたDNAとCas9蛋白、ガイドRNAを高分子で覆い、輸送過程であるエンドシトシスに利用する。

Oct. 12, 2017

人工光合成の新触媒

ブルックヘブン国立研究所の研究グループが人工光合成の鍵となる化学反応を助長する新しい触媒を開発した。この反応は光による水分解(水の酸化)反応で光エネルギーで水分子からプロトンと電子を生み出すものである(Shaffer et al., J. Am. Chem. Soc. online Sep. 24, 2017)。

Oct. 09, 2017

悪性脳腫瘍の成長阻害メカニズムの発見

MITの生物学研究グループが悪性脳腫瘍として知られる膠芽腫(glioblastomas)のメカニズムを解明し、そのメカニズムを阻害する治療法を見出した(Braun et al., Cancer Cell online Sep. 28, 2017)。研究グループはさらに遺伝子マーカーも発見し、予防に役立てることも可能になったとしている。

Oct. 03, 2017

地球上の生命の起源はRNAの形成

マクマスター大学とマックスプランク研究所の研究グループは、地球の生命誕生は37-45億年前に隕石が衝突して温暖な池に生命発生の鍵となる元素が供給されたことによるとする研究結果を発表した(Peace et al., PNAS online Aug. 28, 2017)。研究グループは養分を含んだ温かい湿地から転写機能を持つRNAが形成されたことが生命の起源と考えている。

Oct. 06, 2017

エールフランス機がエンジン損傷で緊急着陸

10月1日にパリからロスアンジェルスに向けて飛行中だったエールフランスAF066便(乗客496人が登場したA380)が、第4エンジンに重大な損傷が発生したため、飛行を中止してニューファンドランド・ラブラドール付近のグースベイ空港に緊急着陸した。

Oct. 02, 2017

解明に近づく長期記憶のメカニズム

30年にわたる研究の末にブランダイス大学の研究グループは長期記憶に関わる分子、蛋白キナーゼ(CaMKII)を発見した(Rossetti et al., Neuron 96, 207 (2017))。記憶プロセスの鍵となる物質の発見によって、未解明の部分が多かった長期記憶のメカニズムの解明が期待される。

Sep. 29, 2017

米国とロシアが月基地を共同運用

火星をはじめとする太陽系外惑星探査計画の一環として、NASAは月基地の建設を進めている。ロシアはNASAが進める月基地建設計画に積極的に協力して月基地開発と運用を共同で行うことで合意した。

Sep. 28, 2017

再生可能エネルギー源となる自然蒸発

コロンビア大学の研究グループは再生可能エネルギーとして初めて湖や貯水池の水の自然蒸発を評価した結果、全米の消費電力の70%に相当する325GWの発電能力を持つことがわかった(Cavusoglu et al., Nature Comm. 8:617, 2017)。

Sep. 27, 2017

太陽エネルギー貯蔵の鍵となる自己活性化触媒

触媒作用が失われない自己活性化触媒(Costentinet al., PNAS online Aug. 11, 2017)は失活の問題を解決できるとして注目を集めている。自己活性化には触媒機能の発現に必要な電圧より低い電圧の印可による自己集合が望ましい。リン酸コバルト酸素発生触媒(Nature Reviews Chemistry 1, Article number: 0003 (2017))では水溶液のリン酸濃度と印可電圧の制御で自己活性化が可能になる。

Sep. 25, 2017



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